いかにもイタリアらしく太陽が燦燦と輝いている明るい話ですなあ。年老い始めた男に何と、、。
いい話ではないか。たった一夜の契りを人生の決起にしてしまった女性に乾杯。今時こんな女性がいるのかねえ。ちょっと穿った見方もしてみたくなるほど明るい話である。そしてあの展開、もね。
ド悪人のはずが元生徒であり、芸術映画を啓蒙する人間派だったというのも出来過ぎてる。まあ、単純明瞭で何でも明るい話にしてしまうイ . . . 本文を読む
2時間弱ほどの映画なのに登場人物の多さ、そして彼らが過ごす食卓の数に驚く。そうなんだね、人生は食事する際一番話をする。つらい時も寂しい時もそして至福の時も、、。
食べることはとても重要なことだ。人間、食べられなくなったらそれは終わりだということだ。生きるということはすなわち食べることから始まるのだから、、。
いくつの挿話がこの映画に語られたのだろうか、でもちょっと古臭い匂いがしないではない。
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冒頭で43人という史上まれな大量殺人の裁判光景が描写される。確かにものすごい人数である。どんな殺人鬼のハナシか興味深々となるが、聖書と共に介護問題がクローズアップされるのだ。
終盤になりちょっとしたトリックがかけられており、真犯人が解った時にはあっと驚かせるが、作者はそれよりもっと大きな原罪そのものを強く表現したかったのだろう。
今問題になっている裁判者制度において民間人の裁き行為、特に死刑に . . . 本文を読む
札幌の夜をある程度知っている人ならあのニッカおじさんを見ただけで郷愁が起きるもんです。そしてあのビルはまだあるかなあとか、主人公たちにつられ映像をつぶさに見つめる自分、、。
まあ前回ほどのダサさは多少控え目ではありますが、依然健在です。この映画の魅力は何と言ってもこのB級志向でしょう。それを基底に残しつつ新たなススキノの魅力探しに邁進するスタッフ一丸の意気込みが熱くこちらに伝わって来ます。
ま . . . 本文を読む
青トーンの映像、スピード感を意識したカット割り、まあかなり凝った映画作り、こういうのをスタイリッシュと言うんだろうなあ、なかなか面白い作品でした。
まあ混み入った脚本作りはそれほど新鮮はないものの、疾走感が2時間ずっと溢れていたので製作者の想いは感じられる作品となっている。
マーク・ストロングの厚顔に拮抗するマカヴォイのしなやかさは思ったより悪くない。個性的である。意外なワルであるべき、もうこ . . . 本文を読む
最近のスザンネ・ビアは変わったね。最初のころの見終わった後の遠吠えのような残滓感が消滅し、彼女の作品ではないみたいに普通だ。普通すぎる。まあ、別にこれでもいいけどね。でも、これは彼女初めてのロマンチックラブストーリではないか。
とはいっても彼女一流の偏屈から多少逃れられず、結婚式で顔を合わせる双方の親どうしのロマンスといった形態にした(問題のある若きカップルには目も向けず)。まあこれが時間がたつ . . . 本文を読む
企画の段階では面白いものになるはずだったんだろうなあ、そんな映画です。ファースの下半身下着姿でうろちょろ、リックマンのヌーディスト、ディアスの女カウボーイなどワクワクする材料が満載。でもね、、
何か古臭いモノが匂いますね。あの全体的に、ホテル閉じ込められ事件で仕方なく外壁へなんて、ちょっと昔の映画を何本も思い出しそう。後で調べたらやはりリメイクだった。
それ自体は嫌いではないけど、何かテンポが . . . 本文を読む
登場人物は4人。といっても一人はウェイターだから、重要な役柄は3人。ちょっとした心理劇であります。
舞台がスイスの高級ホテルに滞在する作家夫妻。そこに昔、恋を語った女が夫に会いたいと言って来る。目的は何なのか。
ホテルだろうから急遽部屋にテーブルが作られウェイターが食事、酒を運んでくる。そしてまさに数十年ぶりに合った男女が観客の目の前で豪華なディナーを食べる。その間にお互いの腹を探り合う展開が . . . 本文を読む
たまたま偶然に見ちゃった作品です。ちょっと見てしまうとなかなか抜けられず、最後まで一気という映画ってありますよね(ビデオの話)。作品の持つ力がそうさせると思います。学園青春ものではありますが、十分人生を見つめています。
思春期に尊いもの。友情。絆。恋。そして人を思いやる心。淡い色。薄ブルーの空。白い雲。
すべてこの映画に詰め込んであります。秀作です。 . . . 本文を読む
このシリーズも3作目。最初特異な分野だけに唖然と読んでおりましたが、最近は読むこちらにも余裕が出来、結末は気にしない予定調和になって来ました。
四話の中でも車整備士の話には電車で読んでいたんだけれど、嗚咽が止まらず周囲から変な目で見られました。こんなことも珍しいと言いたいところだけど、「64」でもやっちゃったし、最近頻繁なんだ。もうお年だからかなあ、、。
でも垣根さんの脳裏にあるものは美しい。 . . . 本文を読む
なんか途中で「チャイナタウン」を思い出したりしたけど、全然格が違うわなあ、、。ショーン・ペンも相変わらずくさいが、ライアン・ゴスリングは旬の俳優らしく見せてはくれる。けど、主役のジョシュ・ブローリンがいかにも地味過ぎる。
映画としては表層的で深みを感じられなかった。なんというか、作りものじみており、ワクワク感に欠ける。エマ・ストーンはセクシーだけど、ボスがあれほど気がつかないというのも?だし、ラ . . . 本文を読む
シュワちゃん10年ぶりの復帰作という企画そのものがもはや地味なのか、題名が意味不明で損しているのか分からんが、この映画こそ大西部劇の原点に戻った秀作エンタメであります。いやあ、面白かったです。
冒頭の300キロを超える新幹線並みのスポーツカーというのはちょっとと思ったけれど、設定があの懐かしい「真昼の決闘」であり、まさに孤立無援のしょぼい田舎町にマフィアの大軍団来たるなんて、現代では考えられない . . . 本文を読む
映画で小説を読む、そんな映画がありますよね。この映画はまさにそんな感覚です。でも題材は辞書を15年もかけて作る映画である。地味であり、小説と同じく行間から何かを感じるという体裁になっている。
人生も大いに時間だけはことに費消し過ぎた吾輩にとっては、この作品の主人公は実に幸せな御仁と思えます。好きなことに身を投じそれを生涯の仕事に出来、しかもさらに食い扶持までもらえるという、ごくごく希有な人なので . . . 本文を読む
見ていて映像から伝わる息遣い、心情、タッチ、ぬくもり、、が、あの秀作「阪急電車」に通じているなあと思っていた。原作はそうだろうとは思っていた。そして帰って調べると何と監督も同じだったのだ。
出だしの15分でその淡い息遣いまで聞こえるようだ。これは素敵な映画の始まりである。しかし一方、冒頭で錦戸亮と堀北真希の現代の身分的断絶も提示される。 (でもあんなに可愛くて、清楚で、おまけに優秀な女性を企業が . . . 本文を読む
「十三人の刺客」の稲垣吾郎や「悪の教典」の伊藤英明にはぬんめりした狂気が漂っていたが、藤原竜也にはそれがないねえ。でも考えたらこの厄介どころの単なる異常性愛者は藤原でなく無名の俳優でよかったのではないだろうか、、。
やたら演技をしようとするから浮いてくる。藤原はいつもそうなので仕方ないのだが(舞台ではこの感じが結構映える)、犯人がこれほど内容のない、ただのデクノボウであるのなら彼より警備するSP . . . 本文を読む