Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

音楽療法士の感動

2006-03-28 21:31:57 | 音楽療法
今日は<飛び上がるくらいうれしいできごと>がふたつ、どちらも音楽療法セッションでのこと。

その1 Hさんが・・・
Hさんは50代で脳梗塞に倒れ現在車椅子、重度の言語麻痺もある。今年60歳になったばかりで、デイケア(通所リハビリテーション)では圧倒的に若い。
「おはようございま~す」と言っても、最初は目も合わせない、これが3か月。次は目だけ一瞬チラッと見るが顔はすぐ横向き聞こえないフリ、これがまた3か月。それで半年が過ぎる。その次は顔はまっすぐ目もあわせるが、無表情というかコワイ顔、また3か月。そして最近は「おはようございま~す」に頷いてくれるようになった。「やったー!」

時を同じくして、それまでハスに構えていた音楽療法プログラムは、朝の歌と全員参加の日はいちばん後ろだが出席するようになっていた。
それが今日! 自由参加の「歌の会」に、リハビリが終わって駆けつけてきた。「エッHさんがいる」私も介護スタッフもリハビリスタッフもびっくりした。一生懸命歌おうとする姿があり、本当に嬉しかった。
帰りがけに「Hさん、今日は歌の会に出席してくれてありがとう」というとニコニコ握手を求めてくる。「好きな歌があったら教えてください。今度一緒に歌いましょう」と言うと、ブーッと噴き出し(唾が1mは飛んだ)、最高の表情でアーアーと言ってくれた。 幸せ者の音楽療法士その1 

その2 Gさんが・・・
音楽療法になるとスーッと姿が消えるGさんがセッションに出席するようになってから半年が過ぎた(それまでに1年)。柱の向こうの絶対ホワイトボードの歌詞カードが見えない位置から始まって、気がつくと少しずつ前に進んでいる。年明けからは前から2列目の真ん中が定席、でもあまり歌っている姿は見たことがない。

それがァァァ、きょうゥゥゥ ♪はーるのうらーらーの すーみーだがわー と大きな口をあけて歌っているではないか。すごくいい表情、もしかして歌が得意かもしれないと思える歌い方だった。すご~くはにかみやのGさんには声かけせず終了したが、移動のときに私のほうを見てニコニコ笑っている。さっきの歌っている顔と同じ、私もニコニコ笑って返した。気持ちは通じている! 幸せ者の音楽療法士その2 

どちらも男性、はにかみやで恥ずかしがりやとお見受けしている。1日に2回も嬉しいことがあり、今日もまた 「楽しそうだねー」 と言われた日だった。足取りも軽く、ルンルン気分で仕事場を後にした。