絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

印象派前後5

2009-11-22 | 美術
19世紀の美術を掴む時、印象派の前に掴んで置くのは、4つと生徒に教えてきました。その4つとは、新古典主義、ロマン派、写実主義、バルビゾン派です。

しかし、その他に象徴派があることは、分かっていましたが、それをどのように位置付けて整理すれば良いのか、分からないでいました。だから、話す場合には、別個にして話して来ました。
それから、もう一つ自分で分けておきながら、写実主義とバルビゾン派は一つとして考えていいだろうなあとも思っていました。

それを今夜は、手直ししようと思います。

要するに、写実主義(バルビゾン派を含む)として、それに対して象徴派があると。

写実主義は、目に見えるものを描く。象徴派は、目に見えないものを描く。
こう考えて、相反するものとして捉えると、整理しやすいということです。

私は、自分で勉強が足りなかったと反省しています。

ーーーーーー

写実主義は、クールベです。自分以外はプロの画家ではないと言って、他の人を馬鹿にしていました。すごい画家です。画家のアトリエ、オルナンの埋葬をまずは覚えてほしいと思います。どちらもオルセー美術館にあり、お互いに向かい合っています。どちらも大きな絵です。
写実主義を最もよく表すエピソードは以前お話しましたが、それは、クールベに天使を描いてほしいと要望したところ、「描いてやるからここに連れて来てくれ」と答えたと言います。それは、見えるものしか描かないということをよく表していますね。
バルビゾン派は、コローとミレーとテオドールルソーを覚えてください。
ミレーは落ち穂拾い、晩鐘が有名です。コローとルソーは風景画です。コローは、自画像なども有名です。


象徴派は、モロー、ルドン、ベックリン、ホドラー、ドーミエ、などを覚えてください。それぞれの画家については、また少しづつ語って行きます。

今回は、頭を整理する時に、写実主義に対する象徴派ということで覚えてほしいとお話しておきます。

個々の画家については、それぞれ画集を見るなり生涯を調べるなりという勉強の仕方がありますが、私は時代の引き出しを作って、分かりやすく整理することをお勧めします。まず、どの画家がどの時代にいて、誰との関係があり、どのような位置づけになるのかということを頭に入れてほしいと思うのです。菅野の美術史はそのためにやってきました。

一人の画家について詳しくなることは、画集を見たり、本を読めば分かります。しかし、それを歴史的な流れの中で、どのような意味をもつのかという観点で整理して頭に入れている人は少ないと思います。そのためのお手伝いができたらいいなあと思っています。

ーーーーー
もう一度整理すると、印象派までの、19世紀を頭に入れるには、次の4つです。

1、新古典主義

2、ロマン派

3、写実主義(バルビゾン派を含む)

4、象徴主義

です。今日はここまでにします。

余談ですが、ウィーン分離派(クリムトなど)をどうするのか、まだ解決していません。
全てを理屈で整理しきれませんけどね。

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デッサン会 12月の予定

2009-11-22 | 絵画指導
デッサン会12月の予定

12月 2日(水)
12月 7日(月)
12月14日(月)
12月24日(木)

以上4回です。日曜日は参加者がほとんどいないので、計画しませんでした。

今日のデッサン会の私のデッサンです。ご覧ください。


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入学試験

2009-11-22 | いろいろ
受験生を持つ保護者の方から、こんなお話をお聞きしました。

ある私立高校の受験説明会に行ったところ、「登校拒否、服装が乱れている者、態度の悪い者は合格できません」と言われたそうです。

その保護者の方は、そんなこと当たり前じゃないかと思われたそうですが、まず、初めの言葉がそれだったので、ちょっとがっかりされたそうです。

以前、どこかの高校の入学試験で服装、髪型、態度が原因で不合格になったということが、問題になりました。合否の判断基準にないので、不合格は無効だというのです。私は、何????と思いました。不合格でいいじゃないかと。

これから、入学して勉強したいという学校に対して、まず心構えから正して「お願いします」という気持ちで、入学させていただけますかというのが、入学試験です。

授業料を払って来てやる客だぞという人はいません。

だから、服装が乱れていたり、髪型や色がおかしかったり、態度が悪いなどはもっての他です。そういうことは、常識なので、敢えて言う必要もないことなのですが、それを合否の基準に書いてないからそれを材料にするのはいけない、取った点数だけで判断するべきだというクレームなのです。

あの問題は、どのようになったのでしょうか?私は結論を聞きませんでした。
馬鹿馬鹿しくて、聞いていられなかったからです。

ただ、私の高校でそんなことが問題になったら、問題にすること自体おかしいと私なら言います。

そもそも、不合格について、理由を説明する必要はありません。総合的に判断して、不合格なのです。敢えて言うなら、そう言います。

おそらく、その説明会の私立高校はそんなクレームがつく前に、事前に問題回避をしようと、敢えて説明したのでしょう。もし、それが気に食わないと言うなら、受験しなくてもいいんですよという意味でもあります。

ーーーーー
ただ、ちょっと問題なのは、登校拒否は不合格ということについては、疑問です。
理由によると思います。それは、初めから不合格と宣言してしまうのは、行けないように思います。場合によると、高校になってからそれが改善されて、立派に高校生活をやりとげる生徒が何人もいるからです。

私も、続ピカソがライバルで紹介した棚沢くんは、他の生徒以上に立派でした。そして、卒業生代表で答辞を述べ、美術大学に現役で合格し、大学院まで出て、現在は私の後を継いで、美術教師をやってくれています。

そんな生徒もいるのですから、不登校だったからと言って、高校生活が駄目だという生徒ばかりではないのです。私の美術部では、同じような生徒が立派に立ち直って、県展にも入選してきちんと卒業した生徒が3人もいます。
(もちろん、同じ繰り返しで、退学になってしまった子もいますが)

その3人は、美術部の活動が年中無休なのに、日曜日も休まなかったのですから、普通の高校生以上に登校したことになりますね。

入学試験の合否に、服装髪型態度が含まれるのは当然だということ、不登校だからと言って、すぐに不合格というのは、見なおした方がいいということ。

入学試験の合否について、書いてみました。









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