自分がシニア世代のくせにどちらかというと若い世代の劇ばっかり見ている俺。それはシニアだけでやってる劇団っていうのが稀なせいだと思う。そしてこの劇団がそうです。みんなエネルギッシュです。若いです。そして出し物は3つの短編集です。
とりとめのないどこにでもいるようなシニアの男女。そして彼らの日常。普通の演劇にあるような生気が漂っているわけでなく、ましてや恨み、呪い、恋の苦しみなんて言うのは一切ない。 . . . 本文を読む
これは何と言えばいいのだろうか、75分、セリフは一切なし。そして殺陣が途切れることなく続く。舞台では御法度とも思える表現方法でありながら、一人の男の人生を丹念につぶさに描き切るその見事さ。いやあ、たまらん。ものすごいデス。
壱劇屋といえば、そりゃあ、あのスタイリッシュな小気味いいアクション、美しさ。もう他の劇団では味わうことのできない高みの次元に位置する。
その売りが、今回は180度回転して、 . . . 本文を読む
どうしても小説の冒頭部分っていうのは流して読んではいないんだけどおろそかにしちゃってましたね。よく確認しなかったから最後の方まで誤解してました。(これがトリックといえばトリックなのかなあ)
そう、飛び降りと首吊りじゃあ全然違うよね。錯覚というのは怖いです。
結構綿々と女性の話を聞かされますが、これぞ「イヤミス」でしょうなあ。もう途中で何度も投げ出そうと思ったか分からないほどです。
母性という . . . 本文を読む
前作は短編だったが「紺青タンザナイト」の清新なラブストーリーがまだ脳裏に残っている箱庭計画の新作だ。僕が見るのはこれで3作目だが、同じ脚本の人と思えないぐらい回を経て題材が180度近く変貌する。
今回は怪奇伝奇ものと言えようか、就職活動中の女子大生が主人公だ。彼女は過酷な就職活動の中、ふと自分に疑問を感じる。面接でなぜあなたは生きているのか、と問われて。その時、神隠しに遭ってしまうのだ。宙を見や . . . 本文を読む
徳田ナオミさん、いよいよ独自線を勢いよく邁進する。今回はまさに「高年齢者の行き着くオアシスとは」という人類の避けては通れない命題に挑戦する、、。
300円のブレンドペチカコーヒー。小さな純喫茶店。そこには不思議とお年寄りが訪れる。大会社の社長風情男。うらぶれた汚れた長靴をはく男。性格が正反対に思われる女性の二人連れ。そして足がいかにも弱そうな老女一人。
マスターは若き清潔感のある男。そして清純 . . . 本文を読む
前作が面白く期待して読む。でも随分前に読んだので、雰囲気しか覚えておらず、当時はとても新鮮に感じられたものだが、最近はこういうミステリー形式はよく読んでいるので、前作ほどの感動には至らなかった。
途中で、警察学校いうというところは育てるというよりも、落としていくところでもあるのだな、と思うようになる。こんな教育を受けている警官がなぜ通常は愚直に感じられることもあるのか不思議でした。通常の人間だっ . . . 本文を読む
演りだおれは2回目の観劇。前回はスペース9で、別役ものだった。やはり若い人が演じる別役はフレッシュだった。
そして今回。えらく凝っている。舞台装置から、小道具まで、そして脚本が宇宙を背景にしているので話(というものもそれほどないけど)がどんどん広がってゆく。
星が止まってしまうとどうなるんだろう、、。宇宙の始まりにまでたどり着きそうな展開で、あの小さなウイングフィールドが一瞬プラネタリウムのよ . . . 本文を読む
もう終わってしまっている夫婦の話であります。男と女、もしくは人間同士、結局は愛だとか何とか言ってるけれど、本当に相通じることができるのだろうか、理解することなんてできるのだろうか、本来は一体の個として通じ合うことがあるという幻想を持っているだけなのではないか、という諦観さえ覚える映画です。
つまり、人を愛することはそもそも人間はできるのだろうか、という人類が常に命題として持っている究極のテーマが . . . 本文を読む
8月に初見したべろべろガンキュウ女。2時間近い劇だったが、全員何故か泣いていてしかもストーリーが何回もリフレインされる。ストーリー的には実質70分ぐらいの劇ではなかったか。何故か相容れず、しかし何故か独創的で魅力的で不思議な劇団であった。
それからまだ2か月弱での公演。今度はごく小さな劇場での公演。その公演もメールが届いて初めて知ったぐらい。CORICHでも広報されていない。何故か期待できるもの . . . 本文を読む
一つの内定もらうのにこんなに大変だなんて、というのは知ってはいたつもりだけど、若者の生き方を捉えるとき、こんなにも就活が人生の重要度を占めているのか、それこそが現代の煉獄なのかもしれない、と思う。
これだけの美男美女の俳優たちが出ていて全くの愛の交換もない。そこには就活によって人間関係をずたずたに分断される青年たちの呻きが聞こえてくるのみ。
これがあの青春時代なんだろうか、もう年を取りつくした . . . 本文を読む
中編が2本の豪華版です。それぞれ1時間で、とても贅沢な気持ちで楽しい時間を共有できました。いいですね。たまにはこんな気のおけない無条件にワクワクするコメディを見るのも。至福の気持ちがいっぱいで満足でした。
最初の演劇は太陽系惑星の代表陣の会議の話。いやあ、ホントに文句なしに面白い。全然のけっから楽しめる。コメディってホントは難しいんだけど、笑わせてくれる。ホンモノですね。小池さんが俄然ハッスルし . . . 本文を読む
深田晃司、早くも4作目にして一応の集大成映画とみる。今回は「西川美和+黒沢清」×1/2そして多少のパゾリーニ風(テオレマ)。だから、ホラーとしてみるもよし、心理映画としてみるもよし、罪と罰(神)を心底掘り下げた映画としてみるもよし。
あなたが映画ファンであれば、その蓄積からこの作品のどんなシーンからでも映画談議ができるほど。夫婦論。家族論。風のように現れた神ともまがう男の存在。
そ . . . 本文を読む
石持の新作。最近は彼の作品を読むのがきつくなり始めていたので、正直こんなにさらりと一気読みをするのも久しぶりで、ほんと面白く、大切にいとおしく読ませていただきました。
1編が30ページぐらいの短編が6つ。館ものでも、従来の館モノではなく、その大きな館に吸い寄せられるように迷い人が入り込んでくる、、。
僕には全編、面白かったです。なんで、あんなほんの少しのデータから真相をすらすら読み解いてゆくの . . . 本文を読む
これはまたすごい演劇を見る。登場人物15,6人。人数的にはそれほど異色ではないが、なんとそれぞれの役柄がきちんと描かれていて、しかも全員添え物ではない、いわばみんな主役なのだ。そこがまずすごい。
そしてその脈絡のなさそうなそれぞれのエピソードが、見事ラストに向かって収束してゆくその演劇の醍醐味と言ったら、そうそう見られない代物であります。はせひろいち氏の類まれな才能を見る思いです。これを2時間で . . . 本文を読む
マット・デイモン&ポール・グリーングラスが戻って来た期待の新作だ。久しぶり過ぎて過去の作品ほとんど忘れてる、、。
でも見ているうちに、そうそうこんな感じだったとすぐ思い起こさせる展開。スピーデーでいいねえ。おなじみジュリア・スタイルズも出てきて、俄然張り切っちゃう。でもCIA側がトミー・リー・ジョーンズ。何かテレビで見過ぎ感があり、新鮮感なし。
それより今売り出しのアリシア・ヴィキャンデルが肌 . . . 本文を読む