soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
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書籍「四人の兵士」友情というより絆をやさしく描く

2009-02-20 00:09:19 | 読書の時間
書籍「四人の兵士」★★★☆
ユベール・マンガレリ著、白水社、
186ページ、1890円




「ロシア赤軍の青年兵4人が、
ルーマニアやポーランド軍からの敗走の中で、
仲間として過ごした過酷だけど
穏やかな日々を描いている」



翻訳本を読むのは久しぶりだ、
この本も昨年の本の雑誌ダ・ヴィンチの
ある月のプラチナ本
に選ばれており、
年末にまとめて買っていた一冊。

「新世界より」を読み終えたので
どんな内容なのかの予備知識もなく読み始めた。
詠み始めて最初に感じたのは
説明が多いわけではないのに
読むと周囲の情景がスッと思い浮かぶことだ。



冬のロシアあたりを大した防寒具なしに
しかも敗走という精神的にもダメージの多い中、
同じ境遇の若い四人の兵士達は
次第に打ち解けあい、古くからの友人のような
親密な関係になるあたりも
こんな中でなら信じられそうだ。


兵士の物語ではあるが、
戦闘シーンは無い、
主人公達が銃を手に
誰かを傷つけることもない。

だからそういう意味でこれは
戦争の物語とも言いがたいが
嵐の後のすっきりとした晴天のような
脆く儚い短い時間を
情景を思い浮かべながら
読み進めた。

彼らの到着する先に幸せがありますようにと。

詠み終わって
「えっ!」って軽く驚く、
これだけのページを費やしながら
実に何も起こらない物語だからだ。

でもその何か劇的なことが起こらないことが
「救い」なのかもしれない、

ひとたび戦場にいれば、
殺し合うという異常なことが
普通に行われるのだから。

胸を揺さぶられるようなものはない、
でもこの読後感はいい気分だった、
これが天気のいい公園で詠み終えたなら
そのあたりをしばらくいい気分で歩けそうだ。


★100点満点で70点

soramove
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翻訳本の新刊は値段が高いのが
購入するときのネックになる、
時間がかかって仕方ないのだろうが、
なんとかして欲しいもの。

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