思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

殊能 将之『美濃牛』を読むまでの経緯。

2017-12-11 12:24:04 | 日記
殊能 将之『美濃牛』を読んでます。

10年以上前の話しになりますが、
2003年のとある時期、なぜか
「叙述ミステリーをまとめ読みする」
という本末転倒というか、
ある種ネタバレ済みじゃないかというセレクトで
立て続けに読書をした時期があったのですが。
(おススメ叙述ミステリーみたいなまとめを読んだのだと思う)

ちなみにその頃の日記がこちら
ここで言及されている作品は、要するに叙述モノということです。
ネタバレです。
クリックの際はお気を付けください。


その流れで殊能氏の代表作を読んだわけです。
とても面白くて、最後のどんでん返しも楽しめました。
この作家さんの他の作品も読まなくちゃ、と思ったところ
なんと、すでにお亡くなりであった(若いのに!)と知り
とても残念に思ったのを覚えています。

ご冥福をお祈りしつつ、他の作品も読めばいいのですが、
根っからの貧乏性なもので。
なんか、もったいないって思っちゃうんですよね…。
もう新作、出ないんだ、って考えるとね…。

そんなわけで塩漬け保存されていた殊能将之作品。
さすがに10年以上経っているし、
近ごろ、あまり食指の動く作品がなかったこともあり
満を持しての解禁です。

石動(いするぎ)シリーズの第一作『美濃牛』です。

ずいぶん美味しそうなタイトルじゃないか…。
と思ったら、英文字でMinotaurと書かれていて
なるほど洒落ているなあと感心しました。

そんなこんなで読み始めた(まだ読了していない)
『美濃牛』の感想は後日。
コメント (1)
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親不知を抜き、丸谷才一『星のあひびき』を読む

2017-12-08 12:27:53 | 日記
どーでもいいですが、親不知を抜きました。

痛み止めを打ってもらっているので
抜歯の際に痛みは感じないのですが、
なんか、「土木!」って感じのゴリゴリバキバキした音が
恐怖を掻き立てる……。
クライマックスで頭蓋骨に響くような音がしたのと、
傷口を縫っている糸が意外と太いのが印象的でした。

そして、じわじわ痛い…。
あと、めちゃくちゃ腫れる…。

左頬が腫れるだけで、こんなに人相って変わるんだなあと
鏡の中の自分をしげしげと見つめてしまいました。

抜歯後、数日間はじくじく痛むし
口内の違和感も大きくて、
とにかく気が散る。集中できない。
仕事が進まない(いつもだけど)。

なので、読書は軽めのエッセーがいいな、と思って。
丸谷才一『星のあひびき』です。
うん、あまり軽くはないな。

一篇辺りの文字数は少な目で、気ままにさらっと読めます。
テーマとしては書評や文学談義が多め。
相変わらず薀蓄と含蓄に富んでいて面白いです。
モーツァルトと源氏物語が埋もれていた話しとか。
フランスかどこかの夫婦作家が選んだ男が好む10冊女が好む10冊への
毒舌っぷりとか、面白かったです。

ちなみに親不知を抜いて一週間、想像以上に食事が摂れない
(噛みにくいし、美味しいと感じない)のだが、
痩せないのはなぜなんだろうか。責任者出てこい。
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初期の朝井まかて『すかたん』

2017-12-05 16:56:10 | 日記
新作から遡って読んでいる朝井まかて。
デビュー3作目の『すかたん』読了しました。

裏表紙のあらすじが恋愛モノっぽい説明で、
そういうのいいです……とテンションがちょっと下がり。

一行目でいきなり叫んでいる女主人公に
こういう痛い女子の恋愛に付き合わされるのか……
と再びテンションがだだ下がりになり、
不安しか感じないなか読み始めたものの。

おもしろかったです。

大阪の青物商で上女中を勤めることになった
江戸生まれの主人公。
彼女の新鮮な視点で、江戸期の大阪船場の風物や
商売の作法、蔬菜のアレコレが語られていて
とてもおもしろかったです。

私は関東生まれ関東育ちなので
大阪には数回しか行ったことがなく、
船場といえば山崎豊子の『ぼんち』で読んだくらいの
知識しかありません。

知らないゆえの憧れや興味かもしれませんが、
なんか、水の都って感じがして素敵です。
(とテキトーに想像してる)

以前も書きましたが、
朝井まかてといえば『恋歌』前と『恋歌』後っていうか、
初期作品らしく割とライトで、するんっと読める作品です。

読後感もいいし、大阪の蔬菜も美味しそうだし、
おすすめしやすい作品。
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島田荘司『アトポス』

2017-12-03 11:47:13 | 日記
図書館で取り寄せてみたら、970ページ。
京極堂並みの分厚さです……。
通勤読書人としては、ちょっと、重い……。

がんばって短期集中読破しました。

前半のホラーや幻想怪奇っぽいパートは
面白くてすいすい読め、
後半の死海で事件発生のパートは
冗長なので飛ばしながら読めました。

というわけで、思ったよりすんなり読み切った。

感想も同様で、
導入は良かったけど、後半の撮影隊の数日間が
なんともビミョーでした。
最後のオチのためかもしれませんが、
ハリウッドから来た撮影隊のメンバーが
どれも人物的に薄いまま物語が進むので
いましゃべってるの誰?
この会話や行動、意味ある?
みたいなとこが多くて、
まあ、そういう意味ですいすいっと読み飛ばして
差し支えなかったですけど。

探偵の御手洗潔が登場するのが後半のさらに後半、
750ページというのは良かったと思います。
もったいぶって出て来て、手際良く帰る。
いい感じの出演具合だ!
『星籠の海』で出過ぎ!と思った私です

まあ、そこそこ面白く読めたけど、
レオナをどん底まで落としてから上げるぞ!という意図が
結構な圧で垣間見えるので、ちょっとくどいなあという気が。

あと、毎度同じみですが、
もう少し重量を軽くしても良かったのでは、と。
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