絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

絵の値段2

2009-06-30 | 画家の独り事
絵が良いとか悪いとか、レベルが高いとか低いとか、それによって値段が決まるというのが、本来の姿だと思います。

良い絵は高く、レベルが低い絵は安いというのが、普通です。

しかし、それが、違う場合がありました。

純粋に絵として見比べた場合、プロの画家が見たら、明らかにAの方が良いのに値段が低く、Bの方が悪いのに値段が高いということがあったのです。

具体的には、シャガールの絵とゴッホの絵でした。
どうみても、シャガールの絵は良い絵で、ゴッホのその絵は良くないのです。
すこし、言いすぎるかもしれませんが、ゴッホのその絵は県展に落ちるかもしれないくらいのレベルの絵です。
しかし、値段を見たらシャガールの絵が1億円、ゴッホのその絵は4億円でした。

おかしいなあと疑問に思っていると、解説者が、シャガールのその絵は、同じような感じの絵がたくさん描かれていて、珍しくないのだが、ゴッホのその絵はゴッホにしては珍しい絵なのだということでした。
それで、値段がそのようになっているのだという説明でした。

そんなのあるかよ!と怒りたくなりました。
絵の良い悪いと値段が比例しません。そんなことがあるんだなと知りました。

確かに版画なら、同じものが大量に作られます。同じものが増えれば増えるほど価値が下がります。だから版画家は、200枚なら200枚と決めて、刷り終わったら版を壊してしまうという話を聞いたことがあります。
よく版画作品の下に、34/200などと書いてありますが、それは200枚刷った内の34枚目という意味です。
これと似たようなことが、絵の場合でも有り得るのかと思いました。

つづきます。
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絵の値段

2009-06-29 | 画家の独り事
私の絵です。8号の水彩画です。


絵の値段は、どうやって決めるのでしょうか。

一般には、公募展出品などを通して、その実績などを加味して、同じくらいの実績の人と比べながら、大体の常識に基づいて絵の値段を決めている人が多いと思います。普通は、1号いくらという形で決めて、大きさを掛け算するという形です。

ですから、1号1万円の人は、10号は10万円という形です。かなり大きくなると、そのままの掛け算より少なめにするのが一般的のようです。

しかし、画家によっては、自分の判断で、上手くいっている絵とそうでない絵に差をつけて値段を決めるという人もいます。
(まあ、私に言わせれば、上手くいってない絵は売るべきではないと思いますが)

売ってもいいかなと思える絵でも、ある程度気に入っている絵と、そうでない絵はあるもので、それでも絵の値段は、大きさで掛け算するという人が多いようです。

(絵を売って生活費を稼ぐ人と、年金暮らしで余裕のある人では、値段も変わってくるかもしれません。)

一応、絵の値段は、一般的にはそのように決めていきますが、根本から考えれば、値段は画家が勝手に決めていいのです。需要と供給ですから、画家が決めた値段で、買いたいという人がいれば、それでいいのです。

また、極端な話ですが、絶対に売りたくない絵があれば、1億円にしておいてもいいのです。

絵の値段は、私はその絵がどのような扱いを受けるかの保障費という気がします。
1万円で買えば、1万円の扱いを受けるでしょう。100万円なら100万円の扱いを受けると思います。大事にしてもらいたいと思えば、高く買ってもらう方が良いと思います。

生活のために、収入がなければ困る人は、高い値段を言っていられないという状況があります。売れないと食べていけないからです。ですから、絵の値段は、そんなことも含まれて決まるのです。

本論は、ここからですが、また、明日。


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輪郭線

2009-06-28 | 美術
鈴妹さんとのやりとりで、輪郭線のことが出てきたので、それに関するお話をします。
モナリザの顎の表現とビーナスの顎の表現を比べてください。



モナリザは、筆の跡がありません。ビーナスは、顎の線を輪郭線で表現しています。その違いがわかりますか。

レオナルドダビンチは、筆で描いた後、指で擦って、筆の跡を残さない描き方をしています。これを「スフマート」と言います。レオナルドの他の絵もそうなっていますので、見てください。

私は、生徒に襖(ふすま)で覚えるといいよと冗談を言いました。
すると、生徒はフスマートと覚えてしまいました。
私も時々間違えます。でもそのせいで忘れなくなりました。

輪郭線を描かない表現は、レオナルドからです。そのため、絵が本当の立体感をもった表現になりました。

この話は、私のDVDシリーズ、「レオナルドダビンチ」でお話しています。

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私のデッサン

2009-06-27 | デッサン会
鈴妹さんのリクエストにお答えして、昔描いた私のデッサンを紹介します。

この方が、見てない人が多いと思います。
額に入っているので、反射して見ずらいかな??

大塚さんのデッサンで、背景をこのデッサンと同じように、やってみました。
背景がつながるような工夫です。

顎の裏側に当たる反射光を見てください。初心者には参考にしていただきたいところです。この反射光が描けるかどうかが、素人とプロとの違いです。
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デッサン会2

2009-06-26 | デッサン会
デッサン会を丸二年、ほととんどフル出席している方のデッサンです。
かなり、描き込めるようになって、上手くなってきました。

今回は、すこし髪の毛の表現で手こずっているようですが、私が全く直してやらなくても、ここまで持ってくることができました。一週間に一回で、二時間弱の勉強ですから、ここまで描けるのは大したものだと思います。
みなさんはご覧になって、いかかでしょうか?

このデッサン会は、50歳代の人は、二人で、それ以外の17名は60歳を過ぎています。ですから、その年齢で石膏デッサンを始めたのです。一応、美大が受験できるくらいのレベルまで、伸ばしたいと思っています。

 私もこんな風に描けたらなあと思う方は、デッサン会に参加してください。みんな素人ですから、初心者大歓迎です。
セルディ(児玉町文化会館)で、日曜日の午後1時半からです。

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