まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

伝説の大討論

2020年03月25日 | 日記

久しぶりに話題の映画を観て来た。
正確に言うと映画ではなくドキュメンタリーなのだが
その惹句の通り「圧倒的熱量」とやらに
すっかり圧倒されてしまった。
異例のランキング入りというのも大いに頷ける。



三島由紀夫VS東大全共闘。
60年代の掉尾を飾る伝説の大討論会である。
大学紛争はなやかなりし時代
過激派で知られる東大全共闘の学生1000人が
駒場の教室に作家の三島由紀夫を招いての丁々発止の討論会だった。
当時、私は19歳のハナタレ高校生。
全共闘運動の理念に激しくシンパシーを覚える
早熟で過激な少年だった。(笑)
あれから半世紀後にこんな貴重な映像に出逢えるとは
思いもかけなかっただけに正直うれしかった。
学生たちの「熱量」にも圧倒されたが
それより何より三島由紀夫という作家の「度量」の広さに
感心しきりで思わず舌を巻く思いだった。
たとえ1000人と言えどもわれ行かん・・とでも言うのか
圧倒的アウェーの中でその決意と覚悟は
凄みさえ感じさせるものがあった。
彼はこの大討論会があった4年後か5年後に
市ヶ谷のバルコニーで壮絶な自死を遂げるのだが
そんな予感を感じされるシーンもあった。
言葉が言葉だった最後の時代と言えるかもしれない。
ときはSNS全盛で
言葉も人の顔もドンドン見えにくくなる時代に
人と人がむき出しで熱情を語る真実があったことを
ちょっと誇らしく思ったりする。