GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

台風被害

2006-10-03 03:29:25 | 天気
中部を直撃した昨日の台風は10数年来で最大規模のものだったそうです。テレビに映し出されただけでもその破壊力の一端を知ることができました。電信柱や街路樹がボキボキに折れ、トタン板の屋根がすべて吹き飛ばされていました。去年は「私を恐れてダナンを避けて通った」などと言ってたランちゃんも、今回ばかりは元気がありません。海岸の波の高さは14mにも達したとか。フエ、ホイアンはほぼ水没状態だとのこと。被害状況はまだ集約し切れてないようです。
昨日のTVのニュースではCNNのウェブサイトでもこの被害状況が大きく取り上げていることが報道されてました。しかし日本の新聞社はまったく無視なんですね。ベトナムの新聞には安部新首相の奥さんの顔写真まで載るというのに。しかもこの顔写真、そのような意図があってのことなのかどうかは知りませんが、一区あたりで時たま目撃する駐在員の奥様風の堪らない表情でした。風景に馴染まないというか、変に浮いている感じです。その上意地悪そう。

日本のニュースでは、日本人観光客が乗ったバスが転落でもすると大きく報道され、あるいは日本に向かいそうな台風には早々と注意が喚起されるのに、どうして?という気になります。台風による被害、損失というものに日本も外国もないでしょうに。しかも日々日本からの航空機が何便も飛び、日系企業の進出が相次いでいる今日です。ベトナム中部の青利イカや剣先するめにもお世話になっているわけだし。あるいは、世界遺産、フエ、ホイアンへ旅行へのを予定していた人はキャンセルせねばなりません。

一区にある知り合いの会社に顔を出すと、ダナンの代理店が水に浸かり、商品すべてが損害を受けたとのことでした。漁業、農業は言うまでもなく、商店、倉庫、工場等の経済的損害は、経済成長を続けている時だけによりダメージが大きいというケースも少なくないはずです。銀行の前を通ると、預金利率年9.2%との看板が出ていました。高金利で預け入れを誘うということは、より高い金利での貸付の需要があるということです。運転資金に年十数%の借り入れを行い、仕入れた商品が水浸しになってしまった人々にはどのような救済策が講じられるのでしょうか。
7年前のフエの洪水の後には、ホーチミン市に裸一貫で出稼ぎに来て、「人民証明書」を担保に高利貸しから借りたお金を資本に路上販売するオバさんの姿が増えたそうです。そうすること以外に食いつなぐことのできない人々が今回もまた大量に生み出されたということでもあるようです。

夕食の最中に電話があり、名前を聞いても顔を思い出せない女の子から「明日田舎に帰るので一時間後に家に寄る」と言われました。こりゃ間違いなくお金をせびりに来るのだと予感し、その前にカフェに避難するつもりでしたが、T君の皿洗いが思いの他手間取り、とうとう女の子2人がバイクで来てしまいました。真っ黒に日焼けしているので、聞くと建築現場で働いてたそうです。それでが2階から転落し、全身打撲で仕事が出来ないから田舎に帰るのだとか。借金のかたに中国元紙幣を受け取ったからベトナム通貨に換えてくるとのことでした。毛沢東の肖像の10元札でした。20Kドンにしかなりませんが、100Kドン貸した担保だからそれじゃ困る、などと勝手なことを言い始め一悶着。建築現場の仕事は一日25Kドンだったそうです。T君の一日の煙草代とコーヒー代にもなりません。田舎に帰るバス代も残ってはいないようでした。