語る、シェフ

小さなレストランのオーナーが、日々の出来事を語ります。

  おめでとう、冒険10

2008-07-06 00:52:13 | Weblog
くまちゃ~ん お・た・ん・じょ・う・び  おめでとう!!
                      プレゼント

24歳か、若いですね。もう2周りか、年ですね僕も・・・。
24才のときは、人生で、ある意味1番楽しかった時期です。
くまちゃんはどうでしょうか?でも、口を開いて上を見ているだけじゃ、幸せは来ないよ。
がんばってくれ!!

さ~て冒険の続き

しばらくすると、だんだん速度が落ちてきた。傾斜が緩くなってきたようだ。
はっきり言ってお尻が痛い。Gパンは擦り切れてないだろうか?
やがて僕らは、完全に止まった。蛇の穴に落ちなくって本当に良かった。
ぼくは、蛇が大嫌いなんだ。
  
    

彼は僕のお腹の上から、
「パパ、ここどこ??」と訊いた。
「う~ん、地下だと思っていたのに、こんなに滑り落ちちゃって、もっとすごい地下かな?」
僕もとりあえず起き上がると、あぐらを掻き、あたりを見回した。
とは、言っても、暗くてそう遠くまでは見えない。後ろを向いてみると、まだ先がありそうだ。
「よし、行くぞ!!」
僕は、リュックを背負うと、彼の手を握り歩き始めた。
トンネルは、大人がちょっと腰をかがめて歩けるぐらいの高さだ。
僕は左手で、壁を探りながらどんどん進んでいった。
足元を見ながら歩いていると、
「ねぇパパあそこ明るいよ。」暗くて良くわからないが、だいたい50mぐらい先だろうか?
ドアのように四隅から光が漏れている。
まさか本当にドア?じゃあ、ドアだとしたら何処に出る?光が漏れているということは、外?

  

「パパ、電車の音が聞こえる。」
「えっ、電車の音?」僕は立ち止まり、耳を澄ました。そして、目をつぶり耳に神経を集中した。
聞こえる、確かに電車の音だ。
「パパ、早く行こう。」
まったく無邪気なものだ。また、「しゅっぱつしんこう」に乗る羽目になるのだろうか?
僕らは、ドアらしきものの所へいそいだ。そして、ドアノブがあるであろうところに手を伸ばした。
それは、あった。丸いドアノブだった。

「いいかい、しんくん。ドアを開けて外にでる時、目をつぶってるんだよ。そして、パパがいいって言うまで、
絶対、目を開けちゃだめだぞ。わかったな。」
「はい」
「ようし、いい返事だ。行くぞ!!」
もちろん、目をつぶってドアを開けるのは、リスクが伴う。もし、危険が待っていたら・・・。
でも僕は、大丈夫なような気がした。上手く説明できないけど、何となくそんな雰囲気がした。
僕は左手で彼の手を握り、右手でドアノブをつかみ目をつぶった。
そして・・・ドアを開けた。