絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

印象派前後1

2009-11-16 | 美術
以前、印象派について、書きました。

少し、思い出しながら、その時代を書いてみます。
19世紀の絵画は、ダビッドから始まりました。ダビッドはナポレオンの戴冠を描いて有名になりましたね。あんなに大きな絵を二枚描いて、一枚はナポレオンに渡し、もう一枚は自分のために描いたようです。なぜなら、左の並んでいる5人の女性の内、一人だけピンクの服を着ているのが、ダビッドの恋人だったそうですから。私は、ナポレオンの妹かと勘違いしていました。


そのナポレオンの戴冠が行われた場所は、パリのセーヌ川の中州にあるノートルダム寺院でした。それを確かめるには、一番右の彫刻を見て、ノートルダムの実物と比べれば、分かると思います。ノートルダムとは、どういう意味か覚えていますか。我らが母という意味でしたね。ヨーロッパで、我らが母と言えば、聖母マリアですね。だから、ノートルダム寺院とは、マリア様が祀ってある教会のことを言うとお話ししましたね。

もっと、横道に逸れると、ノストラダムスという言葉は、ノートルダムと同じだとお話ししました。覚えていますか。
もうひとつ、雑学は、ナポレオンはローマ教皇を呼んでおきながら、自分で自分の頭に冠を置いたのでしたね。本来は、ローマ教皇から冠を被せてもらうのが、常識でした。それを、無視したのです。まるで、あなたの権力はいらないよと言わんばかりでした。

ダビッドは、ナポレオンの登場と共に現れ、ナポレオンの失脚と同時に、消えて行った画家だと言われます。

ーーーーー
ダビッドは、新古典主義と言われます。そして、その新古典主義のもう一人の画家は、アングルです。

グランドオダリスクが、有名です。ルーブル美術館にあります。


背骨が長すぎるとか、お尻が大きすぎるとか、いろいろ言われますね。しかし、アングルの絵は、その絵だけでなく、よく見ると、おかしい絵が他にもあります。それは、デフォルメと言ってよいと思います。もっと、言えば多視点の絵画だと思われるものがあります。これは、セザンヌを先取りしているものです。

私は、「泉」が好きでした。オルセー美術館に入って行くと、正面から入って、階段を真っすぐに降りて、右の部屋です。その正面に飾ってありました。画集などでは、はっきりくっきりと見えるのに、近づいて見ると結構輪郭線はぼんやり描いてあるのです。そのことに驚きました。


それと、私は、アングルの代表作品としてこの作品を覚えたいと思ったのに、そうならないのは、理由がありました。それは、弟子たちが仕上げたからでした。アングルはこの絵を自分で完成させてないのです。

そんなことが覚えておきたいことです。

それと、アングルは、ギリシャ神話を絵にしています。覚えておきたいのは、オイディプスとスフィンクスです。スフィンクスが旅人を襲って食べてしまうということで、困っていると聞き、オイディプスが退治に行く話です。思い出しましたか。
スフィンクスはなぞなぞを出すんでしたね。そのなぞなぞは、有名なもので、答えは何でしたか。
その前に、問題ですね。「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足の怪物は何か?」でしたね。さあ、答えは????

そうです、人間でした。

人間の一生を表しているというのです。赤ちゃんの時は、はいはいですから、4本、成長して2本、老人になって杖をつくから3本ということでしたね。

この絵は、スフィンクスが胸まで人間で、しかも女性です。胸を描くことで、人間の女性だと強調しています。因みに、エジプトのスフィンクスは男です。


ライオンの体で、人間の頭を持つという姿であらわされるのがスフィンクスですが、羊の頭というものもあります。
このパターンは、クレタ文明のミノタウロスもそうですね。それは、人間の体に牛の頭でした。また、ケンタウロスは人間と馬ですね。メソポタミアのラマスは、牛の体で、人間の頭でした。その場合は羽がついていましたね。

こう並べて考えてみると、面白いですね。どこかに共通の何かがあるのでしょうか。一番古いのは、エジプトのスフィンクスですよね。

ちょっと、私はモローの絵を思い浮かべていました。
モローの絵の方が印象が強いので、覚えてください。これです。


話をアングルに戻すと、もうひとつ、私が好きな絵は、浴女の後ろ姿です。頭に、何か布を巻いている女性で、ベッドのようなものに腰かけている後ろ姿なのですが、とてもきれいな絵です。あの表現に憧れます。いつか描いてみたいと思う絵です。



印象派前後を描こうと思って、描き始めましたが、新古典主義の話になってしまいました。つづきを書きながら印象派に迫って行きたいと思います。

つづきます。



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県北展審査

2009-11-16 | 日記
県北展の審査に行って来ました。

出品は、260点くらいあり、入選、特選、会員賞を決めました。
審査員は、16名でしたが、私が一番若い審査員(55歳)でした。みなさん60歳以上のいや、70歳以上の方たちで、60代の方は3人でした。

他の部門は、午前中で終わりましたが、絵画が一番多くて、3時までかかりました。

県北展の審査は、初めて行きましたが、自分もこのようにして、選ばれたのかと考えると、会員賞などは、よく取れたものだなと思います。なにしろたった一人なのです。
会員が150人くらいいる中で、たった一人ですよ。今年良かったけれど、惜しくも二番だったとして、だから来年は取れるというものではありません。やはり、来年は来年で、一番にならないと取れないのです。そこが難しいですね。毎年、二番ではだめなのです。

だから、一生取れないで終わる人もいるんです。その辺は、厳しいです。

本庄第一高校の生徒は、特選に二人選ばれました。昨年は取れなかったので、良かったです。まだ、名前は発表できません。また、後で。





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