絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

津波

2010-02-28 | 日記
今日は、津波のニュースで大騒ぎですね。

少し前は、ハイチの地震で、今回はチリの地震、怖いですね。

今回は、空港が3日間くらい使えない状態とのことなので、支援をしたくてもなかなか行けないのでしょうか。

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何かの本で、津波から村民を救ったという話を聞いたことがあります。あれは、誰の話だったのかなあと思い出せません。

なんでも、少し高い所にある家に火をつけて燃やし、大火事が起こったように思わせ、人々を集めたら、その時に津波が襲ってきて、人々の命が救われたという話でした。
その人は、海の水が引いたことをみて、これは津波が襲ってくることが分かったのだそうです。放送などという事はなかった時代だから、人々に知らせる方法がありません。それで、そのような手段を取ったのだと聞きました。

今回は、大事件になるほどの大津波はなかったようですが、大きい物になるととんでもないことになりますよね。鎌倉の大仏は、元々は建物があったそうです。それが津波で建物が壊れて、大仏が青空の下になってしまったと聞きました。本当でしょうか?あそこまで津波が来たのですか?私は信じられませんが。
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親鸞

2010-02-28 | 読書
五木寛之さんの「親鸞」を読み始めました。

読みやすくていいですね。本も若干軽いように思います。
親鸞が子ども時代の8歳から9歳くらいで、100ページも割いているので、このペースだと上下の二冊では終わらないだろうなあと思ったら、急に10年飛んで、19歳になりました。アリャーと思いました。

ここまで読んで感じたことは、この時代のことをあまり知らないので、親鸞を読むことは歴史を学ぶにもいいなあと思いました。五木さんの捉え方もあるのでしょうが、大物になる人は、一つの世界に安住しないというか、あまり簡単に態度を表明しないで、いろいろな角度から物事を見つめ、迷いながらその時代を生きているという気がします。

それは、竜馬を考えても同様です。故郷の仲間が攘夷、攘夷と騒いでいるのに、本当に攘夷でいいのかと思って、その態度を表明しません。結局視野が広がり、勝海舟の考えに引かれ、大きな行動を取ることになるのですが、ある意味でどちらからも好かれる大物になっていきます。

親鸞については、初めて読むので、この先どうなるのか分からずに読んでいますが、法然に出会って、その考えに引かれ、やがて法然からも離れて、自分独自の展開をしていくことになるのだろうとは想像できます。
ただ、子ども時代に武士の家に生まれながら、河原に住む下賤な者たちとも繋がりを持ち、どんな身分の人々のことも分かる人間になっている点が、人間の幅を広げ、大物になる要素であったという気がします。

豊臣秀吉は身分が低い百姓から出世したので、付き合いの幅が広かったのですが、それにしても蜂須賀小六のような人間とのつながりがその後の秀吉の出世につながる辺りは、そのような付き合いの幅があったからという気がします。

今回読んでいて、分かったのは、時代背景が平清盛から源頼朝に移る時代だということ、また、西行が亡くなった頃、後白河法皇の時代ということが分かりました。

その辺りを「逆説の日本史」ではどう書いているのか読んでみたくなりました。
また、親鸞は四書五経を勉強したとありました。この時代の人たちはそういう書物を学んでいるのだなと思い、私は全然読んでないなあと思いました。それで、これからそれらを学んでみたくなりました。
もう一つ、法然についてもっと詳しく知りたくなりました。それは、これから先に書いてあるのかな、楽しみです。
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慈円が「西行は歌を詠んで終わってしまった」という言葉が気になりました。
歌を詠むことは、後世の人々に遺すすばらしいことだと思いますが、慈円はそれでは不満なのでしょう。人々を救うにはどうすればいいのかと考えているのです。それは、政治でしょうか。

私は、こういう文章をみると、すぐに自分のことに置き換えます。「菅野は絵を描いて終わってしまった」と。それでいいのか?と言われている気がするのです。
私は、政治家になる気持ちはないですが、何か人の役に立つことをしたいという気持ちがあります。それには、どうすればいいのかな?と考えながら生きています。

余談ですが、このブログを始めたのも私の絵についての考えや指導方法を多くの方たちに知っていただき、絵を描く喜びを知っていただきたいと思ったからです。
ただ、絵を描くという楽しみだけでなく、本格的に取り組むよろこびですね。



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テーマと構図2

2010-02-27 | 絵画指導
絵は、テーマと構図が重要だとお話しました。

私は、美術部の生徒を60名以上かかえていましたから、大変なのは、全員が違うテーマを探すということでした。60種類のテーマを見つけなければなりません。
もちろん、生徒が自分で探します。過去の先輩たちがどのような物を描いたかということが、全て記録アルバムに残してあるので、それを見ながら参考にするのです。

しかし、それを見ながら思うことは、これらと同じであってはならないということでもありました。だから、大変です。学校近辺は、過去の先輩たちがほとんど描き尽くしてしまいましたから、どこを描いても似てしまいます。そのため、場所探しということで、保護者の協力を得て、みんなが描いてない場所を探し回りました。

数々のエピソードがありますが、寄居の男子生徒が学校から自宅まで歩きながら探し回ったという話があります。約15キロの道でした。また、これも男子生徒でしたが、一日5枚と決めて、スケッチをして周り、それを50日続けました。そのため250枚の下絵を作りました。その中から、私が選んでやって、候補を絞り込んだら、そのテーマでまた構図の研究を30枚くらいしました。

高校生のパワーと根性で、そのようなテーマ探しと構図の研究をしたのです。

その生徒は、最終的には牛をテーマにしました。学校の近くに牛を飼っている家があって、庭に放し飼いをしているので、柵越しの牛を数頭描きました。

私は、彼のデッサン力から見て、牛を描くのは難しいと思ったので、やめたほうがいいよと言ったのですが、どうしても描いてみたいというので、やらせたら、30枚描いているうちに上手くなってしまいました。結局、県展に入選しました。

以前もお話しましたが、埼玉県の県展はレベルが高いので、東京の美術館でやる全国の公募展よりも高いとさえいわれます。以前、水彩連盟展に出品したら、埼玉県展に入選しているなら、入選しますよと言われました。確かに、その通りその年は11名出して、10名が入選しました。翌年は10名出して全員入選しました。

なぜ、高校生がそのようなレベルになったのかと不思議に思われることが多いですが、私はこのテーマと構図の研究をしっかりやるからだと思います。ちょっと言い難いですが、ほとんど私のレベルの絵を生徒が描いてしまうのです。それは、私が良いと言うまで追究させるからでしょうね。

それが、秘訣ですね。

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絵の指導の面白さは、私が考えたとおりにならないことです。しかし、場合によると私が考えたこととは違った良さを見せてくれることがあります。それは、教えていて楽しい部分です。
また、私がその子に要求できることを100点とすると、120点の答えをもってくることもあります。それも、面白いです。
 

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ブレーキ

2010-02-27 | いろいろ
いま、トヨタのリコール問題が大きく世間を騒がせているが、アクセルとブレーキの問題らしい。

私は、教師をしていたので、生徒指導でいろいろな場面に出くわした。
私の担任しているクラスの生徒が万引きをしてしまった時のことである。

その時の教頭先生が先日亡くなった小林校長であった。

小林先生は、その生徒にこう話した。

「Tちゃん、いい車というのはどういう車だと思うかな?」と言った。

Tちゃんは、答えられず、もじもじしていた。

すると、小林先生は、「色の素敵な車かな?流行の形のいい車かな?それともスピードが出る車かな?」と問いかけた。

それでも、Tちゃんは、やはり下向きかげんに黙っていた。

小林先生は、最後にこう言った。「色や、形や、クッションなどもいい方が良いし、スピードも出る方が良いのは確かだけど、一番大事なのは、ブレーキがよくきくことなんだよ」と。

「実は人間も同じでね、いざという時にブレーキがかけられるかどうか、そこが大切なんだな。万引きは悪いことだとわかっているよね。だけど、してしまうことがある。人間は弱いからね。そのときに、心にブレーキがかかるかどうかなんだよ。」と言いました。

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教員は、すぐにこういういい話ができません。余程勉強していて、いろいろな本を読んだりしていないと、良いタイミングで、こんな良い話はできないのです。新米だった私は、このような場面で先輩の先生からまるで自分が言われているような気持ちで、話を聞かせてもらい、勉強させていただきました。

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小林先生は、私にとっては、まるでお兄さんのような存在で、本当に親しくよく面倒をみていただいたので、先日亡くなってしまい、本当に残念です。思いだすことは山ほどあるので、時々、小林先生の思い出を紹介していきたいと思います。

トヨタのブレーキの問題から、心にブレーキという話をしてくれた小林先生の思い出を書いてみました。

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テーマと構図

2010-02-26 | 絵画指導
私は、本庄第一高校で美術部の生徒に県展の指導をしてきました。

1月から2月にかけてテーマ探しと構図の研究をさせましたが、その時に、生徒に言っていたことは、「先生に良いと言われて、喜んでいる人が多いけれど、先生、私はこのテーマと構図で県展に入選できますかと聞く人がいないね」でした。

私は、生徒が精一杯研究してそれがその子の限界なら、それが県展には程遠くても、そのまま描かせました。しかし、どうしても県展に入選したいなら、先生にこれで入選できるかどうかを尋ねなさいと言いました。そして、入選したいなら「これなら入選できる」と私に言われるまで、やり直しをしなさいと言いました。

もちろん、テーマと構図だけで入選するわけではありません。
しかし、私は80パーセントはそれで決まると思っています。

例え話をよくしましたが、入選が80点だとして、自分の描く力が30点しかなくても、テーマと構図で50点以上なら、入選に届くよと言いました。テーマと構図で10点なら描く力が60点でも届かないのです。

だから、テーマと構図という台があるとしたら、どのくらい高い台の上に乗るかで、入選というハードルに手が届くかどうかが決まるのだと話しました。

高校生だったので、無理を言わず、その子の意欲に合わせて、要求できる子にはそのようなアドバイスをしました。無理やりやると、要求が高すぎてやる気を失ってしまう子もいるからです。持ってくるたびに、ダメと言われていたら、嫌になってしまうこともありますからね。

しかし、今は大人に教えています。大人の方は人生経験が豊富で、その辺は分かっていますから、そういう意味の厳しさは要求できます。だから、高校生より指導時間が短くても効率よく指導することができるのです。

とにかく、テーマと構図ですね。できるだけハイレベルのテーマと構図にすることが良い作品を作る秘訣です。


コメント (3)
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