村の水車番

水車小屋のおじさんは見た?  山村のくらしは、今日も快調!

山菜の王様

2020年04月27日 | Weblog
筍山の帰りに・・・道端のゼンマイを採って帰った・・・
田植え前のこの頃は、ゼンマイ採りの時期である・・・
ゼンマイ採りはもっぱら子供の仕事だった・・・草刈り山を歩き回って、背負い籠に一杯のゼンマイを採って帰ると・・・母は大層な喜びようだった・・・
大喜びの母の顔を見るのが・・ゼンマイ採りの励みになっていた・・・

今年は、寒さの影響からか、あまりゼンマイが生えていない・・・
飼い葉用の山草も刈らなくなったので、ゼンマイの生える草山が少なくなったこともある・・

今年はゼンマイが生えないと嘆いていると・・・
他地区に嫁いでいる姉から電話があり・・
「ゼンマイを沢山採ったから 取りに来ないか・・」と言う事だった・・・
80歳を過ぎた高齢の姉である・・・折角採ったゼンマイを戴くのも悪い気がしたが・・・
一人住まいの姉の生き甲斐でもあると思って、ありがたくいただくことにした・・・

貰って帰ってから、ゼンマイの始末をする・・・
綿を取り、揃えて束にして紐で括り、足先を切り揃えて、塩漬けにするのが一連の作業である・・・

沢山のゼンマイだったが・・身体も不自由になっている姉である・・随分と苦労してゼンマイを摘んだのだろう・・・
紐で括り、切り揃えようと思うと・・・あまりに短いゼンマイで、旨い具合に括れない・・・
切り揃えると、ますます短くなって、ゼンマイの茎の部分が無くなるほどである・・・

姉のところの草刈り山は、勾配の急な峻険な山である・・・
そんな山に生えているゼンマイを、高齢の姉がほとんど這うようにして、小さいゼンマイを摘んでくれたと思うと・・・思わず涙が出た・・・

姉の摘んでくれたゼンマイこそ、山菜の王様である・・・
コメント (2)
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