躁鬱おばさんのプチ田舎暮らし

何かにつけうつつつと落ち込んでしまうわたしが、プチ田舎に引っ越すと・・・

散歩

2017-09-26 21:00:41 | Weblog
近頃、夕空をみるために夫と散歩をするのが日課になってきた。
田んぼが広がる中の、舗装をしていないあぜ道は360度空が見える。
空の色や雲の形に、夕焼けだ、太陽風だ、UFO雲だ、鳩だ、龍だ、彩雲だ・・・etc話しながら歩く。
もともとは、歩く瞑想目的のはずだったのだけどなあ。
ま、空と空(くう)で同じってことです。(笑)

1週間続けたら、夫の高めの血圧が正常になった。
たった2、30分てれてれ歩いているだけなのに。
気にしていなかったので、意外な収穫になりました。

そして今日、もうひとつ思わぬことが。。。

今年の春、広い休耕地を誰かが借りて、新しくネギ畑にした。
ところが、ネギは植えられたけど、人手が足りなかったからか、
最初の年だからか理由はわからないけど、
あまり世話をされないまま草が増えていき、
ネギが見えなくなってしまった。
ついに、どうしようもなく夏草が生い茂り、
草好きな私でも、いくらなんでもここまでは・・・・というほどになったので、
ネギはほとんどダメになったと思われた。

昨日のこと、その畑の側を散歩していると、
ぷ~んと良い匂いがした。
え?!ネギ?と思ってしゃがんで見ると、
ところどころ草の間から、ネギが育っているのが見えた。

「このネギ食べてみたいね。」
 草の中で育ったネギは柔らかくて美味しいはず。
 無農薬で多分無肥料のはずだし。
「あ~、もったいなね。どうするんだろうね。」
「譲って貰いたくても作っている人を知らないし、会えないしね。」
と、通り過ぎた。

そして今日。
私が車で買い物の帰りに通りかかると、
トラクターが入っていて、
なんと、草もネギも土と一緒くたにして、耕している。
もうほとんど終わりかけていたけれど、
道路際、道路に沿っての1,5メートルくらいと、真ん中の少しがまだだった。

急いで車を止め、降りて、畑の真ん中に入って行き、トラクターの前に仁王立ちになった私。(笑)
トラクターは止まり、エンジンを切って静かになった。
突然変なおばさんが現れたものだ。
トラクターのおじさんは、日に焼けた顔を出した。
笑ってた。

「すみません、ネギを売ってもらえませんか?」
「まだ、売り物にはならないよ。」
道路向こうの、やはりおじさんが作っているらしいネギ畑のネギと勘違いしたらしい。
「違うんです、この草の中のネギを売って下さい。」
「ああ、なんだ、これなら好きなだけ持って行きな。」
「せっかくお作りになったのだから、お支払いさせてください。」
「そんなのいいって。今すぐに採れるんだったらいくらでも持って行きなよ。」
つまり、トラクターの作業を邪魔をしないならば、どうぞご自由にってことだ。

道路に止めた車に走って戻り、
ちょっとした何かの時にと、たまたま買ってきたばかりの、
爽健美茶のペットボトルを取り出して、また、走って行き、
「これ、気持ちです。」と渡した。
おじさんは笑い顔のまま受け取って、エンジンをかけた。

さあ大急ぎで、この草の中からネギを見つけて引き抜かなければならない。
でも大丈夫!
昨日、草の間にネギが見えたところを覚えていたのだ。
そこまで走って行って、ひたすら抜いた。
その周辺には思った以上にネギがあった。
一抱え抜いたところで、トラクターが近づいてきた。
その間2、3分ほどで、
ほんと奇跡的にゲット!
残された執着は手放して(笑)お礼の手をふって帰ってきた。

早速、お昼ご飯のおかずに。
想像していた通り、夏ネギなのにとっても柔らかくて、とっても美味しいネギでした。
お隣2軒にお裾分けしました。

あとは、畑に穴を掘り、ひとまとめにして白い部分に土をかけておいた。
こうしておけば、いつでも新鮮なのがたべられるってわけ。

それから、使う時は、ネギのひげ根をつけたまま長めに根っこの部分を切る。
それを畑に植えれば、簡単に芽が出る。
それを育てて(ほぼ勝手に育つ)また食べればよい。
つまり苗にもなるってわけです。
大収穫。

これも散歩のお蔭。
昨日見つけていなければ、それまでだったのだから。

いや、ネギが食べて欲しいと、
匂いで散歩の私に存在を知らせた?
はい、妄想ですが。(笑)

夕方、散歩に出て、その耕された畑をみると、
トラクターで無残に引きちぎられたネギが散らばっていた。