線路脇に咲く菜の花。
私の理想とする春の風景である。
東京都内ではもう桜が満開になったそうだが
桜が春の主役だとすると
菜の花は味のある脇役と言ったところだろうか。
目にも鮮やかな黄色なのに
菜の花はどことなく地味な存在ある。
主役の桜はどこへ行ってもモテモテの人気者だが
わざわざ菜の花を振り返る人は少ない。
と言ってメゲる風もなく菜の花は精一杯明るく咲いている。
実に健気で見上げたやつだと思う。
そんなことを考えていたらガタゴトと電車の音が・・・
東急池上線の電車だ。
東急電車はいかにもハイカラで都会的な電車だが
池上線はどこか野暮ったくてローカル線の匂いがする。
菜の花がよく似合う電車だ。
五反田のビル街をガタゴトのんびりと走る。
その池上線の沿線に大学があった。
見上げればこのキャンパスの桜も遅いようだ。
まだ春休みなので学生の数も少ない。
最近は大学もビルばかりになってしまって味気ない。
などとブツブツ言いながら歩いていると・・・
立正大学と言うらしい。
聞いたことがあるようなないような・・・
手持無沙汰な守衛さんに聞くと
元々は日蓮宗の僧侶を養成するために建学された
仏教系の大学らしい。
なんと一万人も学生がいると聞いてビックリ!
思わず合掌してしまった。(笑)
そのキャンパスの隅に
レモンイエローの小さな花が無数に咲いている。
あ、この花は知っている!
植物オンチの私が久々に「鼻高」である。
この薄黄色の小さな花は「ヒュウガミズキ」と言う。
ヒュウガ(日向)と言うぐらいだから
宮崎県の花だと思ったら高知県が多いと言うから
由来はよくわからない。
トサミズキという花もあるから関係あるのだろうか。
ともあれ、黄色い花に魅せられながら歩いた五反田散歩。
足が棒になるほど疲れた昼休みだった。