セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 86本、 演劇 63本

劇団祝人「その鉄塔に男たちはいるという」(作・土田英生 演出・浜田崇史)(於・ウィングフィールド) 80点

2017-01-29 20:42:32 | 演劇遍歴
旗揚げ公演だという。でも、ステージタイガーでのコラボ公演は見ていたので、高校生にしては随分うまい俳優がそろっていることは知っていた。ホンも秀作を選び、かなり用意周到の旗揚げだと思っていた。 そして、その予想は当たる。全く初めての公演ぶりではない。むしろ若いのに老成した感もあるぐらいの熟練度の高い演劇だった。 4人のコメディアンが戦争から逃げて鉄塔に立ちこもる。そして同じく若い兵士も彼らを追って . . . 本文を読む
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ゴサンケ『Doroshy-ドロシー- 』(脚本・演出:中山真治)(於・一心寺シアター倶楽) 85点

2017-01-29 08:32:56 | 演劇遍歴
この一心寺シアターのHEP並みの大きな舞台であることよ、と感心する。何回も来ているのだが、この大きな舞台を生かした演劇に今まで巡り合わなかったということなのだ。 そう、この大きな舞台でゴサンケは飛び跳ね、走り、大人が忘れていた子供心を否が応でも蘇らせてくれる。何といおうか、そう映画「ハリポタ」を初めて見たときのあのみずみずしい感覚を思い起こす。 総勢30名の俳優の圧倒的な人数。彼ら(アンサンブ . . . 本文を読む
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アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男 (2016/独)(ラース・クラウメ) 85点

2017-01-27 22:16:23 | 映画遍歴
期待通りに面白い映画であった。特に1950年代、ドイツが復興に力を注いでいた時期はドイツの上層部ではナチスの残党がまだ勢いを持っていたということはあまり知られていない。この映画は一人の検事と彼らとの血みどろの闘いを描いたものである。 だから単純にサスペンス映画ごとくアイヒマンの追跡物語ではないのである。彼はドイツを頼りにできず、モサド(イスラエル諜報機関)経由でアイヒマンを追い詰めなければならな . . . 本文を読む
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白衣の嘘(長岡 弘樹著)(2016 KADOKAWA) 75点

2017-01-27 20:45:03 | 読書遍歴
やはり短編の名手なんだろうなあ。医学を志す人たちが実際こんなものではないことを私たちは知りつつ、この本を読む。その醍醐味。やはり200ページぐらいでぐんと短い短編集だが、貴重である。そこには人生の儚さ、哀しさが前面に強く出る。長岡ってこうだったか?   . . . 本文を読む
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子の掌に月『呼吸』(脚本 Sarah / 演出 All Member)(於・Soap opera classics) 75点

2017-01-27 20:19:51 | 演劇遍歴
よく聞いてはいたが、初めてのテーブル席で酒を飲みながらの演劇である。このゴージャス感。やはりたまらない。そして目を向ければ、舞台は丸いテーブルにマティーニが並んでいる。客席と同じくバーである。 都会的な仕上がりの演劇である。ある夫婦と数年後の恋人二人。何故か女性が同一人物。そして男二人から「あなたは誰に殺されたの」と問われる、、。 会話が通常の日常語で話されるので親近感がある。何気ない普通の会 . . . 本文を読む
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マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ (2015/米)(レベッカ・ミラー) 75点

2017-01-27 08:59:37 | 映画遍歴
タッチがホン・サンス風と思ったのは僕だけ? 「フランシス・ハ」のグレタ・ガーウィク、イメージをそのまま引きずって、この映画に乗り込み。演技派イーサン・ホークとジュリアン・ムーアに割って入るも、力負けした感。あなたはそよ風なんだもんね。でもドロドロ感にはならなかったのはさすが。 . . . 本文を読む
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沈黙 -サイレンス- (2017/米)(マーティン・スコセッシ) 85点

2017-01-23 22:10:35 | 映画遍歴
思ったより原作にほぽ忠実で抑制の効いた「沈黙」であった。殉教のむごさ、神の不在(沈黙)を正攻法で描き切った。スコセッシ見事である。 「沈黙」といえばベルイマンにも同テーマの問題作がある。50年以上たってもまだ問題作である。それほど、神の不在を強く訴えると、いろいろあらゆる方面から問題視されるのである。 この映画、殉教のシーンなど、けれど恐ろしいほど静かである。激しくない。そこに神の目線を感じる . . . 本文を読む
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ステージタイガー「#ファイアフライ」(作・演出 虎本 剛)(於・近鉄アート館) 80点

2017-01-22 18:31:23 | 演劇遍歴
今日の舞台は良かった。ごひいきアミジロウが出ていないので、割とのんきに見ていたら、途中で何でもないところで感動に蒸せり、それからは(花粉症で悩んでいるのに)涙と鼻水との格闘でした。 花火師の話というのが断然いい。時代を感じるし、ノスタルジーがある。それにしても、あの舞台で、花火と蛍を再現させる照明の力量、演出。照明は6人の女子高生が担当したというからスゴイじゃないか。 二人の男に愛されているの . . . 本文を読む
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べろべろガンキュウ女『今の所、べろべろガンキュウ女。』(作・演出 小山雄太) 80点

2017-01-22 09:19:56 | 演劇遍歴
彼らはファーストアルバム的なものというけれど、僕にはドキュメンタリー風の独白ものと感じられた。どこまでが嘘でどこまでが本当か。 そういえば、進信也さんは今回ずっと笑っていたけど、前々回はずっと泣いていたよなあ。彼の場合は表情と心が反対なのかもしれません。 それにしても、あの、ウィングフィールドを完全横側から舞台にした設定。舞台の右側には俳優たちの待機場所があり、そこで彼らは着替えもすることにな . . . 本文を読む
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本能寺ホテル(2017日)(鈴木雅之) 75点

2017-01-19 18:45:36 | 映画遍歴
想像していたよりちゃんと計算してじっくり描いた映画であります。エンタメという分類をきちんとわきまえ、綾瀬はるかの天然ぶりをしっかりそのまま映像化した作品で、すこぶる好感が持てます。 はるか、堤真一の主役級だけでなく、森蘭丸のイメージから遠い濱田岳の起用、風間杜夫の芸達者ぶりの確認、八嶋智人の何故か気になる演技、といい脇役陣の好演も目立った。 何といっても全般的に、京の今と当時との平和ぶりもなか . . . 本文を読む
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チェインクロニクル ヘクセイタスの閃(ひかり)第2章(2017 日)(工藤昌史 ) 75点

2017-01-19 18:31:15 | 映画遍歴
僕のあまり見ないスマホゲームの劇場映画化らしいんですが、これをたまたま見て驚いた。映像がどれをとっても絵になるほど素晴らしい。きれいだ。すごい。 ストーリーも、それなりに作り込んでいるし、なかなかいけるよ。90分、全然このお年の吾輩が十分鑑賞に堪えるというアニメ映画はそうないと思います。 それぞれ主要キャラクターが語る意味深のセリフもなかなか『永遠の青春』っぽくっていいなあ。凄く気に入っちゃい . . . 本文を読む
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劇団アシデマトイ『BOOK!BOOK!BOOK!』(作:チキンドリア淳子/金子夕生 / 演出:森塚聡) (於・Stageplus) 80点

2017-01-15 20:21:22 | 演劇遍歴
目の前の舞台にはかなりの本が並んでいる。ここは図書館。今日は本のオムニバスコメディであります。 第一話。図書館の花子さん。50年前に亡くなったとされる花子さん。ここに出没するという。何やら冴えない図書部の高校生。本の整理を頼まれているが、なかなか集中できないでいる。口は動いても、手は動かずである。 そんな時、ある女子高生が花子の本名を知りたいと図書館の本を探る。優しい男子高校生は彼女に手助けす . . . 本文を読む
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白の鸚鵡「祝福に瞬間を!」(作・河波哲平 演出・内田達也)(於・芸術創造館) 75点

2017-01-14 20:37:54 | 演劇遍歴
総勢15人の大所帯。しかも全員にまともな役とセリフを、という信念があったのかどうか分からないが、ほぼ均等に配されていたように思う。 これはなかなか演劇を作る上で基本的な部分だが、難しいところだと思う。でもこれをクリアしたね。河波哲平さん、あっぱれです。 突然夫婦危機を迎えた3人家族。母親を亡くし父親が再婚しようとする息子から見た父親と女性。この二つの家族像がこの劇の根幹をなす。そこに劇中劇が始 . . . 本文を読む
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歌曲集《シューベルト 冬の旅》(ユリアン・プレガルディエン&鈴木優人)(於・いずみホール) 

2017-01-13 21:17:41 | 書きとめ日記
ここ4,5年でクラシックを随分聴いているが、いよいよシューベルト、ドイツ・リートの最高峰「冬の旅」の登場である。実は最近は演劇に身を入れ過ぎて、金と時間が足りません。その分、クラシック鑑賞を割いていたのであった。 クラシックも聴きたい曲もほとんど聞いたのでもういいかなと勝手に思っている節もある。2年前は教会でのモーツアルトということで「レクイエム」をどうしても聴きたく、ウイーン、パリに行ったこと . . . 本文を読む
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ジェリーフィッシュは凍らない(2016 東京創元社)(市川 憂人) 80点

2017-01-12 10:02:05 | 読書遍歴
日本作品でありながら、登場人物がカタカナものという僕の苦手な本なんですが、「新時代の『そして誰もいなくなった』登場! 」という触れ込みで、ついつい読んでしまいました。 確かに、『そして誰もいなくなった』の事件後の顛末を辿るようなストーリーも面白く、そして警察側の著述も交互に現れ、まあ読みやすくはあった。 ただ肝心のアッと驚く犯人は、というところまでには届いていないような気はする。というのも、話 . . . 本文を読む
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