まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

寅さんの旅情

2019年09月21日 | 日記

もうずいぶん旅をしていない。
ヒマもないし金もないし何より心のゆとりがない。
遠くも近場も含めて
数年前までは何かにつけて旅をしていたのに
最近はひらすら家と職場の往復ばかりで
すっかり旅を忘れた淋しい人間になってしまっている。
だからという訳でもないのだが・・・

図書館でこんな本を借りてしまった。
タイトルを見てほとんど衝動的に手に取ってしまった。
内なる旅への欲求がなせる業だろうか。(笑)
映画「男はつらいよ」の鉄道シーンをグラビアにした
旅心あふれる楽しい本である。
図書館の椅子に座ってその場でつい読みふけってしまった。
確かに寅さん映画のほとんどは旅である。
もちろん柴又で繰り広げられる家族との泣き笑いの人情ドラマもいいが
寅さんが啖呵売で全国を旅するシーンは
古き良き「日本の原風景」とも言えるようなシーンばかりで
思わず懐かしく見入ってしまう。
とくに鉄道が登場するシーンは昭和の匂いがプンプンして
鉄道ファンには必見ではないか。

備中高梁の山間を蒸気機関車が走る「寅次郎恋歌」。
別所温泉へ向かう可愛い丸窓電車が印象的な「寅次郎純情刺繍」。
雲海の中を列車が走る伊予大洲の町なみが舞台の「寅次郎と殿様」。
自慢ではないが私は「男はつらいよ」の全48作をすべて見ているだけに
どれもこれもただただ懐かしい。
俺もそろそろ普通の暮らしに戻るかなどと云いつつ
失恋を潮時にまたフラリと旅に出る寅さん。
その身軽さ、こだわりのなさが心から羨ましくなる。
ああ、俺も寅さんのように・・・
などと見果てぬ旅の夢を本で読んでいる秋である。