『太平洋から昇る満月』
(写真:とうちゃん)
秋の、まだ暑さが残る太陽。
青空に、雲が出た。
その雲に隠れた太陽の光線が、
雲の周りから真っ直ぐに放射されている。
神が雲のなかにあって民を導いた聖書の話をふと思い出した。
透明な光の中で、
ススキの穂が一斉に揺れる。
柿は枝で、かきいろのままに輝く。
稲刈あとの株から伸びたひこばえで、
田んぼは薄っすら緑になっている。
きんもくせいの花が散ってできたオレンジ色の絨毯。
白鷺。
雀の群れのさえずり。
私は、積み上げた藁の匂いの側で、
落花生の実をひとつずつもぎとっていく。
なんでもない時間。
ひとつずつころんとバケツに入れていく。
なんでもない日常。
荒野をさまよった民は、この日常を求めていたのだと思った。
(写真:とうちゃん)
秋の、まだ暑さが残る太陽。
青空に、雲が出た。
その雲に隠れた太陽の光線が、
雲の周りから真っ直ぐに放射されている。
神が雲のなかにあって民を導いた聖書の話をふと思い出した。
透明な光の中で、
ススキの穂が一斉に揺れる。
柿は枝で、かきいろのままに輝く。
稲刈あとの株から伸びたひこばえで、
田んぼは薄っすら緑になっている。
きんもくせいの花が散ってできたオレンジ色の絨毯。
白鷺。
雀の群れのさえずり。
私は、積み上げた藁の匂いの側で、
落花生の実をひとつずつもぎとっていく。
なんでもない時間。
ひとつずつころんとバケツに入れていく。
なんでもない日常。
荒野をさまよった民は、この日常を求めていたのだと思った。