GOVAP便り

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豚青耳病タイニン全省に拡大

2010-08-18 22:25:12 | 農業・食品
連日タイニン省新聞のサイトに豚青耳病感染情報が掲載されています。たぶんウィルスの特定を県内の検査機関ではできないようで、最初の発表時にはかなり感染が進んでしまった後だったからなんでしょうけど、この1週間ほどで感染は全9県市に及んでしまいました。

昨日の報道では省内95町村中67町村で13,133頭が発病し死亡3,939頭との発表です。そして最後に残ったチャンバン県でも発病・死亡が確認され、その数字は含まれてないとのこと。

農業省の統計を見ると、タイニン省の養豚頭数は差ほど多くはありません。昨年統計でベトナム全土の養豚数は2,760万頭。たぶん中国、アメリカ、ブラジルに次ぐ数字ではないかと思います。人口8,579万人ですから人口の約3分の1の豚が日々黙々とというかブーブー鳴きながら多くは輸入トウモロコシや大豆粕を原料とした餌を食べてるわけです。

私もまたその豚肉を食べてる一人ですが、量はたぶん平均以下です。統計数字が1年間のある時点での頭数なのか、あるいは年間に換算されたものなのかは知りません。タイニン省で飼育されてた豚は昨年23万頭だそうで、全国比0.85%。タイニン省の人口は全国比で1.18&です。養豚数の第一位はハノイで、これは隣接したハタイ省を併合したためですが、要するにハノイの需要です。これに次ぐのはホーチミン市に隣接するドンナイ省。ベトナムでも都会の肥満児が問題になる昨今、豚肉の食べ過ぎもその一因なのかも。

新聞記事には、死亡・殺処分された豚の頭数は農民が自分で処分したものは含まれてない、と書かれてましたので、発病等の実数は発表されたもの以上のようです。病気の豚が市場に出回り定食屋や弁当のおかずに入っているかも知れない-という危惧は誰もが抱くところで、食事の最中に近所の店で客同士が話しているのを耳にします。

カンボジアでも豚青耳病が流行ってるとのことですが、タイニン省産の感染豚肉の輸出先としてまず考えられるのは長い国境を接するカンボジアなのかも。タイでは「近代的に管理された養豚施設」のため感染の恐れなし、と豪語してるようですが、そもそもこの豚青耳病なるもの、近代的な養豚業が生み出した病気なのではないか、などとも思ってしまいます。

鳥インフルエンザもそうですが、「品種改良」を重ね、遺伝子組み換え作物の飼料を含め短期間に低コストで効率良く肉を生産することに特化した家畜は、その経済性と引き換えに生物としての大きな歪みを抱えてしまっているのでは。

単一種のジャガイモしか栽培しなかったが故に被害を極限まで拡大してしまったアイルランドのジャガイモ飢饉の愚を今日の養豚・養鶏業も歩みつつあるのでは、という気もします。より厳重な管理を次々に重ねていかねばならないってことでは、本来的な意味での食の安全性とは異なるように思えます。





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