バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

② 早期胃がんとの戦い 透視観察編(最終更新110407)

2009年08月07日 | 胃(全般)
当ブログ人気記事Best1は
08年11月に投稿した「② 早期胃がんとの戦い 透視観察編」でした。

毎日、この記事は5~10件ほどアクセスされています。
この記事が本ブログの顔と言っても過言ではありません。

本記事をあらためて紹介させていただきます。↓↓↓



バリウム検査は胃内のバリウムを自在に操って検査を行うものです。
これは撮影術者の能力に多分に左右されます。

そこで普段、私が早期胃がんを発見するうえで、重要視していることを何点か挙げます。

① DR画像なので、撮影直後に病変の存在をチェックをする⇒疑われる箇所があれば、そこへバリウムを溜める
② 透視観察。胃内の全域に一通りバリウムを流し、粘膜面の凹凸が正常範囲内かどうか確認する
③ 各部位によって病変の見え方は違う。寝台の起倒によって、病変の示現能を操ること

ここでは②の透視観察について触れていきます。


早期胃がんのにおける肉眼形態の多くは浅い陥凹ですが、陥凹内面には透亮像を認める(凸の部分が存在する)ことが多いのです。凸の部分に、バリウムをかぶせるとバリウムがはじきます。水は、でっぱっているところに流すと、はじくのと同じことです。




右回り3回転中では、指摘しづらい癌も存在します。
ときにはバリウムをゆっくり流す動作も加え、胃粘膜面の凹凸をみていく必要があります。そこにがんがあるなら、バリウムを溜めれば、姿を現します。


すべての検査に共通することだと思いますが、胃透視においても、撮影者が絶対にがんを見逃さないという、信念を必要とする検査と感じます。

検査を施行したあと受診者の方に「お疲れ様でした。」と声をかけると思いますが
声をかけると同時に、心の中では「あなたは大丈夫です、がんはありません。」と自信を持って言えることを目標に努力したいと思います。


受診者からしてみれば、医療従事者はベテランや若手、職種関わらずみな先生と感じる方も少なくないようです。

今後とも、人の意見をきちんと吸収しながら、自分のできることをコツコツ積み重ねていこうと思います。