GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

罰金の支払い、パスポート返却

2014-05-15 07:42:22 | 旅行

かつては交通違反を名目にバイクを止められ、反則切符も発行せずに「コーヒー代」を要求されたことも少なくありませんでしたが、そのような警官の不正行為も社会問題となり、その場で警官が罰金を徴収するシステムは改められ、「Kho Bac Nha nuoc」(国庫)での支払いに変更されました。交通違反の場合はバイクの登録証と運転免許を没収され、納付した領収証を持って再び公安に出向いて返還を受けるシステム。今回の行政処分ではパスポートを没収され、平日であれば大した手間でもないことですが、土曜日だったので月曜の朝まで待たねばなりませんでした。

ザーギアで泊まったホテルの向かいがちょうどダクノン省の国庫だとホテルの従業員に教えられ、そこで納付してからTuy Ducの公安に向かおうかとも考えましたが、すると8時過ぎまでここで待たねばなりません。できるだけ早くベトナムを離れたいので7時にホテルを出てTuy Duc県の国庫で納付することにしました。Tuy Ducの町に着き、国庫の場所を尋ねるとちょうど国庫へ行くところだと言う人が居て一緒に国庫に向かいました。建物には看板も表示もなく、これでは自分で探すことはできません。建物は公安の隣で、公安の建物にも表示はありません。これじゃ道路標識がなくても不思議ではない土地柄のようです。

収納窓口で行政処分決定書を提出すると「これ、番号が取ってないじゃないの。どうして?」と聞かれたので「それを作成したのは僕ではなく公安なので公安に聞いてください」と答えるしかありません。窓口の女性は携帯電話で公安と連絡を取り、番号を記入しました。しかし、今度は処分対象者の名前が記載さててないことに気付き、再び公安に電話。しばらくして公安の担当者が来て、パスポートを開き「名前は何処に書いてあるの」?と聞かれました。氏名の蘭もこれで埋まり、さて納付しようとすると、「その前に公安に来るように」とのこと。納付しないとパスポートの返却が受けられないのだから先に納付する、と言い張ると困った様子で上司に電話し、「同意しません」と伝え、渋々納付を認めて貰いました。2百50万ドンを納付すると領収書を2枚手渡され、しかし行政処分決定書は返却されません。これにはカチンと来ました。お前らグルだなーと思い、「行政処分決定書が2通作成されるのは1通は被処分者のためのもので、罰金支払い用ではないんですよ。あなたたちはコピーがあれば十分でしょう。ちゃんと規定通りに仕事してください・・・」とその場に居た誰もが聞こえるような大きな声で要求しました。

さあ、これでパスポートを返して貰える、と思ったところが公安まで一緒に来い、と言われ、公安で再度書類作りに付き合わされました。見ると書類は「押収品返却書」。お役所仕事はこんなものか、と思って言われるままに記載すると次には何と「押収同意書」も。パスーポートの押収に同意します?同意するわけないだろうこのクソッタレ。とベトナム語では言われるままに書きましたが、日本語での記入は正直に書き入れました。かつて90年代に警察官の態度に激昂して殴ってしまったホリさんは、その後5年間だかVISAが発給されない状況が続きました。同じような過ちを犯したくはありませんが、二度とベトナムには来たくないとの思いは募ります。他にも2通ほど書類を書かされましたが、内容は覚えてません。

最後に「行政処分決定書」の返却を求められました。「そういう規定なんだよ」。と言うので「じゃ、今電話して領事館にその規定を確認する」と答えると担当者は部屋から出て行き、戻ると「これは持ってて良いから領事館には言うな」との返事でした。無事パスポートの返却を受け、建物を出ようとすると「一緒に食事でも・・・」との有難いお誘い。「一体何を考えているんだこの人たちは・・・」と思わざるを得ません。庁舎の庭には没収されてかなりの時間が経過したと思われるスクラップ同然のバイクが紫外線に晒され並んでいました。

再びTuy DucからKien Ducに戻り、国道14号を南下してDT759(とグーグルマップに記された)でロクニンに向かいました。来る時と同じ道です。ソンベ川を渡ると「Khu Vuc Bien gioi」の看板が道路の左側に見えました。国境は道路の右側方向ですからこの道もまた外国人が通れば罰金250万ドンということになるようです。ゲートも「外国人立ち入り禁止」の標識もなく、公道を走っただけで罰金の対象とされるとは驚くばかり。しかも人々はそれを当然の如く受け入れているようです。ベトナム社会で暮らすには自分が些か歳を取り過ぎたのかも知れません。



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