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読書と旅行と柴犬のブログ
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「長恨歌」色と情念が匂い立つ絢爛

2005-10-24 00:30:31 | 香港・アジア映画
「長恨歌」★★★★
サミー・チェン、レオン・カーファイ主演
スタンリー・クワン監督作品、香港
東京国際映画祭で上映

上映後のティーチインで
監督は10年前なら
作れなかった映画だと
答えた。

文化大革命のシーンの一部が
中国の検閲でカットされたが
作品全体には影響は無いと。

すごく重い言葉だ。

享楽の上海を体験し、
匂い立つような美しさを
放ちながらも
ただひとつの愛を求めた主人公。

そして彼女の美を見出しながら
彼女の心を捕らえることが出来なかった
カメラマンの心の痛み。

人は老いるものだ。
そして美はもっと残酷に時を告げる。

ラストにそれでも街は変わらず
また活気溢れる人たちが行きかうと
告げているが、
それでも人は自分の生を
精一杯生きていくのだ。

彼女は幸せだったのか。
それは見る人に委ねられる。

ただ彼女は間違いなく、自ら選んで
生きていた。
けっして振り返らずに。
美しさは消えてしまうものだとしても
どう生きたかその道程は消えない。
気高く美しいことに変わりはない。

非常に完成度が高く、
美意識に貫かれた秀作。

見終わるとある意味、脱力する。
リラックスして見ることなんか許さないえいがなのだ。

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★主演のサミー・チェンと監督も来場した
映画祭、画面では迫力さえ感じたのに
ちっちゃくて可愛いサミーをずっと見てました。
入り口近くなので出入り時には手が届きそうでした。