Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

音楽療法士のひとりごと-その4

2006-06-12 20:33:34 | 音楽療法
高齢者施設で仕事していると、思いがけない <お別れ> がある。

ひとつめは施設退所 介護老人保健施設は基本的には病院と家庭をつなぐ在宅復帰のためのリハビリ施設であるから、自宅に戻る方がある。それはとても喜ばしいこと! 先日も同僚のPT(理学療法士)が<退所前自宅訪問>をした。車椅子で生活できるスペース確保のため、家族は家を改築して迎える。玄関、居室、お風呂、トイレ、廊下、階段。「おめでとう!」と明るくさようならする瞬間。

ふたつめは同じ退所でも施設移動 現状はいちばん多い例。家族は「一度家を離れたら在宅復帰は無理」というのが本音で、お金で解決できる範囲だったらそれにこしたことはないという悲しい現実。でも介護は口でいうほど奇麗ごとではないから、それもよくわかる。老健(介護老人保健施設)めぐりの後、特養(特別養護老人施設)やグループホームへの入所が一般的。「新しい所でもたくさん歌ってね」と励ます音楽療法士の私。

そしてみっつめ、これがいちばんこたえる それは「お亡くなりになった」というお別れ。特に前日まで楽しく歌っていたのに「エッ!」という突然のお別れ、それはかなり動揺する。先週も<大動脈瘤破裂>でOさんが突然逝ってしまった。「オーイ先生、音楽クイズ考えたよ」「この歌いいね」「僕は英語が得意だから留学してた先生には英語で話すよ(私はフィンランド語ですが・・・)」「ごめん、ごめん。マージャンしてたから歌の会に遅れちゃって(エッー、ほんとはもう終わる時間だけどせっかくだからもう1曲サービスしちゃおうかな)」といつも楽しくお付き合いしていたデイケア利用者のOさん。どうぞ安らかにお眠りくださいとお祈りする。