絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

通信指導 ビーナスのデッサン(3枚目の続き)

2010-11-30 | 通信指導
通信指導をしている栃木県のTさんがここまで描き進めてくれました。



かなり描けるようになってきたことが、お分かりいただけると思います。
しかし、今は、ニュアンスの問題で苦労しています。

顔が似るかどうかという問題をテーマにしていますが、それは、顔という言い方でなく、
どの部分にも当てはまります。

やはり、ポイントとポイントの位置関係、私は比例という言い方をしていますが、
その関係が正確に掴めないと、似て来ません。
そして、細部の描き込みです。それが正確にならないと、似てこないのです。

「似る」と言うと、似顔絵的に考える場合がありますが、似顔絵は特徴を強調するので、今私が言っている意味とは違います。

私は、ニュアンスが違うという言い方をします。

ーーーーーー
1、今、このデッサンでは、顎のニュアンスが違います。それが最も重要です。

2、次に画面の右側の眼、頬骨、額の当たりのニュアンスが違います。

3、また、大きく明暗を分けた時の暗い部分で目立つところがしっかり差がついていません。

この三点が気になります。
3もニュアンスと言った時に当てはまります。

3については、薄眼で全体を見てくださいと言います。
大きく分けると、目の暗さと鼻から口にかけての暗さが重要です。
それと比べると、それ以外の頬の明暗の差などは小さいのです。

この段階では、左側の眼の両サイドの暗さが足りません。
鼻の裏側の暗さ、その下にできる影の暗さが足りません。
上唇の暗さも足りません。特に右側の反射光が強すぎます。

全体的に反射光を明るく描く癖があるようです。

あごの問題は、眉毛、目、鼻、口、顎が平行になるという考え方で捉えていることは良いことです。しかし、それを意識し過ぎて、顎が下に丸くなるというニュアンスが欠けています。あごの下の暗い部分の形をもっと良く見て、顎のボリュームを出さないと、顎の骨格が違ってしまいます。この辺りが、ニュアンスの違いです。

また、全体的な進め方からすると、顎から首への暗さがまだですし、髪の毛の暗さもまだなので、進め方に問題があります。

しかし、それはできると思うので、今のテーマは、部分のニュアンスの問題です。

本当は、もっと詳しくアドバイスをしていますが、ここでは、大きなポイントだけご紹介しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パラドックス

2010-11-29 | いろいろ
昨日、本屋さんで、ニュートンという本を見ていたら、パラドックスについて書いてありました。

「来週の月曜から金曜までの間で、いつかは言わないけど、抜き打ちテストをするよ」と先生が言いました。

すると、一人の生徒が「それは、不可能だ」と答えました。

なぜでしょう????

ーーーー
理由は、以下の通りです。

もし、仮に月曜から木曜までの間に、テストがなかったとしたら、絶対に金曜日にテストをやることになります。絶対に金曜日がテストだと分かってしまうなら、抜き打ちではありません。

もし、仮に月曜から水曜までにテストがなかったら、テストは、木曜か金曜になります。
しかし、上で述べたように、金曜日の抜き打ちはありえませんから、そうなると木曜日しかありません。木曜日にやると分かってしまったら、それは、抜き打ちではありません。

同様に、水曜日もなく、火曜日もなく、月曜日もないのです。

要するに、抜き打ちではテストはできないことになります。

ーーーーー
これをどう考えますか?

予告しなければ、抜き打ちテストは可能ですよね。予告した時点で、抜き打ちテストはできないことになるのです。

パラドックスということで、紹介されていました。

ーーーーー
もっと、有名なのは、ある子どもが、「こどもはみんなうそつきだ」と言ったとします。
その子供は、うそつきでしょうか?というのがあります。

これもパラドックスです。
日本人の私が、「日本人は全てうそつきです」と言ったのと同じです。うそか本当か分かりません。

こういうものを考えてみるのも、おもしろいなあと思いました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマ Q10 その2

2010-11-29 | ドラマ
ドラマ Q10が面白いです。

「Q10は、どこから来たの?」と平太が聞きます。
Q10は、それに答えるプログラムがないと答えます。

そして、「平太は、どこから来たの?」と聞き返します。
ーーーーーーーー
私は、ゴーギャンの言葉が思い出されました。

「我々は、どこから来たのか? 我々は何者なのか? 我々はどこへ行くのか}
です。

Q10はどこかで作られて、どんな目的で学校へ置かれたのか、誰かが何かの目的でそこへ置いたはずです。しかし、Q10自身はわからない。
我々も、誰かの意志で、何かの目的で、生まれて来たのでしょうか?
それは、神のみぞ知るでしょうか?


不登校だった女の子が何かを知っているみたいですね。
Q10は、我々の物だと言い、平太の物ではないと言っていました。そして、任務は終わったから撤収すると。そろそろ分かりそうな感じがしてきました。
その先が楽しみです。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

受験生のデッサン (魚)

2010-11-28 | 受験生の指導
今回は、魚を描いてもらいました。
受験で、魚を手で持ったデッサンを描けという出題があったそうです。
しかも、魚を見ないで描けとのこと。
そんな馬鹿なと思いますが、もしそうなら、魚を描いた体験がないと全く描けないだろうと思い、一度経験しておこうということで、描いてもらいました。

魚を買ってきて、見ながら描くことも考えましたが、それよりも魚の図鑑から取り出した方がカンタンなので、インターネットで調べて、プリントアウトしました。
だから、写真を見て描きました。



この後、次は何も見ないで、これを思い出して描く訓練をすればいいねと話しています。
この魚は、ここがこんな形で、背びれはこの辺に着いていて、このくらいの大きさで、などと他の人に説明するようなつもりで、形を捕まえてくださいと話しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松岡さんの個展 2

2010-11-28 | 展覧会


松岡さんの個展を見学して二日が経ち、やっと少し落ち着きました。
私は、見学しながら、ため息ばかりついていました。すばらしい作品に圧倒され、本当に興奮していました。

何がそんなに自分を興奮させるのかを考えたとき、その構成力だったかもしれません。
今まで、自分が考えてきた構図の研究の全てを当たり前のように踏まえていて、しかもそれをはるかに超えるレベルなのです。この構図については、自分でもかなり研究したつもりなので、ある程度自信を持っているのですが、この松岡さんの構成力には、本当に脱帽です。

しかし、一時間くらいの見学の間で、何度か耳にしたのは、色の透明性についてでした。
松岡さんは、もう少し色を透明に見せたいとおっしゃっていました。
私は、それについて深く質問をしませんでしたが、透けて見えるという意味ではない気がしました。おそらく、色の美しさを透明という言葉で表されていると思います。
濁りのない色の美しさです。

私は、初心者にばかり絵を教えているので、立体感を出すために、明暗法を教えます。
そのときに、白黒を混ぜることを教えますが、それは濁ります。濁ってもいいからとことん描けというのが、私の指導です。

しかし、あるところまで行ったら、色の問題をもっと丁寧に考えた指導をするべきかもしれないと思いました。松岡さんの絵を見ていると、濁りを全く感じません。
最後は色の問題なのだということを感じます。

構成については、本当にもう極めてしまったので、今は色のことを意識されているんだなと受け取りました。

透明という言葉を聞いて、もう一つ思ったのは、空間の透明性ということです。それも色から来るといえば、そうなのですが、松岡さんの空間表現を見て、透明という言葉が当てはまる気がしました。透き通った空間という言葉を使いたくなりました。
決して現実空間ではないのですが、透き通った空気のようなものを感じるのです。

つづく



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする