Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

歌って機能回復-その1

2006-06-04 12:13:50 | 音楽療法

「音楽療法ってなにするの?」 とよく質問をいただく。音楽療法はもちろん音楽を使ってのセラピーであるが、一言で<音楽>といってもその手法はさまざま。

私は声楽出身なので、個別訓練の依頼は歌唱が多い。対象者には言語聴覚士(ST)の個別訓練を受けている人が6人いるが、病気の後遺症による失語症がみられ発声訓練や歌うことで声を取り戻したり、小声症状の回復を目指す。また音楽でいえばソルフェージュ(音の高低、長短、リズム、聞き取りと復唱など)的な訓練により、言葉の回復や獲得を目指す。時に歌詞の朗読も入る。

活性化、コミュニケーション能力の向上も大きな目標である。<カラオケ大好きだった歌を忘れたカナリア>さんには、音楽が精神的にいい効果をもたらすことが多い。

先月から新たに2人が訓練に入った。Yさんは言語訓練と並行して、音楽療法では発声とソルフェージュによる言語の回復(改善)が目標。低音の魅力がすてき! Mさんは<かつてはマイクとともに生きていたカナリア>さんで、「先生、また歌を歌いたくなったよ」と熱烈なプロポーズを受け開始。思いがけない病気とその後遺症に悩み引きこもりになっていたMさんのうれしい発言。理学療法士(PT)の歩行訓練のリズムに、私の提案で歌を入れたことがきっかけとなった。

おふたりとも60代前半の男性でやる気満々 YさんもMさんも「30分では訓練時間が短すぎる」と時間延長と回数増加を希望された。中身が濃く充実していて、私も楽しい