本棚の奥を整理していたら
埃まみれになった懐かしい文庫本が出て来た。
へえ、こんなところに・・・
と思いつつパラパラとページを繰っていると
遠い青春時代が否応なく蘇って来た。
埃まみれになった懐かしい文庫本が出て来た。
へえ、こんなところに・・・
と思いつつパラパラとページを繰っていると
遠い青春時代が否応なく蘇って来た。
高野悦子の「二十歳の原点」を覚えておられるだろうか。
かつて大学紛争はなやかなりし時代に
奥浩平の「青春の墓標」とともにベストセラーとなり
若者たちのバイブルのように読まれた一冊だ。
栃木県の那須に生まれた彼女は
県立宇都宮女子高から京都の立命館大学文学部に進学。
史学科の学生として憧れの京都で青春をすごす。
5年後に、まさか自分が同じ大学に進むとは思わなかったが
おそらくその親近感から買い求めた一冊だったと思う。
かつて大学紛争はなやかなりし時代に
奥浩平の「青春の墓標」とともにベストセラーとなり
若者たちのバイブルのように読まれた一冊だ。
栃木県の那須に生まれた彼女は
県立宇都宮女子高から京都の立命館大学文学部に進学。
史学科の学生として憧れの京都で青春をすごす。
5年後に、まさか自分が同じ大学に進むとは思わなかったが
おそらくその親近感から買い求めた一冊だったと思う。
彼女自身の日記形式で綴られた本だけに
日々の息遣いかや苦悩ぶりが手に取るように伝わって来る。
学業とアルバイトに追われながらも
大学紛争という当時の社会情勢と真摯に向き合う姿は
じつに健気で痛々しいような印象さえ受ける。
高校時代は生徒会長もつとめただけに
問題意識は高く文中に収められた幾編もの詩も素晴らしい。
しかし、そんな多感な女性だからこそ孤独も深く
時代に翻弄されながらしだいに絶望に追いつめられていく。
日々の息遣いかや苦悩ぶりが手に取るように伝わって来る。
学業とアルバイトに追われながらも
大学紛争という当時の社会情勢と真摯に向き合う姿は
じつに健気で痛々しいような印象さえ受ける。
高校時代は生徒会長もつとめただけに
問題意識は高く文中に収められた幾編もの詩も素晴らしい。
しかし、そんな多感な女性だからこそ孤独も深く
時代に翻弄されながらしだいに絶望に追いつめられていく。
昭和46年6月24日未明。
高野悦子は鉄道自殺で不帰の人となる。
文庫本の奥付にはこんな一文がある。
独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。
考えてみれば私も同じようなものではないか。
家庭があっても人間は独りだし
いたずらに年を重ねてみても人間は未熟のままだし
それは私の六十八歳の原点なんだと思う。
高野悦子は鉄道自殺で不帰の人となる。
文庫本の奥付にはこんな一文がある。
独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。
考えてみれば私も同じようなものではないか。
家庭があっても人間は独りだし
いたずらに年を重ねてみても人間は未熟のままだし
それは私の六十八歳の原点なんだと思う。