絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

象徴主義

2009-11-23 | 美術
象徴主義について、考えてみましょう。

19世紀後半、アカデミズムに対する反発として出てきたのが、印象派と象徴派であると、定義されています。

また、人間の内面や夢、神秘性などを象徴的に表現しようとするものとあります。
そう考えると、写実主義に対するものということがわかりますね。

代表的な画家は、モローです。

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象徴的という言葉は、形のない抽象的な思想、観念などを具体的なものに託して表現すること。
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私は、モローの絵と言うと、すぐに思いつくのは、ヨハネの首が宙に浮かび、光を放っている絵です。サロメが踊りの後、褒美に望んだのがヨハネの首だったということです。
このテーマは、見て描くわけにはいきませんから、写実主義であるわけがないですね。見たこともないものを描くという点で考えれば、象徴主義でしょう。
しかも、切られた首が宙に舞って光を放つなど、夢でもなければあり得ない話ですから、扱っているテーマも象徴主義だと言ってよいと思います。
ヨハネの首が、神の奇跡を象徴していると考えればよいのでしょうか。聖書の思想をヨハネの首に託して表していると考えるのでしょうか。

象徴主義という言葉を、しっかり理解していないので、今、必死で理解しようとして考えています。

こんな捉え方で良いのでしょうか。


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私は、パリのモロー美術館に行ってみました。確か、サンジェルマンデプレの辺りで、裏道に入ったところにあったと思います。ただ、普通の家なので、美術館を探して行ったため、なかなか見つかりませんでした。もしかしてここかな?と普通の家の玄関をたたいたら、そこがそうでした。

要するに、自宅を美術館にしているのです。

一階は、普通の部屋でしたが、二階と三階が吹き抜けのような広さになっていて、4階には螺旋階段で上った記憶があります。

建物の光の関係か、モローの絵が黄色く見えるのが、少し残念でした。画集で見る方がよく見えるのです。

そんな感想を持って、帰って来ました。



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ローマ人の物語12

2009-11-23 | 読書
ローマ人の物語12を読み終えました。

3世紀のローマ帝国について、いろいろ知ることができました。パックスロマーナと言われる平和な時代が五賢帝の時代で終わって、3世紀はとにかく皇帝が20人以上入れ替わった。しかも次々と殺されて、混乱した。1年で5人も入れ替わる年さえあった。蛮族の侵入に手こずって、一時的に国が3つに割れる時代も経験した。その状態の中で、キリスト教が段々と広まっていったと分かりました。

私の認識が変わったのは、キリスト教は常に迫害されていたわけではなく、堂々と表で活動していたということです。

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最後に、キリスト教はなぜローマ帝国に広まったかという点について、塩野さんは4つの理由をあげています。それは、偶像崇拝を黙認した。割礼を洗礼に変えた。
ローマの政治体制を受け入れた。戦うことを否定しなかった。
ということです。

その4つがユダヤ教との違いだったというのです。

要するに、キリスト教を広めるためにキリスト教がローマに合わせた形になったということです。

1、本来は、偶像崇拝は禁止の筈です。しかし、文字も読めない人が多いので、絵や彫刻がある方が分かりやすい。人々に伝えやすいのです。

2、割礼は痛いです。洗礼は水を被るだけですから、痛くありません。

3、政治体制は、本来は、人間は神の前に平等ですから、人間に上下関係はない訳です。しかし、人々を納めるのに、役割が必要だから、それに選ばれるということは、神が与えた役割だと解釈したのです。

4、軍隊を否定しなかったという点だけ、私は納得がいきません。しかし、普通に考えれば、蛮族の侵入など理屈に合わない暴挙に対して、されるままになっているというのは、納得がいかないでしょう。家族を守るためには、戦わざるを得ないという方が、理屈に合います。

私が納得がいかないと言ったのは、「右の頬を打たれたら、左の頬を出しなさい」というキリスト教の有名な言葉から考えると、軍隊を持って戦いに出るということがおかしいからなのです。

しかし、この4つのことで、キリスト教はローマ帝国で受け入れやすくなりました。
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この後、4世紀に入ると、コンスタンチヌス帝によって、ミラノ勅令でキリスト教が公認されます。313年です。私は知りませんでしたが、コンスタンチヌス帝はキリスト教徒だったそうです。

13巻はその辺が語られているでしょう。楽しみです。



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