イギリスの負の一面です。
マンチェスターのピカディリー駅そばの歩道で撮りました。
都市にはたいていホームレスが地面に座って、道行く人々に小銭をねだっています。
多くは犬連れです。
以前にも何人かホームレスの(イヌが目的の)写真を撮らせてもらってストックポート日報に載せたことがあります。
ちらっとのぞいた帽子の中にはおもらいもたっぷり、この写真に写っているのと同じスタッフォードシャー・テリアを含む3匹のイヌを連れて、通りがかりの人にスナック菓子やコーヒーをもらって話しかけられている、ショッピングエリアの名物になっている人もいました。
いつ見ても犬連れでギターを抱え、道具立てはカンペキ(でも、ギターを弾いているところを見たことがありません)のその人はおそらくプロでした。
その人をもう一年以上見かけません。
公営住宅にでも入って、定職を見つけていることを心から願います。
白黒2匹の忠犬と黙って座っているこの人は聞かせるギターの腕も、道行く人の足をとめるだけの愛想もなく悲哀感がいっぱいです。
1ポンドあげて犬の写真を撮る許可をもらいました。犬を褒めると本当に喜んでくれました。
普通の人がホームレスになる過程はいろいろ。
失業して家賃や住宅ローンが払えなくなるのはイギリスでもよくあることらしく、多くの人が人ごとではない、と考えているようです。
若者の家出、離婚など家庭の事情もあるようです。
イギリスでは、上に上げたような事情では完全な路上生活者に落ちることはまずないはずなのです!
手続きを踏めば職が見つかるまでは家賃相当の住宅手当が支給され、私営あるいは公営住宅に優先的に入居できるし、順番待ちがある場合やドメスティック・バイオレンスの被害者など緊急の場合などには臨時の宿舎にただちに収容されるはずなのです。
それなのになぜホームレスがいなくならないのか?
いろいろな意見がありますが本当の路上生活者には薬物/アルコール中毒から抜けられない、問題行動があるなど、宿舎での共同生活ができない人が多いらしいのです。
共同生活上の規則にしたがうことができず、薬物依存から抜け出すプログラムへの参加を拒んで路上生活を選ぶ人がいるそうです。
メンタルヘルスに問題を抱えている人や軽度の知的障害があって孤立しているなど、福祉受給のための煩雑な書類手続き等をこなせない人も多く、行政の支援の細かさが要求されるところですね。
路上で物乞いしている人の多くは夜には公営の宿舎などに帰ります。
犬連れで入居できる宿舎では、寄付などによる犬のエサも支給されるようです。
ホームレスの犬用にドッグフードの現物寄付を呼び掛けて、大きな箱を設置しているスーパーがあります。
仕事を探している間や病気の療養中に受給できる手当や障害者手当を受けるためには煩雑な手続きや、医療関係者など専門家による審査があります。
それらがわずらわしいために、福祉の受給金より物乞いして得る「お貰い」で気楽に生活する選択をする人も多いらしいです。
もちろん事情はそれぞれです!
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