セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 73本、 演劇 45本

嘆きのテレーズ (1952/仏)

2006-07-31 23:55:02 | 映画遍歴
ある男女の出会いがすべてだと言わんばかりのそれぞれの告白がすごい。本物の恋愛のほとばしりを描いて秀逸な出だしである。 それ以降は少し平板なサスペンスものになってしまっているが、それでもカメラのアングル等映画としては一級のものがありカルネの才気煥発なところはうかがわれる。 ラストもなかなか余韻のある終わりで、人生こんなものなのだと思わせる映画的なラストでした。 **** . . . 本文を読む
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イブの三つの顔 (1957/米)

2006-07-31 23:45:23 | 映画遍歴
今では当たり前の多重人格の女性の物語。やはり人間の神秘の妙と言うか深層心理に与える影響が人格を決定してしまう過程もたまらなく面白い。 こういう演技は役者冥利に尽きるものがあるんだろうが、それに応えたJ・ウッドワードも迫力ある熱演。さすがアカデミー賞。 ただ、演出的には少し平板ではないだろうか。 **** . . . 本文を読む
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プリシラ (1994/豪)

2006-07-31 18:23:26 | 映画遍歴
まだ偏見が蔓延しているこの現実の視点がこのドラマの現代への問題点を警鐘しているが、それはすべて払拭できる世界はないのであろう。 そんな、人間の本源的な優しさ、自由、愛、家族、生きるということ、、。 オカマショーという素材から偏見のかたまりをちりばめながら、僕たち心の問題を抉り出した快作だ。 それにしても、テレンス・スタンプの人間的な美しさにはある人間の到達点まで感じられれ、驚いてしまう。秀作。 * . . . 本文を読む
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ラスト・ショー (1971/米)

2006-07-31 18:11:35 | 映画遍歴
青春時代の忘れがたき墓碑銘というべきか、地方都市を舞台に人間それぞれが持っている青春のひと時のはぐくみとほころびそして回顧。 それはあまりに痛烈で哀しい。その場にいる、そのときそこにいる者だけが共有出来得る感情が映像に蔓延している。 秀作である。 **** . . . 本文を読む
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ウォルター少年と、夏の休日 (2003/米)

2006-07-31 17:59:18 | 映画遍歴
思ったより少年のころの夢をはぐくむ素晴らしい展開に心から愛しく思えるハートウォーミング映画だ。この題名がメチャこの映画のイメージをだめにしている。現題の「Secondhand Lions」は良い題名だ。少し甘いところもあるけれども、現代ではもうすでになくしたかのような話なのでこういう映画の存在自体嬉しいです。 ロバート・デュバルはジャック・バランスと間違えていました。心に染みとおる素敵な映画です。 . . . 本文を読む
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ふたつの恋と砂時計 (2005/韓国)

2006-07-30 23:03:01 | 映画遍歴
出だしから少女漫画風のきれいなスケッチ風水彩画のイメージを前面に出し、なかなか好調の韓流ドラマ。 この映画のハイライトは恐らく誰も思い浮かべることのできないどんでん返しだろう。 あしながおじさんが誰なのかは何となく想像は出来るが、、。 あまりに嵌められるのでこれを楽しいと思うかどうかでこの映画の評価は分かれると思う。 僕は韓国映画のこういった脚本上の思い切りのよさが好きだ。 但し、甘いロマンスなの . . . 本文を読む
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事件 (1978/日)

2006-07-30 22:22:33 | 映画遍歴
驚くほど頼りない硬い演技の永島敏行を中心に弁護人、検察人、裁判官の藪の中。裁判って被告人に犯行状況を尋ねないものなのかな、という疑問は残るが、女の情念・したたかさ・男の身勝手を描いて裁判劇として通俗的に面白い。 ただ、外国映画にあるような深さまでは感じないのは演出の深みによるものなのか。 脇役はよだれが出るほど贅沢三昧。 **** . . . 本文を読む
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疾走 (2005/日)(SABU)

2006-07-25 22:26:01 | 映画遍歴
何でそうなるのだろうという悲劇の連続で、しかもどんどん重くなっていくので息苦しくなるほどだ。 終盤で急に大杉漣のきもいヤクザが出てきてから特にトーンが変わっていく。これは何を象徴しているのだろうと考え込んでしまったが、シュウジをそこまで追い込む必要があったのか、今でも分からない。 小説的といえばそれまでだが、いかにもシュウジとしてはどん詰まりの終結に向かっていくためのきっかけに思えて仕方がない。 . . . 本文を読む
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WEEKEND BLUES ウィークエンド・ブルース(2001)(内田けんじ)

2006-07-25 00:25:19 | 映画遍歴
「運命じゃない人」の元祖作といっていいほど展開は似ている。驚くほどの低予算とシナリオオンリーの映画力に通じる何をも言わさぬ強さ。このシンプルさが俳優たちの演技力の未熟さをしのいでこの映画の面白さを物語る。 なかなかうまく使い分けた時間軸の移動の巧妙さがこの映画のテーマを面白くしている。 内田の才能の片鱗を感じる映画だ。 *** . . . 本文を読む
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変身 (2005/日)

2006-07-25 00:09:22 | 映画遍歴
最近テレビドラマでもこんな低劣なつまらないドラマを見たことがないような感じがする。どこを取っても誉めるところがなく、ただ唖然とする。 演出が低次元過ぎる。映像もぼわっとしてる。玉木宏がまともに演技しようとすればするほどC級映画に成り果てる。 さすがこの映画では蒼井優もつまらない。 大昔の夏の夜の深夜放送を見ている感じだなあ。 * . . . 本文を読む
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ハチミツとクローバー (2006/日)(高田雅博)

2006-07-23 21:38:40 | 映画遍歴
思ったよりしっかりと少女漫画のいい雰囲気を画面いっぱいに散りばめている素晴らしい映像にもう開口部から浸っている自分を感じる。 片思いって一番素敵な時間なんだよっていうのはそのときはもちろん苦しいだけだから分からないが、時が過ぎてから感じ取っていくものなのだ。そんな、甘い哀しいそれぞれの苦しいひと時を青春という時間の流れとともに表現していく、その淡い空間とかすかな甘さが僕のような年を取った人間にもそ . . . 本文を読む
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パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト (2006/米)(ゴア・ヴァービンスキー)

2006-07-23 21:37:46 | 映画遍歴
前作よりお金も十分使った分娯楽作品ではこれ以上のない、贅沢でトーンが一定の水準の高いエンターテインメントを見せていただきました。 2時間30分、次から次へと飽きさせない演出はたいしたもの。大人も子供も充分楽しめるさすがディズニー映画。もう言うところはありません。 ただ、肝心のジョニー・デップの出番が意外と少ないと感じたのは僕だけでしょうか、、。 次作を意識した経過措置でしょうか、、。 **** . . . 本文を読む
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真夜中のピアニスト (2005/仏)(ジャック・オーディアール)

2006-07-23 21:37:06 | 映画遍歴
何か変わった映画のように思える。不動産のブローカー(ほとんどヤクザだが)という職業とクラシックピアノという取り合わせが最後までぴんと来ないままこの風変わりな映画は終わりを告げる。 やはりロマン・デュリスにピアノは似つかわしくないんだろうなあ。 ピアノそのものが持つ強さ弱さ繊細さといった芸術表現を彼が体得していたとはとても思えないから。 ただ対照的にリン・ダン・ファンのピアノは素晴らしい。「インドシ . . . 本文を読む
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胡同〈フートン〉のひまわり (2005/香港=中国=オランダ)(チャン・ヤン)

2006-07-22 21:35:18 | 映画遍歴
父と息子と人生上の葛藤、というと古今東西数ある映画の中でもテーマ的にも語り尽くされた感がある種類のものだろう。 本作は中国の政治史、社会史を横軸に30年の二人の思いを見つめた物語である。それなりに見ごたえはあるが、父親の思いが余りに極端で、父親である僕でさえ気持ちを納得させられないまま映像は展開するので、少し距離感を持って見続けることになった。 特に息子の恋人が身ごもっていることを知り息子に内緒で . . . 本文を読む
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美しい人 (2005/米)(ロドリゴ・ガルシア)

2006-07-22 21:34:11 | 映画遍歴
ワンシーン・ワンカットが10分余りの9話のオムニバス。観客からすると9話もあると頭の切り替えが難しく、ドラマに浸かり始めるとさっと終わってしまう繰り返し。 まあ、でも数ある映画の中でも珍しい試みは誉めてあげたいし、内容的に考えさせられる話が続く。特に元恋人の妻の葬儀の話なんか、テンションが高くこれがワンシーン・ワンカットですべてやってのけたわけだからすごいと思う。 ラストの話も、この挿話だけがワン . . . 本文を読む
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