T君がベトナムに来てちょうど三ヶ月目のきょう、日本へ帰るチケットを手配して来ました。本人はまだもう少しここに留まりたいようでしたが、意欲がますます衰えてきたようなので一度日本に帰り、もう一度環境を変えて再出発の準備をした方が良い、と勧めました。来た時よりも元気のない状態で帰らせてしまうのには後ろめたさが残ります。自分がもう少し気を付けて入れば、と悔やまれる場面も少なくありません。毎度毎度、後になってからでないと気付かない自分の愚かさです。自分がT君の問題を解決できると自惚れていたつもりはありませんが、もう少し居心地の良い環境を用意することもできたに違いありません。
家族とは何だろう、ということをT君との生活で何度か考えてみました。もしT君の家庭がメコンデルタの農家であれば、一家の貴重な働き手として今みたいに無為に一日を過ごすことはなかったはずです。父親が築き上げた農業の経験を身に付けることもできたでしょうし、その上でインターネットで情報を集め、今の時代に対応した新しい農業を模索していたかも知れません。家族一人一人の協同労働の上に生活が成立するのですから、お互いの苦労も身近にしることができるはずです。家族が一つの経営単位である農家と今の日本のサラリーマン家庭とを単純に比較することはできないのでしょうけど、父親の給与所得の多寡と子供の学業成績が価値基準とされる社会で「家族の絆」が形成されるということ自体がそもそも無理な話のようにも思えてきます。
数年前に日本に帰った折、知り合いの税理士さんに「倒産に直面した経営者を自殺させないのが仕事だ」と聞きました。自殺に追い込む最後の一押しは家族だとも。「家族崩壊」という言葉が語られるようになってからどのくらい経つのでしょう?
TVドラマの「それぞれの秋」とか「岸辺のアルバム」などもそのようなテーマだったのでは。ストーリーは殆ど覚えておらず、高沢順子が出演していたのと「岸辺のアルバム」では通りの風景に「全金」のステッカーが貼られていたシーンが印象に残るだけです。映画「三丁目の夕日」が評価されるとするならば、それだけ今の家族と社会がどうしようもなくなっているということなのではないでしょうか。
家族の絆を取り戻すということを考ねばならないのだと思います。子供に財産を遺すこと、生命保険に入ることが家族を守ることではないわけで、と、僕が言っては唯の自己弁護で説得力もありませんが。
きょうはT君の最後の夜ですからささやかな送別会代わりに15Kドンのステーキを食べに行き、その足で風俗床屋にも寄って来ました。Phan Van Tri通りに3軒並んだ店です。年増のオネエさんの濃厚なサービスを受けてるようでなかなか出て着ません。こんな所に連れてくるよりは日曜日にでも郊外へ出掛けた方が余程良かったのでしょうけど。
家族とは何だろう、ということをT君との生活で何度か考えてみました。もしT君の家庭がメコンデルタの農家であれば、一家の貴重な働き手として今みたいに無為に一日を過ごすことはなかったはずです。父親が築き上げた農業の経験を身に付けることもできたでしょうし、その上でインターネットで情報を集め、今の時代に対応した新しい農業を模索していたかも知れません。家族一人一人の協同労働の上に生活が成立するのですから、お互いの苦労も身近にしることができるはずです。家族が一つの経営単位である農家と今の日本のサラリーマン家庭とを単純に比較することはできないのでしょうけど、父親の給与所得の多寡と子供の学業成績が価値基準とされる社会で「家族の絆」が形成されるということ自体がそもそも無理な話のようにも思えてきます。
数年前に日本に帰った折、知り合いの税理士さんに「倒産に直面した経営者を自殺させないのが仕事だ」と聞きました。自殺に追い込む最後の一押しは家族だとも。「家族崩壊」という言葉が語られるようになってからどのくらい経つのでしょう?
TVドラマの「それぞれの秋」とか「岸辺のアルバム」などもそのようなテーマだったのでは。ストーリーは殆ど覚えておらず、高沢順子が出演していたのと「岸辺のアルバム」では通りの風景に「全金」のステッカーが貼られていたシーンが印象に残るだけです。映画「三丁目の夕日」が評価されるとするならば、それだけ今の家族と社会がどうしようもなくなっているということなのではないでしょうか。
家族の絆を取り戻すということを考ねばならないのだと思います。子供に財産を遺すこと、生命保険に入ることが家族を守ることではないわけで、と、僕が言っては唯の自己弁護で説得力もありませんが。
きょうはT君の最後の夜ですからささやかな送別会代わりに15Kドンのステーキを食べに行き、その足で風俗床屋にも寄って来ました。Phan Van Tri通りに3軒並んだ店です。年増のオネエさんの濃厚なサービスを受けてるようでなかなか出て着ません。こんな所に連れてくるよりは日曜日にでも郊外へ出掛けた方が余程良かったのでしょうけど。