シュレンドルフだからドイツ語の映画かなと思ったらフランス語。しかもナチスによるフランス人レジスタンスの大量処刑の話である。もちろんドイツ将校も出ては来るが、シュレンドルフの大きな度量を見た思いがする。
映画の出来としては、かの「ブリキの太鼓」の芸術性を求めるのは愚の骨頂であろうが、芸術より歴史の真実に重きを置くシュレンドルフの心意気が全編にわたって伝わってくる。
27人と為政者の4日間の出来事 . . . 本文を読む
3時間を超える長尺。休憩なし。キツイけど見るしかない。映画館に行くと、思ったより年寄りが多い。(僕もそうだけど) え、そんな映画なの?(相変わらず内容は知らず映画を見る僕)平日なのに満席。何かの予感。
手慣れたヘルパーを手腕に老人宅を泊まり歩くサワ。最初の話があまりに強烈でかなりぶっ飛んだが、そのうち少々強引なサワが現代に降りてきた受難のキリスト像に思えてくるから不思議だ。
どういう人生を送っ . . . 本文を読む
と、言っても体重のことではありません。身の回りの物、たとえばバッグとか、バッグに入れるものの重量なんかに繊細になってきました。
バッグといえばちょっとこの前まで休みの日にはリュックをしょっていたのだが、なかなか専門店、スポーツ用品店等を訪ねてもお目当てのリュクが見当たらない。というのも300g以上のものは買わないことにしている。どうせ中にどんどん物を入れるのでリュックは軽いほうがいい。ところが若 . . . 本文を読む
ティーンエイジャーの12か月保護施設での出来事です。親から離れて期限付きで住む子供たち。ドアは当然開けっ放しでないといけない。いろんな子供たちがいる。そしてワーカーたちも実は同じ経験をしていた人たちが多かったのだ。
劇映画なんだけどドキュメンタリーを見ていた感がある。いかにも手作りの映画といった感じ。こういう映画は映画的な作風というより、彼らの抱える悩みそのものに焦点が移って、どうも映画を見てい . . . 本文を読む
一人の女性の人格を3人の行員に分散させた捉え方がまず面白いと思った。
不倫が始まる時の、そのざわざわ感は観客を巻き込み、気が付くと咽喉の渇きが覚えるほどだ。地下鉄の階段からすらりとした白い足が下りてくるその圧倒感はスゴイです。
何にせよ、頂上へ行き着くまでは結局人間は何でもしてしまうのだ。恋愛にせよ、仕事にせよ、趣味にせよ、上り詰めるために人はエネルギーを使い消耗する。だからそれが下降に向かう . . . 本文を読む
何といっていいか、カフカの「審判」を現代に戻したような、かといってとっつきにくくなく、分かりやすい映像。だって、アイオアディはこの作品を通して「自分とは何か」、なんて大仰なことを探っているわけではないのだから、、。
でも映画の定番90分にしては随分長く感じられたのは演出的に多少問題があったのかもしれない。ミアはそれほど魅力的でもなかった(これが一番の驚き)が、アイゼンバーグの分身二役は思った以上 . . . 本文を読む
90分、平板といえば平板。確たるドラマ性もない。不思議なことに主人公の内面にはそれほど入らない。マルタというのは4人の母親だ。主人公から見た彼ら家族の営みとは、、。
これだったら、NHKのドキュメント72時間の方が面白い。NHKスペシャルの方が断然いい。この作品はでも映画なんだよね。ドキュメンタリータッチでもない。一応劇映画に設えてる。
父親がそれぞれ違う子供たち一家と天涯孤独な女とのふとした . . . 本文を読む
うーん、この映画、日本版題名でごまかしてるけど、移民がテーマですね。今フランスでは移民者が多くなって失業者が増大していることが社会問題になっている。そこのところをハルストレムを持ってきて、優しくオブラートしてる。コメディにまでして。
ミシェラン1のフランス料理店の真ん前に何やら怪しそうな(?)インド料理店を設けたいと、、。店舗の管理を委託されていたミシェランの女主人は意外とそれほど反対せず持ち主 . . . 本文を読む
興業的には難しいクラシックを題材にした作品である。しかも声楽なので勇気が要ったと思う。冒頭から堂々たるオペラシーン。全体的にお金を十分かけており、その意気込みと勇気は映像の隅々にまで及んでいる。製作者にまず拍手を送りたい。
ユ・ジテもオペラ歌手になり切っている。こんなに鋼鉄を感じる俳優だったか、若い時から見ているが随分と役者的に大きくなった気がする。彼ももう39歳なんだ。外国の役者って、一流人は . . . 本文を読む
この劇団も来年は35周年だそうだ。演劇をやってて長期に活動できるというのはものすごいことだと思う。ある意味、会社経営より難しいのではないか。その秘訣をこの本作で見る。
今回はある旅館の話である。主がなくなり経営が厳しくなっている。そんなこと馬耳東風のごとく、みんなのんびりと働いている。主は成仏できないでいた。そこに自殺志願のある旅芸人が泊まることになった、、。
設定が新鮮。今までとはかなり斬新 . . . 本文を読む
いやあ好きだなあ、この映画。モノクロで昔懐かし(逆に現代では新鮮か)ヌーヴェルバーグのいいとこ取りオンパレード。躍動感のある映像は自分の肉体のように息をしている、、。
主人公が27歳なのにまるで未成年みたいにガキ丸出し。やはり現代、すなわち時代を描き出している。何といっても映像が全編イキイキしてる。
走る。とどまる。思ってもいないことを言ってしまう。本当は自信がないのにそれとは裏腹に変に頑張る . . . 本文を読む
何かしらこの作品は「探偵はBARにいる」を連想させる。連結要素は松田龍平だけなんだが、空気感がそこはかと共通しているかなあ。まあ、便利屋といっても実質的に探偵でもあるからね。
日本のどこにもないまほろ駅というのがまず、いいんだよね。便利屋の事務所は住居を兼ねたおんぼろ風情である。応接セットも相当ひどい。事務所に入る階段には便利屋のくたびれた感のある広告も見える。この映像は見ているだけで郷愁感とい . . . 本文を読む
結構しびれました。仕事人みたいにお金で善意を請け負うというのでないのがいいね。デンゼルはやはり無口が似合う人だ。その静と動の対比もすこぶるいい。
この作品、何といっても社会の底辺に生きる人たちを丁寧に描いているのが加点材料だ。あのバーでの少女と元CIAとの会話はこうごうしいほど心打たれる。だからこそ彼の行為もある意味正当化されるのだ。
そして通常の映画だったら、当地の闇の支配者を葬り去って終わ . . . 本文を読む