ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

一噌幸弘さん 東京ダルマガエル

2013-01-28 06:16:11 | World Music
 <一噌幸弘さん>。能楽の一噌流笛方、一噌家に生まれ、9歳で初舞台を踏んで、以降笛方として活躍し大曲も演奏。91年からは能の古典や、オリジナル曲や、クラシックまで幅広いレパートリーを独自の解釈で演奏するコンサート<ヲイヤリ>を定期的に開催しています。また“能”での“笛”という固定観念を破ってジャンルを超えて“能笛”の可能性をおおきく広げて、様々なジャンルのミュージシャンと競演もされています。しかも和楽独特の“間”も素晴らしいのですが、信じられないくらいの超高速の指使いによる奏法も驚異です。
 一噌さんのアルバムはこれまで数枚ここで紹介させていただいておりますが、重要なアルバムがまだでした。それがようやく手に入ったもので今回紹介させていただこうかと。1991年に発表された一噌さん初のソロアルバム「東京ダルマガエル」です。このアルバムは2002年からは指でカエルの顔を作ったジャケットで再発されているようですが、森画伯のデザインのオリジナルジャケットの方を手に入れました。
 このアルバムの参加メンバーは、メインは一噌幸弘グループのギター<鬼怒無月さん>、パーカッション<植村昌弘さん>、〆太鼓<吉谷潔さん>で、さらにゲストで、ピアノ<山下洋輔さん>が2曲目に、A・Sax<坂田明さん>が7曲目に、ギター<渡辺香津美さん>が1曲目に、パーカッション<仙波清彦さん>が1.2.5.7曲目に参加されています。
 アルバム1曲目は「とひょひょ」。笛の音が伸びやかにしっとりと哀愁たっぷりに奏でられ、ギターの音色が切なげに響き、時折入るパーカッションが盛り上げて。そしてギターのアップテンポのパワフルなリフとパーカッションのリズムがはいって、躍動感あふれる力強い笛の音が響き、テクニカルなユニゾンリフが。まずはテクニカルでエネルギッシュなギターソロ、続いて笛の伸びやかで哀愁ただようフレーズがながれ、テクニカルなユニゾンリフから笛の吹きまくりの力強いソロが。終盤では渡辺香津美さんと鬼怒さんのテクニカルな弾きまくりの白熱した掛け合いソロバトルが。そしてテクニカルなユニゾンリフがスリリングに。
 2曲目は「美病ん」。太鼓がミドルテンポで打ち鳴らされ、そこに笛の伸びやかな音色と気合の入った合いの手の掛け声が力強く響き、そしてミステリアスな感じのリフがリズミカルにながれ、ギターと笛のちょっぴりアヴァンギャルドな感じのソロが。笛はめっちゃ吹きまくりで、ピアノも加わって盛り上がってカオス状態に。それが落ち着くとパワフルなパーカッションと弾きまくりピアノのアグレッシブなソロバトルが。めっちゃスリリングです。終盤ではダイナミックなユニゾンリフからギターリフをバックに笛がリズミカルに奏で、そしてユニゾンリフからアグレッシブに盛り上がって、ラストにはパワフルなユニゾンリフとパーカッションソロの掛け合いが。そして吹きまくり弾きまくり叩きまくりで盛大にFin。
 3曲目は「たんぼのかかしと赤トンボ」。笛の伸びやかで切なげな音色がギターと共にしっとりと響いて。そしてギターリフをバックに笛がリズミカルに力強く郷愁ただよう音色を響かせ、拍子木の音が印象的に鳴らされて。その後エモーショナルなギターソロへ。中盤では笛がテーマメロを伸びやかに奏で、そして勇壮な太鼓が迫力たっぷりに打ち鳴らされ、パワフルなギターソロへ。続いて勇ましい太鼓のリズムと激しいギターリフをバックに笛の力強くテクニカルなソロへ。ラストはギターと太鼓をバックに笛の力強い音色が伸びやかにながれ、ラストはテクニカルなユニゾンリフが。そしてしっとりとゆったりとFin。
 4曲目は「メダカの学校むかし話」。力強い笛の音が響き、そしてメロウなギターリフにのってたおやかな笛の音色がゆったりとながれて。ほのぼのした感じの心癒されるメロディですね。中盤では笛の伸びやかでエモーショナルなソロが。時折入る“メダカの学校”のフレーズが懐かしさを感じさせますね。
 5曲目は「いいか幻想曲」。ダイナミックな躍動感たっぷりのリフから、力強い太鼓と気合入った掛け声のリズムにのってギターリフと笛のパンチの効いた力強い音色が響いて。その後テクニカルな高速ユニゾンリフがスリリングに展開されて。中盤ではシンバルロールから力強い太鼓とパーカッションの躍動感たっぷりのリズムとギターリフにのって笛の伸びやかな音色がながれて。終盤には再び高速ユニゾンリフがスリリングに。
 6曲目は「いなか村」。パーカッションのミドルテンポのブラシでの静かなリズムにのって笛の伸びやかで郷愁だだよう音色がゆったりとながれて。中盤では笛のエモーショナルなソロが。
 7曲目は「速流笛破(人生つらいよ)」。力強い笛の音と気合の入った合いの手と太鼓から勇壮にはじまって、そしてSaxとエレキギターがおっかけリフを伸びやかに奏で、ダイナミックなユニゾンリフからスリリングに迫力たっぷりに展開して。まずは太鼓のリズムをバックにSaxソロ。ゆったりとムーディにはじまって、パワフルにエネルギッシュに。続いてはエレキギターのヘヴィでアグレッシブな弾きまくりソロが。中盤ではダイナミックなユニゾンリフから笛のソロへ。序盤は力強く伸びやかに、そして超テク早吹きでスリリングに。そこにSaxが加わって白熱の掛け合い吹きまくりソロバトルが展開され、めっちゃ盛り上がって。終盤ではダイナミックなユニゾンリフがド迫力で展開され、吹きまくり弾きまくり叩きまくりで盛大にFin。
 超絶テクたっぷりの凄まじい曲や、郷愁ただようしっとりとした曲、心癒される曲、さらには伝統楽器とSaxやヘヴィギターのバトルなど、様々な曲をたっぷりと楽しませてくれ、聴き所満載の素敵なアルバムです。