ノートルダム大聖堂は、パリのシテ島にあるものが有名です。
しかし、以前もお話ししましたように、ノートルダムとは「我らが母」という意味で聖母マリアのことですが、この聖母マリアを祀っている同じ名前の聖堂はフランス語圏の他の国にもあります。(ベルギー、ルクセンブルグ、カナダなど)
フランスでも、ランス、シャルトル、アミアン、ルーアンなどは聞いたことがあるでしょう。
シテ島とは、セーヌ川の中州ですが、ルーブル美術館からあまり遠くないところにあります。
シテ島と、サンルイ島という二つの中州があるのです。私は、このシテ島はすぐに覚えられましたが、もう一つのサンルイ島がなかなか覚えられませんでした。そうしたら、生徒が、一塁でもなく二塁でもなく、三塁ですとビデオの中で、ふざけて解説したため、忘れなくなりました。覚え方というのは、そうやって他のことと結び付けると忘れなくなりますね。
ノートルダム寺院は、観光客が多いため、観光バスを停めておくことができません。そのため、バスを降りると、すぐにバスはどこかへ移動させて、見学が終わるまで待機していて、また、乗るときは、ノートルダム寺院の裏で、乗るようになっているそうです。我々は、ルーブル側から歩いてノートルダム寺院に向かいました。
正面は広場になっていて、ゼロポイントいうのがあります。そこは、パリから各都市までの距離を表す時の出発点ということです。日本で言えば、日本橋でしょうか。そんな風にガイドさんから聞きました。
正面のファサードは、三つの入口になっています。この説明はなかなか書いてないので、知っておくとよいでしょう。
中央は最後の審判の入口です。入口の上に最後の審判の彫刻があります。やはりミケランジェロが描いたものと同じで、右側が地獄へ落ちる人々で、左側が天国に行く人々です。時計回りですね。
右側の入口が聖アンナの入口、聖アンナとはマリア様のお母さんですね。
そして、左側が聖母マリアの入口です。
この聖母マリアの入口には、聖ドニの彫刻が立っています。聖ドニとは、モンマルトルの丘で殉教した聖人ですが、首を切られた後、その自分の首を持って、モンマルトルの丘を降り、10キロ歩いて倒れたと言われている人です。
そんな馬鹿なと思いますが、その彫刻があります。首のない人が両手で首を持って立っている像です。(右から二人目です)
中に入ると、薄暗い中に、ステンドグラスが綺麗です。ゴシック建築というのは、柱が高くて、窓が大きいので、ステンドグラスがたくさんあります。ここノートルダム寺院のステンドグラスは、バラ窓と言って、丸くバラの花のように作られているので、それが見ものです。
ただ、中から見るとあんなに綺麗なのに、外から見ると真っ暗で黒い網がはってあるように見えます。そのギャップが不思議でした。
中にいると、団体客をつれたガイドさんが説明をしています。しばらくじっとしていると、日本人をつれた日本人ガイドがやってきます。その説明を聞いているのも楽しいです。人によって、説明が微妙に違うので、その違いを聞き比べるのも面白いですよ。
忘れていけないのは、ここがナポレオンの戴冠が行なわれた場所だということです。1804年ですね。
外に出て、教会に向かって左側から裏に周っていくと、先ほど言ったステンドグラスの外からの状態が見えます。それと、雨どいのように水が落ちてくるものが、魔除けの怪物になっていました。オオカミのような動物に見えました。
その道の反対側には、小さなおみやげ屋さんがたくさんあって、トイレを借りるのに便利です。小額でおみやげを買うには、ここがいいですね。
裏に周ると、少し庭が広がっています。ここで写真を取る人が多いようです。裏から見る方が格好が良いのです。ゴシック建築は柱が高いので、それを支えるために、サイドに通路があるのですが、それでも倒れる心配があるのか、このノートルダム寺院の建築は、外側に支えの腕が伸びています。これは、ここの特徴なので、覚えて置くとよいでしょう。しかも、それがあるために、デザイン的に美しいのです。だから、裏からの恰好が良いと思うのでしょう。
正面の広場は敷石でしたが、裏の広場は芝生でベンチもあり、植木もあって、公園のような感じでした。
我々は、予定通り裏からバスに乗り、ノートルダム寺院を後にしました。
夏に行った時は、セーヌ川のほとりで、上半身裸で日光浴をしている人が目に着きました。