絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

Nさんのモデル組み

2009-11-06 | 絵画指導
今朝は、Nさんのモデル組の指導をして来ました。

人形を使っての静物画を続けているNさんですが、連作をすることで、前よりも良い作品になるように頑張っています。

絵は、構図が命なので、静物画においては、モデル組ができる力をつけなければなりません。これは、かなりのベテランでも、なかなかうまく組めないと言って嘆いている方がいます。
そして、それは、センスの問題だからと言っている方が多いようです。

私は、そうは思いません。

モデル組も、研究すればいいのです。基本をしっかりすれば、必ず上手になります。

その基本とは、詳しく言えば、一冊の本が書けてしまいますが、一言で言えば、バランスとリズムです。

項目で上げれば、

1、バランス(左右のバランス、大きさのバランス)
2、リズム
3、主役と脇役
4、横絵は横の流れ
5、縦絵は縦の流れ
6、画面からはみ出すもの(外への広がり)
7、使用する物の材質
8、使用する物の模様
9、光の当て方
10、見る角度と高さ

直ぐに思いつくものを上げると、このようになります。

また、静物画を描くには、何を使うかということが大切ですから、普段から心がけて、おみやげ屋さんとか、デパートとか、いろいろな場所で、モデルに使えないかという見方で、物を見ていると良いでしょう。

まずは、主役に使える物を探すことが、先決です。

Nさんは、私のモデル組の指導をもう4回くらい受けましたから、この人形のパターンでは、かなり自分でも組めるようになってきました。

これが、Nさんの組んだモデルです。


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これまでは、左右対称になるパターンが多かったのですが、少し、変化をつけて、直角三角形の構図を作ってくれました。

この場合でも、安定した三角形なので、不安はありません。しかし、少し、左下に小さい物を置けば、更に安定すると思い、Nさんの方針を大きく変えないで、手直ししようと考えてみました。

しかし、一つの構図のパターンとしては、これで良いと思いますが、画面の右上の空きすぎた空間をなんとかする必要があると思います。そのため、その伏線としてスケッチブックを置いたらどうだろうと思い、やってみました。
それが、これです。

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ちょっと、真中で狭いかな?と思って、もう一冊加えてみました。
それが、これです。

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今度は、広すぎるかなと思い、また減らしてみました。
それが、これです。

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どうでしょうか?
こんな風に、いろいろ研究をしてその都度、写真を撮って、比べてみると、研究ができるでしょう。

背景に、スケッチブックを置くという操作だけでも、このように広さを考えたり、位置を考えたりという研究ができますね。スケッチブックを置いたのは、人形を目立たせることに役立つと思ったからです。背景がレースのカーテンなので、明るいのですが、主役の人形が明るいので、少し暗いものが背景にある方が人形が引き立つかなと思います。

これは、撮影した写真をそのまま載せましたので、実際に描くときは、絵のサイズに合わせて、トリーミングが必要です。場合によると、中央の上はカーテンが見えなくなるように、カットする方がよいかもしれません。


コメント
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