久しぶりにスポーツ新聞を買った。
コンビニの新聞ラックに並ぶ一般紙は大した記事はないし
競馬の結果でも見ようかと手に取ったのだが・・・
あの内田裕也が亡くなったと言う。
派手な文字で速報を伝えているのはまだスポニチだけだった。
テレビの芸能ニュースで見る最近の彼は
すっかり老いさらばえてしまって満身創痍の状態だった。
とくに妻の樹木希林さんが亡くなってしまってからは老い方が急で
見ていて痛々しいほどだった。
かつてのロックンローラーの気骨はもうどこにもなかった。
後を追うように・・・には
マスコミの常套句だが確かにそんな印象があった。
考えてみれば何とも人騒がせなオッサンではあった。
あれこれ事件を起こして警察のやっかいになったことも何度あったか。
たいしたヒット曲もないのにロックの帝王などと持ち上げられ
つねにマスコミの好奇の目を浴び続けて来た。
妻の樹木希林さんとの別居生活はもう何年になるだろうか。
夫らしいことは何一つせず経済的にも彼女に「おんぶにだっこ」だったと聞く。
そんなヒモのような身勝手な男のどこにロック魂があるのか?
などと呆れたこともあったのだが
いつだったか樹木希林さんがテレビのインタビューで
なぜ離婚しないのかと問われて「彼にはひとかけらの純なところがあるのよね」と
しみじみと答えておられた姿が忘れられない。
夫婦の愛憎など他人には伺い知れない問題ではあるけれど
そこまで女性に激しく思われる人生はまさにロックなのかも知れない。
私生活はムチャクチャだったけれど
樹木さんの大きな手のひらの上で思う存分自由気ままに生きた
まことに羨ましいようなロック人生であったと思う。
シェゲナ・ベイビー!