ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

難波弘之さん 1

2008-04-04 06:59:32 | 難波弘之さん
 日本を代表する凄腕キーボーディストの<難波弘之さん>。元々は60-70年代のプログレが好きだったそうですが、日本では好きなプログレができない、とずっとそっち方面はあきらめていたそうですね。そんなときにかの<山下達郎さん>が後押ししてプログレアルバムの制作にとりかかったとか。で、音楽家としてだけでなく、15歳のときに「青銅色の死」という小説を書いて文学賞を受賞したという優れた作家でもある難波さん。その難波さんに山下さんはSF短編小説を基にしたコンセプトアルバムの構想を提案したそうです。そうして1981年に発表されたのがこのアルバム「Party Tonight」です。難波さんの2枚目のソロアルバムになります。おまけのブックレットには難波さん書きおろしのSF短編小説が載っています。
 “仕事と恋人とどちらをとるか悩んだ末に、夢だった宇宙飛行士を選択して恋人と別れた宇宙飛行士。宇宙での生活もなれた10年後のこと。突然元恋人からmailがあって、結婚したけど失敗してあなたに逢いたくなったから宇宙船に乗ってそちらへ向かう、と。ところが途中事故に逢い、再会したときは恋人は包帯ぐるぐる巻きで動けない状態だったとか。それから1年が過ぎ、飛行士はその恋人と結婚することを決意し、宇宙基地の仲間を集めて結婚披露パーティを開くことに。盛大に行われたパーティ。誰かが気を利かせてダンスミュージックを流して。すると動けないはずの恋人が優雅に踊りだして皆驚いて。宴も時が過ぎて1人去り、2人去り・・・皆は気を利かせてパーティ会場は2人だけに。2人は横になって窓の外の宇宙を眺めて・・・ところが実は・・・”
このあと、物語りは悲しい展開に。読み終わったあと、ちょっとウルウルしちゃいました。
 さて、アルバムのほうはというと、難波さんは曲を作るときも、やはりプログレではなくポップにしたほうがいいのかなと相当悩まれたそうです。そんなときに山下さんが「君のルーツはプログレだろう。」とアドヴァイスされたとか。そういった経緯もあり、アルバムはレコードでいうところの片面はプログレサイド、もう片方の面はポップサイド、という構成になったようです。参加ミュージシャンは難波さんがまずキーボードとヴォーカルを担当。そしてギターに<北島健二さん><椎名和夫さん>、ベースに<田辺モットさん><伊藤広規さん>、ドラムスに<そうる透さん><青山純さん>、パーカッションに<マック鈴木さん><浜口茂外也さん>と山下さん。その他コーラスにも多数参加されてます。 アルバム1曲目は「Overture」。ベース音とピアノの幻想的なサウンド。 2曲目は「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕/The Three Stigmata of Palmer Eldrich」。この曲は3部構成になっていてまず、1).Eyes。グレゴリアンのようなコーラスからはじまるゆったりとした神秘的な曲。 2).Hands。シンバルロールとキーボードからはじまり、ドラが一発。アップテンポのパワフルでキーボード弾きまくりの曲です。 3).Teeth。ポップ調のキーボードからはじまるキャッチーなメロディの曲。ラストは壮大にFin。 3曲目は「夢中楼閣/The Tower in My Dream」。ピアノとナチュラルなヴォーカルのゆったりとした透明感のある雰囲気からスタート。叙情的な曲ですね。中盤の美しいピアノソロにもうっとり。ドラマティックな展開の素晴らしい曲です。4曲目は「Party Tonight(地球を遠く離れて)」。軽快で爽やかなポップスですね。 5曲目は「Lost Love(雨の宇宙空港)」。ピアノからはじまるゆったりとしたバラードっぽい曲 6曲目は「渇きの海/A Fall of Moondust」。静かなピアノから始まりますが、突然ヘヴィなリフが。これにはビックリです。ハードサウンドのパワーバラードですね。 7曲目は「シルバーグレイの街/City of Silver Gray」。チョッパーベースからはじまるファンキーでキャッチーなポップスです。後半のベースソロもギターソロもかっくいいっす。 そしてCD化されて1曲追加されたボーナストラックは当時CMでも使われた「Key Station」。そのまんまいかにもCMソングって感じの軽快で爽やかなポップソングです。キーボードソロ、かっくいいっすね。 私的にはプログレいっぱいのほうが嬉しいけど、でもでも完成度の高い素晴らしいアルバムです。他のソロ作品も手にいれなくちゃ!

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2 コメント

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Unknown (あきかん)
2008-05-12 08:33:33
難波さんといえばソーサリアンというゲームの曲をバンドアレンジした「ソーサリアン スーパーアレンジバージョン」も傑作アルバムです。
個人的にはこれが難波氏の最高傑作だと思ったり(笑)
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Unknown (ひより)
2008-05-12 09:17:22
 あきかんさま、いらっしゃいませ。
こちらにもカキコしてくださってありがとうございます。
しかも難波さんの名盤も紹介していただけてめっちゃ嬉しいっす!
そうそう!「ソーサリアン」って聴いてみようと思っていたんですけど、これもオリジナルやアレンジなど何種類かあるみたいなので、迷っていたところなんです。教えてもらえて助かりました。ありがとうございます。
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