GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

カカオ

2007-01-21 01:21:14 | 社会
しんちゃん達が来てミトーへカカオを見に行ったのは2004年の夏でした。以前に見たロッテ・ガーナチョコレートのTVコマーシャルとかネスカフェのコマーシャルとかがゴッチャになったイメージだったのかも知れません。自分を含め少なくない日本人が、コーヒーの豆のようにカカオの豆も生るものとの先入観があります。実際のカカオの果実は、騙されているかのように感じてしまうものでした。当時はメコンデルタでカカオ栽培が始まった頃だったので話題にもなりましたが、最近は新聞に載ることも少なくなったようで、ネットで「カカオ」の記事を検索しても、生活欄で健康食品であるだの、バイアグラに替わる効果(?)だのというものしか見当たりません。

ベトナムの農業統計もネットでは多くを知ることができないので、電話で問い合わせてみました。作付け面積は順調に拡大し、04年の1500haから06年は8500haになっています。ベンチェ省、ティエンザン省に加え、ブンタオ、ビンフック、ダクラック、ダクノンの計6省で栽培されています。計画では2010年の栽培面積2万ヘクタール。収穫面積1万ヘクタールになるそうです。1ha当りの収穫量は1~1.5トンですから4年後は1万トンを超えるカカオが産出されることになります。東南アジアでのカカオ生産は、インドネシアが最も多く年間45万トンほどです。

2006年の収穫量は800トン程度でしかなく、その中ベンチェ省での収穫量が50%ほどだそうです。日本のカカオ豆輸入量は年間50~60万トンほどですから数量としてはいまだ微々たるものですが、このベンチェのカカオの殆どはアメリカの食品会社2社が買い上げているようです。韓国の食品メーカー、オリオンがベトナムでチョコパイを作っているようですが、これにベトナムのカカオが使われてるかどうかは知りません。韓国映画「おばあちゃんの家」でも「チョコパイ」出てきましたが、ベトナムのTVコマーシャルでも「オリオンのチョコパイ」が登場してます。

森永砒素ミルクに始まり、全農の牛乳、雪印、そして今回の不二家問題と日本の食品メーカーの不祥事には呆れるばかりです。ベトナムのカカオ生産農家にとっては販売先が不二家でなくて幸いでした。このベトナムのカカオ・プロジェクトもアグリビジネスに長けたアメリカの援助がらみの試みです。戦後日本の経済の在り方を反映してか、農業国家ベトナムへの農業分野への有効な政府援助が行われているとは思えません。そういえば、10数年前にベトナムに進出したコトブキのケーキも先月久しぶりに食べてみましたが、がっかりするほど美味しくありませんでした。




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