GOVAP便り

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西貢

2007-03-19 21:50:13 | 生活
きのうの日曜日は一日中、小説「逃亡」に没頭し、読み終えるともう夜の9時になっていました。自分の生活が如何にふやけたものであるのかと、身の引き締まる思いにもなりました。その思いが持続すれば良いのでしょうけど、たぶん自分のことでから、胃カメラを飲んだ直後の「禁煙」の決意みたいなものに終わってしまいそうです。

この作家の他の小説も続けて読もうかと手にしてみましたが、2本立ての映画を観るようなことはせず、暫く余韻に浸りながら、その時代について考えてみることにしよう、などと思いながら家を出て近所のカフェに座りました。わずか30分ほどの時間でしたが、その間物乞い(Xin Tien)が4人も現れました。老婆が一人と他は皆中学生くらいの女の子でした。初めの女の子は床に膝を付き無言で手を差し出しました。この辺のカフェでは滅多にお金を渡す人は居ません。普段は手を振って無言で追い返すことに何の心の痛みも感じないわけですが、この小説を読んだ後だけに、その体型からして十分な栄養を取っていないだろうことは容易に想像できる女の子を突き放したことには割り切れなさが残りました。

この小説を読んでいてあれれ、と思ったことの一つに香港からの脱出ルートに東に向かい西貢(サイゴン)に抜けるルートとの記述がありました。九龍半島から山を越えて中国に西貢という名の地があるのだろうか?と、ネットで検索したら「西貢は九龍の中心地」などとの記述もあり、何のことはない、サイゴンって中国語だったのかと初めて知りました。メコンデルタも「九龍平野」だし、近世南部ベトナムが香港との関係が強かったから(?)ということなのでしょうか。


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