GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

幽霊プロジェクト

2007-03-27 20:53:31 | 社会
お役所相手の商売で支払いが遅れることはしばしばです。その上、催促すると「もう送金した」との嘘の返事の繰り返し。それじゃ、振込み用紙の控えをFAXしてくれ、と頼むと「今、担当者が不在」だとか。挙句の果てに「国家機関だから心配ない」などとの気休めを言われたりするわけで堪りません。「国家機関だからこそ心配」なわけですが、当人のその勘違いが如何にも「公務員」らしさです。

先日も北部、タイビン省教育局前局長が詐欺で逮捕され、裁判が始まりました。パソコン435台、ノートパソコン34台、ダイレクトプロッジェクタ28台等計40億ドンばかりを購入して代金を払わなかったのだとか。“dự án ma”(幽霊プロジェクト)と新聞に書かれてましたから初めから詐欺目的だったようです。べトナム人の友人にこの話をすると、「それは博打にハマッタに違いないよ」と涼しい顔で答えてました。小学生のビー球やメンコ、中学生のビリヤードに始まり宝くじやサッカー賭博などベトナム人の博打好きはなかなかです。
それでも最近は株式市場の高騰(ここ数日は下がってますが)で、ギャンブルから株に乗り換える人が多いのだとか。そのためカンボジアの国境近くのカジノも今や客の入りが悪く売りに出されてるとの噂も聞きます。

汚職スキャンダルは絶えることのなく新聞紙上を飾り、これも社会の成熟度のバロメータなのか、などとも思ったりもしますが、そういう目で日本社会を眺めてみると他所の国のことをとやかく言える資格もないことに気づかされてしまいます。

きょうも一日仕事は愚痴の種にしかならぬことばかり。お願いだからせめて郵便物くらいはちゃんと宛先を確認して出して頂戴と言わずにおれません。宛名違いのEMSが返送され、返送料金まで請求されたお陰で再送分を含め3倍の料金になってしまいました。仕方なく外出のついでに自分で郵便局に行くと運悪く大混雑で一時間以上も待たされる始末。暑さの中を事務所に戻り「君の不注意が僕の時間と経費を奪っているんだぞ」と口にせずには居れない気分をどうにか堪えても、謝ることが死ぬより嫌いな彼女達が、5時になったからと涼しげに帰って行く姿を見ると、どうすればこんな生活に自分が慣れるのだろうかと自信喪失。
かつて、日本食屋のウェートレスを怒鳴りまくっていた頃、「自分の娘だと思えば可愛いものだよ」とビアオム先生に窘められましたが、それは間違いです。これが自分の娘だったら絶望的な気分になるわけで、「娘でなくて幸せ」と思うべきところです。