冒頭の中国人密航船の迫力ある映像から物語へ移るダイナミックな演出は見事の一言。
この映画で面白いのはどうも登場人物が青山真治の過去の作品からの延長線らしいということだ。未見の人は理解不能なのかというとそうでもなく、単体としてもちろんこの映画は十分成り立っている。しかし、冒頭の説明が分かりづらく最後まで健次の心理に入りづらくしていたのは事実で、母親の石田えりの登場までは筋を追うのがきつい感じだった。 . . . 本文を読む
昨日は休みだったのだが、家の用事をしていたら出れなくなってしまい、今日は朝から梅田辺りを攻めて見るつもりだった。
「かもめ食堂」の荻上直子監督の新作を見たかったので、また梅田のガーデンシネマに行く。時間調整がうまくいかなく、映画館に着いたら予定より5分過ぎていた。でも、本編には間に合ったようで、ぎりぎりセーフ。
映画はあまり旅行の好きでない僕も与論島で一週間ぐらい過ごしたかのようないい黄昏感を持つ . . . 本文を読む
全体に映像が粗く、色彩も凡庸で、内容もぐうたら青年の妄想じみた不倫劇などでとりたてて韓国映画の新しい息吹を感じることはなかった。
俳優はそれぞれ演技的にも頑張ってはいるが、如何せんこのストーリーでは観客に好感を持って受け入られるはずもなく(道徳的に問題があるというのではなく、あまりにその恋愛自体がつまらないのであります。)ただ男のうじうじとした空周りとつまらない閉塞感しか感じなかった。
主題はもっ . . . 本文を読む
ものすごい映画を見てしまった。まず、北欧のドグマ映画のように音楽は一切ない。1カット1シーンの連続。全篇緊張感の漂う気を抜けない映画になっている。
ファーストシーン、リュ・ヨンフィのきついまなざしが工場跡のような建物のブルーの窓枠の向こうから見える。この映画は構図が縦横のアウトラインが強く色彩も鮮やかで、まさに全篇絵画のようだ。
その作家風孤高の映像に僕は震える。映像でどんどん押し通していくこんな . . . 本文を読む
「春の海ひねもすのたりのたりかな」。蕪村のポエムがこの映画の心を言い表す。たそがれるためにこの南の島に引力に引かれるように集まってくる人たち。
うーん、僕もこの映画で、南の島に行くことなく映画館の客席でたそがれるときを味わっていました。仕事、家族、その他さまざま生業から逃れたいと思うのは誰でも同じこと。そんな不思議で当たり前の人間として戻るときを2時間他の観客と共有できたこともうれしい。
この映画 . . . 本文を読む
しっとりとしたそれでいて壮絶な人間ドラマ。その合間に終戦後の赤線廃止までの日本の庶民の生活もしっかりと描かれている。この辺りは原作の匂うぐらいの人間くささがストレートに反映されており素晴らしい。
問題はやはり高倉健でしょうか。こんなに青臭い演技をしていたんですね。彼の役回りは彼のせいでもないけれど、彼の出現で、この映画のカラーが見事悪い方に変わってしまったことも事実。
まあ、それはさておき、映画的 . . . 本文を読む
スタイリッシュでクール、映像も鮮やか、出演者も厳選された俳優、イギリス映画でこんなにカッコいい映画も最近また珍しい。
お国柄なのか、アメリカとも違う、もちろんイタリア、日本とも違うマフィアの犯罪絵柄、なぜこんなにサラブレッド的なんだ。
かなり練り上げられた脚本、センスが飛びっきりいい映像、ストイックな演出ぶり、さすがイギリスだけあって、消音ピストルがスマートさを表していていい。
でも、主人公の名前 . . . 本文を読む
テレビドラマなんだよな。もっと映画独特の空間が感じられたらと最初は思っていたが、意外とお金をかけていないせいか、映画的な広がりを感じることは最後までなかった。
でも、この映画は人間映画なんだよね。裁判のシーン、一人の人間の生き死に、人生をしかっと語ったところはえらい。その裁判の検事としての表現も木村拓也は予想以上にいい。うまいというより、何となく男性どもは好感をもてないのだが(何故だか分かりません . . . 本文を読む
聞きしに勝る超怒涛のエンターテインメント映画だ。女性の会話の饒舌振りと卑俗さをここまで見せ付けてくれたタランティーノにまず乾杯。
前半のあのショック度は最近では10年物だね。カート・ラッセルの不気味さといい最高だ。
だが、後半で女性に優しいタランティーノは全く逆転発想をしてしまう。さらに次の獲物を狙うラッセルを用意しておきながら、やわなラッセルにしてしまう。まるで人が変わったように全く怖くないむし . . . 本文を読む
いつになったら涼しくなるんでしょうか、、。今日も熱射日の34度。彼岸でもあるので、天六に行きました。
映画は2本見ましたが、それぞれまさにB級作品。映画って、秀作だけ見ていいというものでもないから、僕は満遍なくいろんな映画を見ることにしています。
鑑賞後、彼岸でもあるし、墓参りに行きたいのだが、、。
この近くに菩提寺があるんですよ。映画館から歩いて7,8分。でも今日は映画を見た後、どうしようか迷い . . . 本文を読む
うーん、日本映画も海外に負けず露出度は増えたなあ、というのが第一感想。喜多嶋舞さん、女優魂をすべて捧げてこの映画に出演したと見える。体当たりの演技とはこれを言うのであろうか。
最近この手の日本映画は見ていなかったので、あまりの出しっぷりに驚いてしまうが、女優さんも大変だのう、、。作品としては、まあ取るに足りない内容だが、少々のうっちゃりもあり面白く仕上がっている。
喜多嶋舞は頑張ったが、美しさから . . . 本文を読む
結構ミステリーとしてうまく作ってあるんだが、これってリバイバルなんだね。30年前とは時代も違うから、心理的に設定には無理があると思う。ラストあたりで、現代風に変えればそれなりに見られる作品になったと思われるが、いかにもあれじゃひどすぎる。
最初の事故がどういうことだったのか結局分からないこと、ヘリの乗員を殺す必要があったのかどうか、ラストで逃げているときにかかってきた携帯でヘルプする意味はあるのか . . . 本文を読む
先週はホント急遽東京に出張だの、夜のお付き合いだの、老体に鞭打つことばかりで少々疲れました。
しかも、9月に入って猛暑も後退したのかなと思っていたら、この2,3日見事ぶり返してますね。
最高34度、最低25度といえば真夏の温度でしょう。暑さ寒さも彼岸までといいますが、今年はそれを信じていいのかどうか、、。
東京は水曜日から行ってました。着いたのが午後2時過ぎ。飛行機で行ったので、体は楽です。温度 . . . 本文を読む
映画暦云十年の我輩でございますが、実にジャッキー・チェンの映画を見るのはひょっとしたら初めてではないかと思われます。もう初老の面影があるジャッキー、しかしさすが動きは敏捷で軽やかだ。ずっと追いかけているファンは過去からの積み重ねでジャッキーの素晴らしさを感得するんだろうけれど、我輩はそこまでの魅力を感じることができませんでした。
作品的には娯楽作品としては水準の出来だろうと思われますが、観客への甘 . . . 本文を読む
まあよく出来ている映画だ。韓国映画の定番というべき、子供を使った神童もの、コメディタッチ演出、貧乏の祖母・孫という家族もの等観客が受け入れるものがすべて混入されており、安心して音楽出世物語を鑑賞できるスタイルとなっている。
敢えて苦言を言えば、お決まりのお涙頂戴ものだけに、映画を見終わった後の感銘度がそれほど高くないというところでしょうか、、。
でも、上映中は一心に画面を見続けることのできるいい作 . . . 本文を読む