セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 62本、 演劇 40本

炎のメモリアル (2004/米)

2006-10-31 22:52:43 | 映画遍歴
結構まじめな映画作りには好感がもてるが、殉教者のような描き方には少し疑問。実際はそんなに、犠牲者が出ないはず、と思うのだが、、。 やはりこういう映画はラストは明るさを持たせなきゃ。 死んだら何もならないよ。実話でないのであれば、いい感激に浸りたかった。後味は悪いよ。 ホアキン・フェニックスとジョン・トラボルタは10キロ以上減量してからこの映画に出演すべし。 *** . . . 本文を読む
コメント (1)

父親たちの星条旗 (2006/米)(クリント・イーストウッド)

2006-10-29 20:21:58 | 映画遍歴
政治に利用される英雄論、戦友論、味方を誤射してしまう戦争の実態等、しかし、問題点を執拗に提示するその姿勢はそれほど鋭いものではない。硫黄島での日本軍の不気味さは感じられたが、反して安易な戦法があったり、意味不明。一番疑問に思ったのは戦後60年をたってもまだ戦場の悪夢が存在するのか、ということなのだが、戦争を知らない世代がのたまうことではないのだろう。 戦争のむごさはさすがイーストウッドらしい演出が . . . 本文を読む
コメント (1)

トンマッコルへようこそ (2005/韓国)(パク・クァンヒョン)

2006-10-28 23:23:13 | 映画遍歴
ほんわかのんびりユートピア的ノーモア戦争らしき展開が、そのうち執拗なアメリカ批判映画にすりかわるところが僕には痛烈で、やはり国家の分断という悲劇をこんなに優しい人たちの気持ちで訴えるこのやり方は正しいと思う。 人民軍、連合韓国軍、アメリカ軍を解体した人間同士の触れ合い、ユートピア村の人々とのつながり、その演出力はきわめて優れている。 撮影も立派で映像もきわめて優秀で美しい。ただ、スローモーションの . . . 本文を読む
コメント

上海の伯爵夫人 (2005/英=米=独=中国)(ジェームズ・アイヴォリー)

2006-10-28 23:22:21 | 映画遍歴
わりとアイボリーと相性の良くない僕であるが、今回は完全に彼の無気力な演出振りに相乗的に気持ちが引きはじめてから、映画のほうも時間がたつに連れて俄然詰まらなくなる。映画を撮りたいというの本源的な能動性がなければ映画に関わってはいけないと思う。 ひょっとしたらこの主演女優の華のなさもこの映画の魅力のない原因かもしれないが、あの、名優レッドグレーブ姉妹でさえ目立たせなかったのだから、やはりこれはもうアイ . . . 本文を読む
コメント

女ともだち (1955/伊)

2006-10-23 23:22:36 | 映画遍歴
50年前の映画と思えない映像のクリアさ、女優の美しさ、アントニオーニの饒舌、セリフは別に重要でもなく、ただ人生らしきものをのたまっているだけ。 あらすじは別になくてもいいと思うけれども、あまりにどうでもいいハナシの連続にこれが当時言っていた「愛の不在」なのか、と何か驚かされる。空転を切っているような映画なんだね。 *** . . . 本文を読む
コメント

涙そうそう (2006/日)(土井裕泰)

2006-10-22 23:23:20 | 映画遍歴
この映画は冒頭の題名が出るまでのダイジェストがすこぶる秀逸で、それだけで1本の映画が完成していると思われるほどのできばえだ。 内容的には、現代からするとかなり浮いた映画に見えるかもしれないが、オキナワという東京から一番離れた一種の桃源郷としての非現代というテーマの視点でこの作品を見ると、逆に現代だからこういう映画があってもいいのかな、と思ってしまう。 非現代的な彼らの家屋。(特に妹の下宿のひどさ) . . . 本文を読む
コメント (2)

天使の卵 (2006/日)(冨樫森)

2006-10-22 23:22:44 | 映画遍歴
小西真奈美、女優として一番美しいそのときに、彼女のためというべき耽溺的、魅惑的なすこぶるピュアな映画が出現した。 市原の現代的な軽い男性ぶりに少々演技が気になったが、後半はそれでも愛に生きてゆく強い男を演じていた。 小西真奈美は「恋愛小説」もそうだったが、こういうピュアな映画はしびれるほどいい。髪の毛の1本1本までが美しく感じられる。素晴らしい映像も彼女に味方している。 とにかくこの映画を主演でき . . . 本文を読む
コメント

地下鉄〈メトロ〉に乗って (2006/日)(篠原哲雄)

2006-10-22 23:22:03 | 映画遍歴
今流行りのレトロものであるが、それほど金をかけていなく、カットも少なめで思ったより簡素だ。タイムスリップものは楽しいが、何故不倫相手の女も一緒にスリップするのかなと思っていたら、とんでもないどんでん返しも待っていたわけで、これはすれすれの反則ワザでしょう。でも、これは面白かったです。 大沢たかおは二十歳でも自然に演じられる貴重な俳優でございますな。驚きです。 *** . . . 本文を読む
コメント

レディ・イン・ザ・ウォーター (2006/米)(M・ナイト・シャマラン)

2006-10-22 23:21:06 | 映画遍歴
冒頭の前置きのハナシはこの映画を理解する意味では親切だが、ない方がこの映画を面白くさせたのではないだろうか。結論が分かってからの映画はやはり平板になりやすい。 でも、それにもかかわらずこの2時間を持たせたのは演出力が落ち着いてきたのと、ミステリー仕立てにしたことに負うところが多いと思う。その脚本力には拍手を送りたい。 結局この映画はスピルバーグの「未知との遭遇」とよく似ている。何か、宗教臭が見終わ . . . 本文を読む
コメント

ハヴァ、ナイスデーSIDE A (2006/日)(長澤雅彦他)

2006-10-22 23:20:24 | 映画遍歴
だいたい一作品10分程度のオムニバス。ショートなので、脚本が絶対的。でも、やはり長澤雅彦の「バースデイガール」緒方明の「その山を崩せ」富永まいの「風見鶏と煙突男」辺りが面白かったのは、実力者通りの評価か。映像で、見づらいのもあったのはいかなる理由か。ショートとはいえ、手抜きは許さぬぞ。 *** . . . 本文を読む
コメント

サラバンド (2003/スウェーデン)(イングマール・ベルイマン)

2006-10-22 23:19:23 | 映画遍歴
わが敬愛するベルイマン監督、20年ぶりの新作。彼の映画はもう見られないと思っていたので、映画館で映像を見られる至福にそれだけで酔いしれる。おまけに、俳優もベルイマン映画の常連の二人が主役。見ごたえがある。 ベルイマンの演出力は落ちてはいない。相変わらず人間の業を暴いてゆくその粘着性に逆にずずっと見てきた僕の方が驚いてしまう。20年経っても人間って変わらないのだろうか、、。 父と息子、母親と娘 . . . 本文を読む
コメント

キャッチボール屋(2005/日)(大崎章)

2006-10-22 23:18:14 | 映画遍歴
これだけのアイデアだけでひとつの青春映画まで形成できるこの演出力にまず敬意を表します。軽いコメディーかなと思っていたら、細かいところまで計算されている綿密な演出で、しっかりと沸沸と青春の逆戻りする人々を淡い方法ながら色鮮やかに描き切る。 初演出と思えないその大人の映画に僕は大いに感激した。映画って、これなんだよね。こんな、さりげないテーマも映画を見る人たちみんなに響くものがびんびんある。大作でなく . . . 本文を読む
コメント

水の迷宮(石持浅海 光文社 2004)  

2006-10-16 11:01:43 | 読書遍歴
石持 浅海の才能には惚れ惚れしている新米読者だが、この作品はちと落ちるんじゃないか、と思ってしまう。 今まで読んだときに感じたわくわく感、きらめき感、そういった読書について基本的なものがほとんど感じられないままに読み終わってしまう。 敢えて言えば犯人が捕まらないということぐらいか。これはまあまあだったが、、。 他の作品に期待したい。 彼の作品を全部読破する気でいます。 80点 . . . 本文を読む
コメント

夜のピクニック(2006)(長澤雅彦 )

2006-10-15 21:46:13 | 映画遍歴
お気に入り長澤雅彦の新作。前作「青空のゆくえ」も素晴らしい青春映画の傑作で期待大でした。原作が青春の息吹を感じさせる秀作で、あの澄み切った爽快感が映像化でどこまで表現出来るだろうか、と気になっていました。でも、ほぼ原作どおりの展開で、心配は杞憂に終わり、青春のひと時を感じ取る素晴らしい時間を共有できました。 珍しく僕も云十年前のそのときに心だけは戻れました。みんなそんなときもあったことを思い出させ . . . 本文を読む
コメント

16ブロック(2006)(リチャード・ドナー )

2006-10-15 21:45:15 | 映画遍歴
風貌がかなり変わってしまっているので、最初ウイリスに気づくまで少々時間を要した。でも、いい感じで年をとった感もする。腹は出ているが、顔は締まった感じ。いい俳優になったと思う。 映画は「アサルト13 要塞警察」の屋内型から屋外型になった悪徳警察ものだ。アイデアのパクリとも言える。 そんな出だしから、急に迫真のシーンの連続でアクションシーンも相まって秀逸の出来。さすが、激戦の覇者R・トナー、ポイントは . . . 本文を読む
コメント (1)