躁鬱おばさんのプチ田舎暮らし

何かにつけうつつつと落ち込んでしまうわたしが、プチ田舎に引っ越すと・・・

ピラミッド

2007-01-30 23:20:24 | Weblog
ピラミッドの中はどんな感じがするのか
それを体験したかった。
初日の最初がピラミッド見学だった。

現物を近くで見ると、あまりの大きさに口あんぐりになる。
クフ王のピラミッドと言われているのが、一番大きい第一ピラミッドだ。
入り口では長蛇の列。しかも日本人がほとんど。
第一ピラミッドは日本だ。(笑)
王の間を見終って出てくる人たちは汗だくで、
「やー、疲れた。暑いばかりで、中は何にも無いし、止めた方がいいよ。」
と、言いいながらすれ違う。

狭くて長い通路は日本人向き。
腰をかがめて歩くので、西洋人はとてもつらそう。
この時ばかりは背が低いことに感謝した。
それを抜けた後の大回廊は素晴らしかった。
細くて長くて天井が高く、傾斜になって長く続いている。
壁も天井も大きな石がぴったりと僅かな隙間もなく繋ぎ合わさっている。
回廊を上から下へと見た時は「美しい」の一言だ。

王の間に近づくと、「オーム」が聞こえてきた。
なんじゃこりゃ。普通のツァーで来た筈。(笑)
中は長方形の部屋になっていて、これまた巨石がぴったりと合わさってつくられている。
完璧さが心地よい。
ここがかの有名な王の間なんだと自分に言い聞かせるのだけど、
なんだか、特別な所という気はしない。
前世とかじゃなくて(かもしれないけど)、妙に懐かしいような・・・
気持ちが落ち着く。
体は軽く感じて、重力から少し解放されているような感じ。
部屋の真中よりかなり壁に近づいたところに分厚い石の棺がある。

「オーム」を唱えていたのは外人の20人くらいのグループだった。
順番に1人づつ交替に石の棺に入って寝っころがっている。
石棺の中の人を癒しているように、なぜか感じた。
もちろん、こんなことをするのは禁止されているはずなんだけど、
多分、相当なチップ渡したのだろう。
監視の人は部屋の外にしかいない。
地獄ならぬ、ピラミッドの沙汰も金次第?

石棺は人が寝るのに丁度いい長さ。
その淵に手のひらを上にして置き、目を閉じて一緒に「オーム」を何度か言ってみた。
すると、エネルギーが体に真っ直ぐシャワーのように降り注いで、体の中にそのまま入ってくる。
しかし、胸の真中あたりの高さまでだ。
下から来るエネルギーは感じないけれど、胸の真中あたりでぶつかっている感じ。
ぶつかると弾けて、別のエネルギーになって頭の天辺から抜ける。
その時、気が遠くなるような震えを感じた。
「オーム」の度に繰り返されて震えが来る。
ちょっと、この感じは初体験だぞ~。
そして、肺か気管支の弱い部分が急に炎症を起こしたように痛くなって来た。
好転反応だとなぜか確信出来た。

目を開けてみると、棺とそれにくっついている私も一緒に取り囲むように輪が出来ていて、
「オーム」が続いている。
知らぬ間に輪の内側にいたのだ。
もしかしたら、私の感じたのはこのグループのエネルギーのせいだったのかもしれない。
それにしても、尋常じゃないエネルギーだった。
そのうちのひとりが日本人の顔をしていたので、
このグループはどういうグループなのか聞いてみた。
ブラジルから来た彼女は片言で、
ピラミッドの使い方を確かめているグループなのだとか。
ブラジル版マハサマ?
なんだか偶然とは言えない王の間体験だった。

ありゃこんなことしていて、わたしゃ普通の観光客しなきゃいけないんだった。
一緒だったもう一組の夫婦はすでにいなくなっていた。
初日からツァーの連れが「オーム」では、さぞかし不安だったことだろう。

とうちゃんは王の間の中をじっくり回ったようで、
部屋の真中にいるのが一番気持ちが良くて、
ある隅で目をつぶると、不安が押し寄せてきたらしい。

ピラミッドは想念や無意識などのエネルギーを増幅するのではないかと思う。
宗教色は感じなくて、良く出来た装置のような気がした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰国の飛行機に乗る日に、とうちゃんとふたり、昼食を抜いて出発間際まで、
もう一度、三大ピラミッドのギザ台地に行った。
2番目に大きいカフラ王のピラミッドにの入りたかったのと、
ギザ台地の(大地の)清清しい気をもう一度味わいたかったのだ。

初日は、前日少しだけど雨が降ったとかで、
埃が洗われて深い綺麗な青に晴れ上がり、雲が無かった。
ガイドさんは、こんなに綺麗な空は珍しいと言っていた。
そして、最終日の2度目は、ピラミッドの背景に大胆で不思議な雲が出た。
そのあとファラオそっくりな雲も。
それから、ほんの僅かな間に、
エジプト人のカップルに話し掛けられたり、
親子連れや少年達に、一緒に写真を撮らせてくれと頼まれたり、
これは秘密だけど、
小さなピラミッドに登って砂漠の向こうのサッカラのピラミッドを見せてくれたおじちゃんもいた。
それまでの旅行中もラッキーが重なったし、
UFOは見なかったけど、
やっぱり、呼んでくれた旅だったみたい。

エジプト旅行

2007-01-29 22:03:19 | Weblog
普通のツァーなのに、変な旅行だった。
ツァー客は4人。私達ともう一組の夫婦だけ。
6人で催行を決定したらしいけど、2人キャンセルが出てこうなったらしい。

エジプトの主な遺跡の観光地を結ぶ移動は、大抵が飛行機かクルージングだが、
私たちのツァーはカイロからアスワンまでは、遺跡を見ながらバスで走った。
バスのツァーはは少ないので、
途中の、そこそこ有名な遺跡なのに観光客は私たちだけということも何度かあった。

バスで町から町へ移動する時は、
規則で観光バスを護衛する警察の車が付くことになっている。
バスには、添乗員とガイド、それから規則で、現地ガイド、運転手、警察関係者、護衛などが必要とされているので、スタッフが5~6人乗り込んだ。
観光客より警官やスタッフの方がはるかに多いことになってしまった。
まるで要人並だ。
警察の車はサイレンを鳴らして猛スピードで先導するし、
村の渡しのフェリーボートにも、先に来て待ってる人や動物達を無視して、
優先的に乗り込む。
バスが重いので、満員でもないのに乗れなくなって、
次のフェリーを1時間待ちの人たちで船着場が溢れている。
そこまでしてくれなくても・・・と、申し訳ない気分だった。

そして、小型バスで走っていくと、
村の子供達がもの珍しいのと人懐っこさで、手を振って駆け寄って来る。
大人たちまで手を振るから、
こちらも手を振りつづけて、「まるで雅子さま状態だね。」と笑った。

主要な幹線道路には軍の検問所が何ヶ所もあった。
移動の届け出をしないといけない。
州(市)が変わると、管轄の警官が交替して先導する。
観光地にも軍人や警官が銃を持って警備しているので、
観光客のいない遺跡に行くのはまるで見張られているようだし、
バスの移動は時には犯罪者の護送のような気分になることもあった。

銃にはそのうち慣れた。
だって、銃を持って遺跡見学についてきて、
一緒に写真を撮れと言うので、撮ればボールペンやチップをねだって来るのだから・・・
「う~ん、も~」である。
そのうち、それにも慣れて無視無視。

ところで、どうしてこんなに警備が?というと、
10何年か前に、観光客がルクソールでテロ集団に無差別に撃ち殺された事件があって、
日本人もたくさん亡くなった。
観光が大きな収入源になっているので、それからは観光客を守るということでこういうことになったらしい。
(その事件のテロ集団の根拠地であった町を抜けて行くというコースだった。)

アビドス、デンデラからルクソールまでは、ほかの観光バスなどと合流したので、
15台の車が1列に並び、護衛の車が先頭と最後尾について、
隊列を組んでサイレンを鳴らし、猛スピードで走るという、ちょっと異様な光景になった。

それから、エジプトは軍事国なので、平和呆けの日本人には驚くほど多く、軍人や警官が目に付くということだろう。
護衛だけでなく警戒でもあるのだ。
どのホテルでも客でありながら、入り口でチェックされた。
金属探知機のゲートを通らされた。
博物館やピラミッド、人気の遺跡の入り口でもそうだった。
でもね、ずっとピーピー鳴りっ放しで、それでもどんどん通していくので、
用を成していないと思うのだけど。

大統領が移動されるというと、街中が突然通行止めになってしまうという。
事前に知らされていたりはしない。
その街から出られたり、あるいは官邸に入られるまで一切の交通がストップにになるので、
道路で、何時間も止まった車の中で過ごすはめになることもあるらしい。
暑い車の中、降りることも許されないそうだ。
飛行場も同じ。飛行機が予告なしに全部止まる。
だから、「どうぞお願いだから大統領、お出掛けにならないで、お家でゆっくりしていて下さい。」
と、ガイドさん。(笑)
私達も危なかったのだ。
道路やあちこちのビルの屋上に私服のガードマンがたくさん見えて、
「これはそろそろですね。」
ハラハラだった。





旅行

2007-01-19 21:24:48 | Weblog
「水神さん」
(写真:とうちゃん)

明日から旅行に行くので、緑の野菜をたっぷり食べておこうと、
畑に行った。
葉ものはみんな本当に見事に鳥にやられていて、
痛々しい。
それでも、頑張って新しい葉を出し始めているのをみると、
鳥より、野菜を守ってやれば良かったと思う。
こういうところなんだよね。ココは。

野良猫を拾って命を助けたつもりでいたら、
その猫が雀を取って来た時は、すごく複雑な気分だった。
キャットフードはビーフだチキンだのって出ている。
猫のために牛や鶏が殺されているって訳?
それに、人間はもっと・・・
どうすればいいんだろう、っていうよりそういうところなんだわね。
ココは。今は。
と、落ち込んでる時ではなく・・・

10日間エジプトに行ってきます。
12月のツアーをキャンセルした後、もっと私達向きのツアーが別の旅行社で見つかった。
申し込んだ時、私達入れても4名だったから、
「10名が最低人数なので、多分催行されないですよ~。」と受付の電話で言われた。
でも、なぜか行けるような気がして、そのまま申し込んでおいたら、
その4人だけで催行されることになった。
なんで?
添乗員さんは自分のプライベート旅行みたいに、
「楽しみましょうね~。」と電話ではしゃいでいた。
そうか、エジプトは私たちをこのツアーで呼んでくれたってわけだ。
(精神世界チックね)

ハンコック達が言うように、3大ピラミッドが、
古代エジプトの時代に作られたなんて思えない。
超能力者集団がいて、あの大きな石を浮かすのならともかく、
人力では不可能じゃないかしら。
ノアの箱舟伝説のような大洪水以前、今の文明の前に出来たものかもしれない。
石を溶かしたり結晶化させる薬品があって、
一度石の継ぎ目を溶かして、ぴったりにしてから再結晶化させたという人もいる。
前の文明はもっと素晴らしかったのかもしれない。
何度も文明は興っては滅びたのかもしれない。
滅びても、生き残った人たちもいただろう。
でも、今の私たちでもそうだけど、少ない人数では文明は滅びる。
(たとえば、現代の家ひとつ作るにも、数多くの知識、技術、材料等が必要なのだから、
大工さんだけが生き残っても出来ないだろう。)

それから、一種類のヒトだったとも限らない。
『1万年の旅』に出てくる、言葉がろくに話せずテレパシーを使う、
暴力的な種類のヒトもいたかもしれない。
進化論のような進化で人類が現れたのだろうか?
聖書に出てくるような神とされるものが、遺伝子操作で創ったのかもしれない。
それは宇宙人?ゼカリア・シッチンはそう言う。
おもしろい!

スフィンクスの足元に、
人類の起源を解き明かすものが埋められているという人もいる。
このツアーは、足元まで行けるらしい。
(12月のツアーじゃ行けない(?)なんて知らなかった)

でも、私がエジプトに行ったからって謎が解けるわけでもないのだけどね。
ピラミッドはUFOのエネルギー補給基地だったという説もあるので、
UFOぐらいは見たい。(無理?)
それから、偶然だけど、
去年ツタンカーメンのえんどう豆の種を友人に貰って、
秋から育てている。
ツタンカーメンのお墓から出てきたものを増やしたものだという。
お墓でお礼を言うのだけは忘れないようにしよう。


庭で

2007-01-18 20:45:41 | Weblog
「椿」
(写真:とうちゃん)

庭にもうフキノトウが出ていた。
早いよね。
でも、あまり感動しないの。
だって、この冬は、ずっとフキの葉が青々と出たままだったもの。
変だよね。この暖かさ。
今日は上着なしで買い物に行った。
まだ1月だよ。

毎日メジロがやって来て椿の花の蜜を吸ったり、
梅の木でなにやらついばんでいる。
相変わらず意地悪ヒヨドリが1羽、
メジロの夫婦を追い立てに来る。
メジロはとてもすばしっこくて、すぐに別の木から木へと飛んでいく。
それをまた追いかけるヒヨドリ。
メジロ夫婦は1組ではないのか、
あちこちでチチ、チチ、チチと可愛い声がして、
ヒヨドリの目の届かないところにまた現れる。
庭のどこにでも椿の木があるので、
(小さいのも入れると100本くらい)
ヒヨドリも追いかけるのに疲れるのだろう、
そのうち、よそ見していたりするので、
メジロは、その隙にまた椿の蜜を吸っている。

白や赤やピンクの花に鶯色のメジロの小さな体が止まって、
花が揺れる。
ヒヨドリも椿の蜜も吸いたいので追っかけてばかりじゃいられない。
メジロのようには小さくないので、
枝に止まって逆立ちの格好で花にくちばしを突っ込んでいる。
枝が大きく揺れる。

ホウジロも現れた。
庭の中の小さなデッキに座って眺めていると、
1日中こうしていたいなと思う。
鳥たちが楽しい。



笑っちゃった

2007-01-17 22:17:40 | Weblog
(写真:とうちゃん)

昨日の自分のブログを読み直して笑っちゃった。
水深1~3メートルの我が家ってどういうのじゃ?
すでに水没してる。
私しゃ乙姫さんか?まったくもう~。
今、海抜に書き直したからもう笑えないよ。
ついでにとうちゃんに確かめたら5メートルくらいだと言う。
同じようなもんだわね。

可笑しい話ついでに・・・

町内全域にいくつもある放送用の塔があって、
ここからは、毎日の朝6時と夕方の6時のメロディー、火事を知らせるサイレン、
行方不明者の放送(このような人を見かけたら警察に知らせてください)や
それから、役場からのお知らせ等が流される。
悩み事相談の日なので悩みがある方は予約制なので申し込んで下さいとか、
税金の引き落とし日なので残高確認をお願いしますとか、
どこそこのひまわり畑が今見頃ですとか・・・・
さらにはもっとどうでもいいようなことまで放送するので、五月蝿いこともある。

先日、消防団の出初式があったのだけど、
その何日か前から、
「朝六時に出初式のためのサイレンを鳴らししますので、災害と間違わないようにお願いします。」と、
何度も放送があった。
・・・はいはい、よ~くわかりましたよ・・・
その朝6時にサイレンが鳴った。
ウーーーン、ウーーーン、ウーーーン
・・・ああこれだ。大丈夫よ、間違わないからね・・・
と、すぐに、
「これは出初式のもので、災害のサイレンではありませんので間違えないで下さい。」
・・・昨日あんなに聞いたよう~・・・
こんなことわざわざ言うくらいなら、サイレンを止めて
「出初式です。」って当日一回言えば済む話よね。
朝から笑ちゃったよ、も~。

ノウテンキ

2007-01-16 22:05:52 | Weblog
今日は朝からカラスの何か差し迫った鳴き方。
とうちゃんも私も気分が良くない。
もしかしたら・・・と地震予知のHPを見てみた、
千島の地震を警告していた人だ。
http://www1.odn.ne.jp/~cam22440/yoti01.htm
赤文字は非常に珍しい。
もしかしてはじめてかも。
房総沖なんて・・・うちの直下ってことも?
(私、怒ってなんかないよ。(笑))
昨夜の揺れ方が何か今までになく変で、
地鳴りみたいなのも聞いたような気がする。
このHPの予知当たるかも。
でも、空振りも多かったなあ。

5,6年前、インディアンのシャーマンと話したとき、
たくさんの陸が水没するのだという。
海抜5メートルほどの我が家。
ぎょっとなっていたら、
どんなことになっても助かる人は助かるという。
水没するだけでなく、隆起する所もあったりするからだそうだ。
助かる人に入っているかどうか知らないけど、
もう多分決まっていることだろうから、
今更いいか。
いざとなったら思いっきり宇宙に飛び出そう。

それに、日本を守ってるって人もいることだし、
お祈り好きの人達もいる。
私はノウテンキに寝る人。
おやすみ~。

自然なお酒

2007-01-15 23:39:39 | Weblog
昨日は寺田本家の酒蔵へ酒作りの工程を見に行った。
無農薬米で自然酵母を使っての酒作りしている。
もちろん無添加で自然なお酒。
農薬を使っている普通のお米では、自然の菌ではうまく発酵しないのだそうだ。
それで、ほとんどのお酒には添加物が入っていて、
その添加物でお酒を飲むと体を壊すのだとか。
ここでは「酒は百薬の長」そのもののお酒を造っている。
詳しくはHP
http://www.teradahonke.co.jp/

とにかく、日本酒のイメージを全く変えてしまうお酒が、
「醍醐のしずく」と「むすひ」(発芽玄米酒)
醍醐のしずくはその時その時で味がかなり違うのだけど、
日本酒のシャンペンみたい。一番好きなお酒。
発芽玄米酒むすひは日本で一番美味しくない酒と寺田本家の社長さん。
確かに最初は、何これ?ん?でも・・・なんかいいかも・・・だった。
そのうち、なんだか忘れられなくなって、1年前から愛飲している。

昨日は、麹を発酵させる室(むろ)にも入れてもらえた。
30度の部屋の中にはいい匂いが充満。
麹菌のお陰で入っているだけで元気になる。

社長さんはとっても穏やかで、悟った感じのひとだ。
菌や発酵のことで、いいお話がたくさん聞けた。
あまり綺麗好きは良くないそうよ~。

書きたいのだけど、なんだか忙しくて・・・寝なきゃ。





草の匂いの中で

2007-01-12 21:44:33 | Weblog
(写真:とうちゃん)

あれはまだ小学1,2年生の頃だったと思う。
昼下がり、親について行った山の畑。
親の畑仕事が終わるまで、一人で時間を過ごさなければならなった。
少し離れた所に、背の高い草むらがあって座り込んでいた。
夏の初めの頃だったと思う。
青臭い匂いがする草に取り囲まれて、することもなくぼーとしていた。、

ふと、この世界には自分しかいないのではないかと思った。
神様は万能だから、私に幻を見せているだけなのではないか。
本当は他の人は誰もいなくて、自分ひとりの世界かもしれない。
自分以外何もない世界で、ただ映画を見ているようなものかもしれない。
この草だって幻かもしれない。
匂いや手触りであるように感じさせることも、神様なら出来るだろう。
私しかいない世界・・・・
それは間違いだってどうすればわかるというのだろう。

恐くはなかったような記憶。
むしろ、神様と二人だけもいいなあ思ったような気がする。
でも、こんなことを考える自分はどこかおかしいのではないかと思った。

中学になっても時々そんなことを考えていた。
そして、「今」という時間のことも考えた。
目の前のものでも、目に光が飛び込んで来るには厳密には時間がかかっているはず。
音が伝わるにも時間がかかっている。
今、何かに触れていると思っても、脳に伝わるまでの時間があるはず。
これは、少し不安になった。
今がわからないのは恐いと思った。
あると思った時は、それはもうそのものの過去の姿なのだから、
「今」存在しているかどうかはわからない。
自分と同時に「今」存在しているものを、どうやって知ることができるのだろうか。
そして、こんなことを考える自分はどこかおかしい気がした。

高校では落ちこぼれていたが、「倫理」の時間は好きだった。
哲学の初歩を教わることがあって、
ある日、デカルトの「我思う故に我あり」を先生が説明してくれた。
何もかも否定できるけれど、今何もかも否定している自分だけは否定できない。
考えている自分だけが確かなものだと。
こんなところに自分と同じように感じて、考えた人がいたのだ!
私だけではなかったのだ。
おかしくはなかったのだ。
あの時の妙な安堵感は忘れられない。

先生のデカルトの解釈が合っているのかどうかは知らないけれど、
その時から、あのむせかえるような青臭い草の匂いを懐かしく思い出せるようになった。

息子が幼稚園の時だった。
自転車の荷台に乗せて走っていた。
静かにしていた息子が、
突然、「お母さん、これ夢?」と聞いてきた。
「そうね、どうなんだろう。」と言いながら、
この子も、草の匂いの中にいるのだと思った。




水神さん

2007-01-10 23:07:18 | Weblog
「砂山の夕陽」
(写真:とうちゃん)

畑に近づく度に、わーと飛び立つヒヨドリの群れ。
菜っ葉類は毎日食べられて無残な姿。
仕方ないから大根の葉でも食べようと、大根の所に行ったら、
なんと大根の葉っぱまで食べ始めている。
緑の野菜は買って食べるしかないと思った。
私達は買えるけど、鳥達はそうはいかないんだものね。

午後、田んぼの水の様子を見に行った。
冬に水を溜めて置くと有機物がたくさん発生する。
これを何年か続けると、肥料なしで元気な稲が育つようになるらしい。
車を降りて田んぼに着くと同時に、視界の左から右へと瑠璃色に羽を輝かし、オオルリ(?)が飛んで言った。
息を呑むほど美しかった。
田んぼには、丁度良い感じに水が溜まっていて、藻が発生している。
これが出れば良いのだそうで、なかなか順調だ。

側の水路でクレソンを採った。
少なかった・・・と言っても両手で握るほど。
芹はほんのわずかしかなかった。

この田んぼがある小さな谷には水神さんの祠(ほこら)がある。
たくさんの湧き水が出るお陰で美味しいお米が出来るから、
水神様をお祭りしているのだろう。
祠がある奥の方は、夏場は草ぼうぼうで、マムシが危なくて行かれない。
冬の今のうちに水神さんをお参りしようということになった。

夏にはわからなかった山際の道を見つけたので、
そこを探検がてら歩いていくと、
水がこんこんと湧き出ている場所が何ヶ所もあった。
側には見事なクレソンの群生地が!
日当たりが良くて大きくなっている。
欲張りな私もあまりにたくさんなのを見ると、なぜか最初から「足るを知る」の気分。
スーパーのビニール袋一杯で止めにした。
少し歩くと、休耕田に芹が群生しているのを見つけた。
これもビニール袋一杯で止めた。

クレソンも芹も、茹でて胡麻和えやおひたしで食べると、それはそれは美味しい。
わざわざ畑で野菜を作らなくても草摘みすればいいんだわ。これぞ自然そのもの・・・なんて思った瞬間、
そうか、畑の菜っ葉をヒヨドリに上げた代わりなんだと思った。
自然はちゃんとお返しをしてくれるものだ。

水神さんにお礼を言って帰って来た。