Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

音楽教育はカンテレから

2006-06-16 21:49:20 | カンテレ
月刊誌『音楽の友』6月号にフィンランドの音楽教育の記事があり、びっくり。モーツアルト特集をしていたのでそれが目的で購入したら、あららフィンランドというタイトルが見える。2度得した気分

記事は大学レベルの専門教育(シベリウスアカデミー)をメインで取り上げていたが、フィンランドは一般的に音楽が盛んである。地域の生涯学習でも必ずといっていいほど<コーラス>があり、私が最初に住んでいたわずか300人足らずの田舎の町でも合唱団がいくつか結成されていた。楽譜が読めなくても歌好きな人が多く、きっとそれは幼少の頃から教会でなじんできた讃美歌が基礎になっていると思っている。

近年は日本と同様、子どもに音楽を習わせる家庭がふえている。「子どもの早期教育」の一環として学校に上がる前に音楽に親しませようと考えている親が多くなってきているし、実際子どものための音楽教室が以前よりふえている。親たちの会話にも「○○先生がいい」という話題がでてくる。

フィンランドらしいと思うのは、その導入に 伝統民族楽器・カンテレ を取り入れていること。楽器を弾く前にまず響き(音)のかたまりで耳をならす。ジャラ~ンいう和音を聴き、そして自分で弾きながら音を憶えていくのである。ちなみにⅠ(いわゆるドミソ)の和音は子どもたちの大好きな「 マンシッカ(mansikka-いちご)」という名前。音楽教室で子どもたちが5弦カンテレを膝において、「 マンシッカ、 マンシッカ」と歌いながらジャラジャラ弾いている姿が微笑ましい。



最近は学校の音楽教育でも導入されているので、ちょっとしたブームにもなっている。カンテレは弦の本数で色々な種類があるが、5弦のよさは音符が読めなくても1から5の数字譜であらわせること。。基本3和音でちょっとした伴奏もできる。なんといっても簡単に持ち運びもできる、手軽な楽器である。

フィンランドでは音楽教育の中で伝統楽器にまったく触れなかった時代が長くあり、今ようやく始まったところ。そういえば日本でもしばらく前から和楽器がしっかり取り入れられている。私も、ピアノの生徒が「音楽のテスト範囲はお琴と三味線」ということがあり、「ウーン弾いたことないから私もよくわからない」とかなり慌てたことがある・・・。

伝統楽器のよさと大切さが見直されてきているフィンランド、近いうちに誰でもカンテレを弾く時代がくるかもしれない。