三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

「まちづくり」政策の危うさ

2007年06月04日 | 2007年
私の専門テーマの1つに、「スポーツとまちづくり」があります。
私の主張は、「スポーツ施設を造る」「スポーツイベントを開催する」というだけでは
まちづくりにはつながらない―というものです。
大切なのは、地域住民が日常的にスポーツを楽しめるような環境を整備することです。

そんなことを考えながら、いつも新聞や雑誌をチェックしています。
この週末、目に留まった新聞記事は、こんなものでした。

●昔の恨みもこよい限り 忠治と敵 子孫手打ち(6月3日 読売新聞)

江戸後期の侠客・国定忠治と、忠治に命を奪われた博徒らのそれぞれの子孫が
地元の群馬県伊勢崎市で手打ち式を行い、170年ぶりに和解したそうです。

忠治生誕200年を前に、ファンの集まり「いせさき忠治だんべ会」や同市が
「地域の活性化につながる話題を」と、それぞれの子孫の働きかけて実現したとのこと。
「地域の活性化」の前には、敵も味方もないようです。

●都市づくりの大学院開設へ (6月3日 読売新聞)

東大が今秋、都市の計画、再生の専門家を育てる社会人向けの
「まちづくり大学院」を開設するのだとか。

工学系の都市工学、社会基盤学、建築学の三専攻が連携し、
産学官が協力するとのことですが、伊勢崎市のような柔らかい発想が
できるような人材も必要だと思います。

●「坂の上の雲」テーマにまちづくり

司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」の主人公3人、
正岡子規、秋山好古、真之の出身地である松山市が
同小説をテーマとしたまちづくりを進めているそうです。
まちづくり総事業費90億円のうち36億円を国からの補助金で賄う計画とのこと。

バブルの時期、日本列島は北から南まで「リゾートブーム」に沸きました。
新たな公共事業として「リゾート計画」に奔走した自治体の末路は
今の夕張市を見れば明白でしょう。

今の自治体の「まちづくり政策」は、かつての「リゾートブーム」を
思い起こさせる危うい一面を感じます。

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株式会社スポーツ21エンタープライズ】 
  代表取締役 三ッ谷洋子
  スポーツビジネスコンサルタント
  スポーツビジネスプロデューサー
  http://www.sports-21.com 


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