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パクボ (Pác Bó) 洞窟

2016-06-15 21:31:54 | 旅行

カオバン市街から省道203号で北北東へ約55㎞、中国国境近くにPác Bó洞窟が遺跡として保存されています。1941年2月に30年振りに祖国ベトナムに帰国したホーチミンが隠れ住んだ洞窟です。道路は広い谷間を走っているのか平坦で、水田やタバコ畑が広がっていました。時折、水田の中に大きな水車が見えました。ちょうどタバコの収穫時期でタバコの葉を自宅に持ち帰る姿も彼方此方に。

 

昨日、お邪魔した市街地近くの農家の人々は不機嫌な対応でしたが、此処の人々は皆陽気で楽しそうでした。

 

家々にはレンガ造りの炉があり、収穫したタバコの葉はこの炉で乾燥させてからタバコ工場に出荷するのだそうです。気軽に迎え入れてくれた家でしばし休憩。日本に持って帰ってベトナムのタバコの葉を紹介してくれ、と一束土産に持たされてしまいました。1979年の中越戦争の時は北部5省は中国軍に占領された訳で、その時のことを聞くと「山に登って隠れた」とのこと。一ヶ月間食べ物がなくて苦労したそうです。

 

暑くて湿度の高いベトナムの気候の中で、土壁と竹や木で作られた家は見るからに涼しげでした。カオバン省は全国で最も少数民族の居住比率が高くキン族のベトナム人はわずか5.8%でしかありません。それでいて今回の国会議員選挙定数6名中、Tay族2名、Nhung族1名で他省出身のキン族が3名という構成。ホーチミンがこのカオバンの洞窟を根拠地としたようにTay族出身の革命家Hoàng Văn Thụら3名の活動がTay族やNung族の人々に支えられてこそ1945年の独立革命が可能であったという歴史的事実すら今や忘れ去られているかのようです。

 

洞窟付近は遺跡というよりは自然公園の趣で、川の水は冷たく澄んで魚が見え、木々に覆われて蝉が煩く鳴き続けていました。バスで訪れる団体の観光客も多く、遺跡見学というよりはピクニックの雰囲気でした。外国人観光客の姿もありましたが、殆どは省内から訪れた人々のようです。ホーチミンが居住した洞窟のなかにも入ることができ、質素なベッドが置かれていました。

 

今はこの地がホーチミン道路の起点とされているようです。



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