この劇団は今回で3回目だ。最初が「We are~」で度肝を抜かれた。一気に突き抜ける躍動感とそのあとの残滓の様相の見事さ。練間の一人舞台とでもいうべき膨大なセリフ。とにかくすごかった。僕が演劇を加速度をつけて見始めたのはこの作品からだった。
そして力作だが意外とまとまりすぎた「ペチカとエトランジェ」を経てこの作品である。
この作品はまさしく森岡拓磨の脳裏をそのまま語っていますね。オーバルのあの . . . 本文を読む
大学演劇ではうまい方だと思う。個性的で、なかなかハチャメチャなものもやってくれる。そんな関奈月の今回の公演は、、。
演劇を見る人は誰でも一度は見るという成井ものであります。定番というべき時間軸の差異を今回は一致させようと試みる男の話である。90分で、じっくり成井を描けるはずなのに、何だかこなせていない感もあるが、それでもあの成井独特の切なさ感は十分出ている。
今回は俳優もイケメン、美人揃いで、 . . . 本文を読む
何と、通常のつつましい人生を生きている市井の人間からは、少しぶれている人たちの営みの異常さよ。けれど、だからこそ、それぞれの「Nのために」という愛の物語が鮮烈に語られる。
やはり湊は面白いです。何といっても読みやすい。登場人物が全員異常なのに親近感さえあるその各人間への掘り下げ。随分うまくなりました。感心いたしました。
でも読んでいて、繰るのがもどかしい程集中して読んでいるのに、この物語早く終 . . . 本文を読む
劇団名に惹かれて観劇。初めての劇団である。HEPでやるのだから、そこそこの劇団だと思っていたら、意外や、まだどこかあか抜けない劇団のように思われた。
作品も、田舎の高校を舞台に、ハチャメチャ、なんでもあり青春ファンタジーとでもいうべき色調でございました。
話が何となく僕自身乗らなくて、これはもう年齢のギャップがそろそろ出てきたのでしょうか、皆さん30名近くで頑張っておられるんですが、こちとら、 . . . 本文を読む
冒頭で女医が研修医と患者の病名を探るシーンがある。彼らは患者の背中に聴診器を当てて、その音で肺気腫だと診断する。医者として基本中の基本であるその作法は女医のこの映画の行動を規定する。実際に見たことのみを信じ物事を判断する。
それは人の行動の基本ではなかろうか。
彼女はだから一人の女性の死を、警察に任せることなく、一人で探り始める。それは彼女自身の生き方を探る行動でもあったのだ。
でもこの映画 . . . 本文を読む
たまたまチラシを見ていたら甲本雅裕らしき人の姿が。小劇場だからまさかとは思ったが、顔も彼らしい。でも、入場料2000円。小劇場でも超格安。
即予約を入れ、振り込み手続きをすると、郵送でチケットが送られてきた。その席は真ん前の一番いい席。何かの間違いではなかろうかと、今日実際に劇場に行ってみると、甲本が目の前にいたのだ。
しかも、彼はゲスト出演などではなく、本格主演なのだ。どうなってるのか。
. . . 本文を読む
お気に入り劇団「悪い芝居」。最近書き出しはこればっかりだね。そうなんですよ。最近、劇団鑑賞数を意図的に抑えているので、どうしてもお気に入り劇団が多くなっています。
この劇団は最近の2,3作は「本格ロックライブかそれとも演劇か」といわれるほど、強烈なハードロックとボーカルが重要なキーとなっている。なので、今回も覚悟はしていたが(期待していたが)、何とそれが全く消えていたのだ。
席に着くと、何か人 . . . 本文を読む
こちらもお気に入り劇団「オリゴ党」の新作。結構好きなステージプラスでの公演。この劇場はとてつもなく狭いのだが、阿倍野の繁華街に近く便利、観劇後の散策もいつも楽しく重宝しているのである。
狭いということは役者さんとの距離が近いということであり、ホントに生身の彼らと対峙できるのである。それと、普通ある最前席の座布団とやらがないので吾輩のような年寄りにはとてもありがたい。とはいっても、今日は背もたれの . . . 本文を読む
お気に入り劇団カオス。いつも2時間を超える感動ドラマが多いのだが、今回は70分で内容も大人しめ。登場人物も5人と少ない。いつものカオスではない。
でも、じっくり見せてくれるし、少人数でのこんなカオス劇もたまにはいい。
話も、手作り風で、しっとりとしてるしね。
母親役の人がうまいし、泣かせる。イメチェンのカオスだが、新入生向き観劇を意識したのだろう、シンプルだ。でも僕はいつものドツボのように爆 . . . 本文を読む
昨年の江戸川乱歩賞受賞作品である。これまでの作品群は本格モノが主流だと思っていたが、この作品は完全に倒叙物である。そして、読みやすい文章であることがから一気読みが可能なミステリーある。文章はうまい。
中盤で出現する戸籍謄本を取るための住民票が発行されないという部分が特に強烈な印象を残し、そこから興味深く読み進めることが出来た。このプロットは面白い。この日本国でもそういう聖域があるのだ、と実に納得 . . . 本文を読む
映画には感じる映画と考える映画があるとしたら、この映画は後者である。
子供6人の大勢とともに文明を拒否して大自然とともに生きるサバイバルファミリーの姿。しかし、人との交流を拒否しているのでそこは本を読むことで補っている。そんな、ユートピアのようなファミリーの物語の描写である。
ところが、病気療養中の妻が自殺したので、みんなで女親のところで行われる葬式に出かけることになる。ロードムービーである。 . . . 本文を読む
着想はとても秀逸で、100年前のヨーロッパと現代との対比、そして歴史はあるけど、もう見掛け倒しで経営危機にあるホテル、を舞台にした寓話とも取れる作品であります。
このホテルがまさに今のボスニアを暗示しているのは言うまでもないが、ヨーロッパにまで及んでいることにタノヴィッチの思いと批判性がある。
ホテルの屋上ではサラエボ事件の狙撃者プリンツィプと同名の若者がメディアからインタビューを受けている。 . . . 本文を読む
突劇金魚の劇は、最後は東京の駒場まで行って見た『漏れて100年』が2年半前で、本当に久しぶりだ。今回の劇は自前のアトリエ公演である。日差しが強い道路側で30分待ち、そして家屋に通される。
古い民家をアトリエにしたのかなあ、作りがまさに普通の家屋である。古くて頼りない急階段が目の前に迫り、手すりを頼りにやっとこさ階段を上る。階段上には若い女性がいたように思うが、余裕がなく、やっとの思いで階上へ着く . . . 本文を読む