バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

バリウムの特製 早期胃がん描出の観点から

2009年09月09日 | すきくぴの独り言
こんばんは。

今日は、高濃度バリウム製剤について語ります。
現在の胃がん検診では、多くの施設で二重造影法を用いていることと思います。

高濃度低粘性バリウムを用いることで、胃内の細かい粘膜を描出させ、所見を拾っていることと思います。


さて、最近の日常診療について話していきますが、最近、逐年受診しているのにも関わらず、進行胃がんで発見されるケースが目立ってきているように思います。

いろいろと検討したところ、理由のひとつとして、高濃度バリウム製剤の特製が生かされていないのではないかと考えます。
文字通り、高濃度バリウム製剤とは、高い濃度であるにも関わらず、粘性が低く、べたつきが少ない、にも関わらず、高い濃度なため、胃粘膜をきれいに写し出すことができる。
そんなバリウムが理想ですが、不幸にもそれが必ずしも生かされていないように思います。

そして、胃透視では、胃内に空気を入れて撮影。多くの場合、発泡剤を用いて胃内に空気を発生させています。
発泡剤は胃内で溶ける際、酒石酸ナトリウム(違っていたらすみません。)が発生し、べたつく要因になっています。
また、発泡剤の残りカスによる障害陰影が発生することがあります。


最近、偽所見が目につきます。
前々からあったのでしょうが、早期発見の観点から考えて、撮影手技だけではなく、ハード面についてもっと貪欲に考える必要があります。

胃透視の撮影技術も大切ですが、胃透視の生命線はバリウム、そして発泡剤です。
改良に手を加える必要があるでしょう。
現状に満足していてはいけません。常に進化すべし!!