ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

人間椅子  無頼豊穣

2014-07-06 16:49:15 | 人間椅子
 初期Black Sabbathをベースとしたドゥーミーなサウンドに、日本文学&おどろおどろしい歌詞をのせ、津軽弁の節回しで聴かせてくれる青森発の和製ヘヴィロックバンド<人間椅子>。メンバーはギター&ヴォーカル<和嶋慎治さん>とベース&ヴォーカル<鈴木研一さん>、そして4代目ドラム&ヴォーカル<ナカジマ・ノブさん>です。
 1989年にプレデビューアルバムを、1990年に正式デビューアルバム「人間失格」を発表。その後14枚のアルバムを発表し、2009年にはデビュー20周年を記念したCD2枚組のベストアルバム「人間椅子傑作選」を発表。この年の11月には15thアルバム「未来浪漫派」を発表し、2010年にはDVD付ライブアルバム「疾風怒濤~人間椅子ライブ!ライブ!!」が発表されます。そして2011年8月にアルバム「此岸礼讃/しがんらいさん」が発表され、アルバムに伴った札幌から博多までのレコ発全国ツアーは大盛況でSoldout続出。さらにバンドが飛躍したのが、世界各地で開催されているビッグイベント<OZZ FEST>が2013年5月に日本で開催され、人間椅子が出演!大盛況超盛り上がりで、音楽雑誌からは無視されたものの、twitterやネットの音楽情報では絶賛され、8月に「萬燈籠/まんどろ」が発表。9月からの全国ツアーではSoldout続出で東京2daysもSoldoutに。さらに2014年1月に追加の東名阪ツアーが行われ、東京は念願のO-EASTに進出し、キャパ1300がなんとSoldoutに。超ビックリです。もっと驚くべきは、これから早くもニューアルバムの制作に取り掛かり、夏には発売とのことで。そんなに早いペースで大丈夫なのかと、クオリティー的な心配が。売れるときに売るというレコード会社主導の策なのか、和嶋さんの作曲意欲が旺盛なのかわかりませんが、嬉しい反面、心配な面も。そんな折に6/25に無事にニューアルバム「無頼豊穣」が発表されました。浮世絵タッチのメンバーのジャケット、前作以上に日本を意識したサウンドを想像させますね。タイトルは“ロックは自由。その気持ちを忘れなければ豊かになれる”という気持ちを込めたそうで。また、3月の対バンライブの際には“プログレ曲もある”との話でしたので、めっちゃ楽しみです。
 アルバム1曲目は「表微の帝国」。ダイナミックなブレイクリフからアップテンポのヘヴィダークリフがはいって、一旦止まってからミドルテンポのゆったりとしたベースリフにのって和嶋さんのゆったりとしたヴォーカルが。この絶妙な間は歌詞の通りにまさしく“だるまさんがころんだ”ですね。なんか懐かしいっす。そしてパワフルなリフからヴォーカルがリズミカルに歌って。このフレーズは♪竹や~竿竹~ですね。プログレと和の融合、かっくいいっす。中盤ではギターのリズミカルなリフからアップテンポになってドラムが叩きまくって、パワフルなブレイクから和嶋さんがのびやかに力強く歌って、そこからアヴァンギャルドな感じのギターソロが。ドラムも叩きまくって盛り上げて。終盤ではゆったりとしたベースリフから和嶋さんのヴォーカルがはいって、ダイナミックなブレイクからアップテンポになってリズミカルに。ネットではある方が“もろにキンクリ”って書かれてましたね。プログレしてます。
 2曲目は「なまはげ」。ミドルテンポの引きずるようなダークリフから不気味にはじまって、和嶋さんののびやかなヴォーカルが入って、歌い上げて。さらに鈴木さんののびやかなヴォーカルがはいって、サビではユニゾンで力強く歌って。中盤ではアップテンポになってギターのリズミカルなリフがノリノリで。その後ミドルテンポに戻って和嶋さんがのびやかに歌い、再びアップテンポになって、ギターの三味線風リフからそのままテクニカルなギターソロが。終盤ではユニゾンでのサビから引きずるダークリフと不気味なコーラスが。ラストは一転ハイスピードスラッシュモードになってツーバスドコドコ疾走して。典型的な人間椅子曲、めっちゃかっくいいっす。
 3曲目は「地獄の料理人」。ダイナミックなリフからアップテンポでドライブ感たっぷりのノリノリで鈴木さんのリズミカルなヴォーカルがはいって、サビもノリノリで。ライブでめっちゃ楽しそう。間奏では弾きまくりのギターソロが。ラストはサビから♪ヘイ!ヘイ!って掛け声が。これもライブで超盛り上がり間違いなしですね。
 4曲目は「迷信」。アップテンポの激しいヘヴィリフと叩きまくりドラムからドライブ感たっぷりにノリノリでかっとんで、サビではパワフルに歌い上げて♪オーオオー!って。中盤では鈴木さんは♪こっちのお水はあぁ~まいぞぉ~って不気味に歌って。そこからエモーショナルなギターソロへ。トリルのハモり、かっくいいっす。ラストもパワフルに歌い上げてノリノリドコドコで盛り上がって。
 5曲目は「生まれ出づる魂」。ブンブンうねるベースリフからアップテンポのヘヴィリフがはいってドライブ感たっぷりにノリノリで鈴木さんのパワフルなヴォーカルがはいって、サビではHighway Star風にパンチの効いたヴォーカルが。中盤ではミドルテンポになって和嶋さんがパワフルに歌って、合いの手のコーラスがはいって、ギターリフと鈴木さんのヴォーカルの掛け合いが。そこからアグレッシブなギターソロが。めっちゃ攻撃的なゴリゴリパワーメタルで超かっくいいっす。終盤では終盤でもノリノリで鈴木さんのパワフルなヴォーカルが迫力たっぷりに。
 6曲目は「悉有仏性」。ミドルテンポのヘヴィリフからQueenのInnuendo風の哀愁リフがはいって、そこからまさしくQueen風のギターオーケストレーションリフが響き、和嶋さんののびやかなヴォーカルがはいって、時折シタール風の音色が響き、サビでは力強く歌い上げて。中盤ではエモーショナルかつテクニカルなソロが。その後アルペ風リフからシタール風の音色が響き、幻想的なコーラスもはいって、そしてQueen 風のギター多重リフからシタールと木魚の音が響いて。ラストはダイナミックなリフからシタール風の音色が幻想的に響いて。
 7曲目は「宇宙船弥勒号」。ミドルテンポのヘヴィリフからはじまって、アップテンポのノリノリモードになってノブさんのパワフルなヴォーカルがはいって、明るく楽しく爽快感たっぷりに。間奏ではギターのエモーショナルかつテクニカルなソロが。
 8曲目は「リジイア」。哀愁ただようアコギリフからゆったりと美しくはじまって、それがミドルテンポのリズミカルなカッティングリフになって明るく爽やかにながれ、美しいハーモニクスサウンドを響かせてから和嶋さんのしっとりとメロウなヴォーカルがはいって、サビでは歌い上げて。そして綺麗なコーラスが幻想的に。終盤ではエレキギターもベースも加わってドラマティックに。これをもしライブでやるとしたらどうなるのか、ちょっと興味あります。
 9曲目は「ミス・アンドロイド」。ミドルテンポのヘヴィリフから鈴木さんのパワフルなヴォーカルがはいって、サビはユニゾンでコーラスを。中盤の間奏ではエモーショナルかつテクニカルなギターソロが。ヴァースを挟んでの終盤ではズンズン響く力強いリフからスライドギターソロが。
 10曲目は「グスコーブドリ」。ミドルテンポのヘヴィリフからブレイクをキメて、ミドルテンポながらもドライブ感たっぷりに和嶋さんののびやかなヴォーカルがはいって、サビではコーラスも。間奏ではワウを効かせたテクニカルなギターソロが。
 11曲目は「がらんどうの地球」。ミドルテンポのヘヴィリフからダークにはじまって、ゆったりとしたシャッフルモードで鈴木さんのヴォーカルがはいって、サビではパワフルに歌って。その後、ギターがうねりまくり、シンバルロールからドラムが叩きまくって、鈴木さんがのびやかに歌って。そしてシャッフルモードのヘヴィギターリフから鈴木さんがリズミカルに歌って。終盤ではテクニカル弾きまくりギターソロが。ラストはギターリフと叩きまくりドラムフィルの掛け合いが。
 12曲目は「結婚狂想曲」。ダークアレンジの結婚行進曲風のリフからアップテンポのシャッフルモードでノリノリではじまって、和嶋さんのリズミカルなヴォーカルがはいって。そして結婚行進曲風のダークリフがはいって、グレゴリアン風のゆったりとした不気味なコーラスが。中盤では雄叫びからギターのブギー調のノリノリのソロが。その後、婚礼の合唱風のダークアレンジのリフがゆったりとながれ、ドラムが叩きまくり、ダークコーラスがはいって。終盤ではアップテンポのノリノリのシャッフルモードで和嶋さんのリズミカルなヴォーカルがはいって。ラストは「オーライ!」って掛け声からダークな結婚行進曲風リフからダークコーラスが。
 13曲目は「隷従の叫び」。リンの音が響き、木魚のリズムがはいって、ギターリフから哀しげなスキャットがながれ、ダイナミックなヘヴィダークリフから和嶋さんのしっとりとのびやかなヴォーカルがはいって、サビでは歌い上げ、魂の叫びを。聴いていて虐げられている人の気持ちが伝わってくるような、胸が締め付けられる想いです。中盤ではミドルテンポのヘヴィリフからパワフルなブレイクがはいって、そこからアップテンポになってリズミカルなリフにのって和嶋さんがのびやかに力強く歌って、そこからミドルテンポのダークモードに戻ってギターのエフェクトをかけたギターソロが。その後、一旦止まってから、リンと木魚の音が響き、ギターリフから和嶋さんのしっとりとのびやかなヴォーカルがはいって、サビでは歌い上げ、魂の叫びを。ラストはダークコーラスがゆったりとながれ、パワフルなブレイクからドラムが叩きまくって。
 全体にこれまでよりもギターの音がシャープにくっきりと聴こえるようになったように感じましたね。アルバムを最初聴いたときはイマひとつピンとこなかったんですけど、2回3回と聴くうちに聴くたびに新たな魅力の発見があってどんどん好きになっています。早いペースによるクオリティの心配など全く関係なかったですね。人間椅子真髄曲もあれば新たなアプローチの曲もあり、プログレ風味もあってとっても楽しめますね。今回アルバム発売時に数多くの取材を受けられ、ラジオやネット関連の番組でプロモーションもされているようなので、そちらでアルバムについて詳しく語られていると思いますが(相変わらずB!誌等の音楽雑誌には無視されているようですが)、また今度ライブで各曲の説明を聞いたら書き足そうと思っております。まだだいぶ先ですが、9月のレコ発全国ツアーが楽しみです。自分はその前に7/12の対バンかな。
 そうそう、このアルバムの初回限定版には今年1月にO-EASTで行われたSoldoutライブから12曲が収録されたDVDが付いています。あの時の興奮が蘇ります。なかでも「踊る一寸法師」が収録されているのが嬉しいっす。これを機に再発されると嬉しいんですけど。