地下鉄の駅を上がると
由緒あるらしき寺の山門の前に出た。
いまだに東京の地理はよく分からない上に
はじめて降りる駅なのですっかり道に迷ってしまった。
お茶の水女子大の方向に出たかったのだが・・・
大本山「護国寺」とある。
聞いたとのあるような名前だが歴史にはトンと疎い。
ご本尊は如意輪観世音菩薩。
確か奈良の中宮寺や京都の醍醐寺で見たような気がするが
仏像となるとさらに疎いからどうしようもない。
なかなか立派な山門である。
由緒書きを見ると江戸時代に五代将軍・徳川吉宗公が
母の桂昌院のために建てた寺らしい。
吉宗も桂昌院ももちろん名前は知っているが
時代劇程度の知識しかないのが情けない。
門の左右にはいかめしい金剛力士像が鎮座しておられた。
右手に控えるのは増長天像。
革製の甲冑を身にまとったいで立ちではあるが
どこか愛嬌のある顔立ちだった。
私もすぐ調子にのって増長するクセがあるだけに
気をつけねばならない。
左手には広目天像。
広目天というぐらいだから
広い視野を持った尊い仏様だろうか。
私は最近すっかり視力が衰えてしまって・・・
ちょうど秋の法要だったらしく
本堂へ続く階段には幟がゆるやかに翻っていた。
こちらにご本尊の如意輪観音のありがたいお姿が待つのだろうか。
と思ったが「秘仏」だそうで
われわれ下々の者にはお姿は拝めぬとか。
うーん、残念!
その階段の横で
一匹の猫がモデルになっていた。
写真を撮る人は多いがスケッチの人はめずらしい。
なかなか手練れのモデルさんのようで
微動だにせずにポーズをとっていて感心してしまった。
護国寺の猫はまるで悟りを開いたような
じつに達観した猫であった。(笑)