不人気極まる岸田文雄首相が、秋の自民党総裁選に立候補する意向を隠していない中で、菅義偉前首相が公然と岸田氏を批判して、岸田氏に代わる新たな総裁の出現を望む姿勢を示している。
一方で石破茂元幹事長ら複数の「ポスト岸田」候補に言及しつつ、誰を推すかは「まだ決めていない」と述べた。
麻生派を除き、安倍派などの派閥が一応解消するとしている中で、麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長の力が自民党全体に及ぶほどのものがなく、無派閥を貫いている菅氏の影響力が隠然と根を張っているようだ。
先には、菅氏の地盤である自民党横浜市連会長が、岸田氏に公然と退陣を迫った。誰もが菅氏の関わりを否定していないようだ。
横浜には、麻生派の河野太郎デジタル相、総裁候補2番手の小泉進次郎氏が居て、いずれも菅氏との関係は親密のようだ。
その点で、菅氏が河野氏、小泉氏に期待を掛けていと思うが、現状では両氏ともまだ未熟な点が隠せず、自民党全体のトップに立つには力量的にも難しいと思われている。
そういった観点から、菅氏が、今回石破茂元幹事長の名を上げたことは注目される。
自民党は、岸田氏ですっかり国民から愛想をつかされている。起死回生には、国民に目移りの良いリーダーを表に出すしか浮上する可能性が無いのではないか。
その点で、実際の考え方、発想能力、人柄などでどうか分からないが、党員には人気が一番だが、議員には一番人気のない石破氏を担ぎ出す可能性が出てきたように感じる。
ただ、菅氏にキングメーカー的役割を許すか否か。菅、麻生、茂木3氏の合意形成に注目したい。「関連:6月23日」